天神祭
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配信中は、動画の視聴者がインターネットから拝礼や大阪締め(後述)へ同時に臨めるような配慮が施されている。
15:30 - 陸渡御(りくとぎょ)

祭のメインイベントの一つ。船渡御の乗船場までの神輿渡御に随伴して約4キロを約3000人が行列する。行列は先頭が催し太鼓で、続いて猿田彦や采女(うねめ)、花傘、猩々の人形を乗せた山車、牛曳童児などの第一陣、御羽車や神霊を移した御鳳輦のある第二陣、玉神輿と鳳神輿の第三陣によって構成される。陸渡御の順番は、太鼓中、神鉾講、地車講、天満ライオンズ奉仕講、天神講、釆女、稚児、敬神婦人会、大阪書林御文庫講、福梅講(牛曳童児)、御旗講、花傘講、総奉行、大阪府知事、大阪市長、榊講(大真榊)、御羽車講、丑日講、御錦蓋講、御菅蓋講、御鳳輦講、氏子総代、協賛会委員、玉神輿、鳳神輿、菅公会(祭り囃子)の順である。
18:00 - 船渡御

陸渡御につづいてメインイベントの一つ。船は4種類に分けられ、御神霊をのせた御鳳輦奉安船、催太鼓船や地車囃子船など神に仕える講社の供奉船、神をお迎えする風流人形を飾った御迎船、協賛団体や市民船などの奉拝船、その他どんどこ船や子供どんどこ船、落語船など祭を盛り上げるため自由に航行できる列外船がある。奉安船や供奉船が天神橋のたもとから出航して大川を遡り、反転して下る。

協賛団体による奉拝船は飛翔橋より下り、天神橋で反転し遡る。船同士が行き交う時には大阪締めが交換されるが、御鳳輦奉安船が通過するときは沈黙するのがならわしである。また、奉拝船より供奉船へは、大阪締めを求めることは法度とされ、その逆に大阪締めを行うのは順当とされる。他に舞台船や篝船などもあるが、渡御せずに定着して神楽等を奉納する。御神霊を乗せた御鳳輦奉安船を見下ろすことがないように、御鳳輦奉安船の通過する橋の中央には正中の覆いがされる。

渡御の渡中、御鳳輦船では水上祭が斎行される。定着している舞台船や供奉船から神楽や囃子が奉納される。この頃から花火講によって奉納花火が打ち上げられて祭は最大に盛り上がる。(1999年より花火講は消滅し、天神祭花火実行委員会によって、川崎公園・桜ノ宮公園の2箇所で奉納花火の打ち上げが実施されている。川崎公園では2002年より、大阪日日新聞主催の「水都祭」の一環で花火が打ち上げられている。

奉納花火については、2015年・2016年に5,000発を打ち上げ。「天皇陛下御即位奉祝祭」を兼ねて開催された2019年には、御即位への奉祝花火も特別に打ち上げられた。
22:00 - 宮入り・還御祭

渡御が終わった一団が天満宮に戻り、催太鼓と共に大阪締めを行う。獅子舞が四方清めと本殿へ走りこみ、その後還御祭が本殿で斎行されて祭りは終わる。

神事として祭のスケジュールには含まれていないが境内では地車囃子や龍踊りが奉納されたり、お迎え人形が展示されたりしている。境外でも下記のような催事が執り行われている。
ギャルみこし(天神祭女性御神輿)

7月23日にオーディションで選ばれた女性が担ぐ神輿巡行。主催は天神橋筋商店会(天神橋4・5・6丁目商店街)。選考がユニークで米俵を持ち上げる選考とかくし芸などのPR選考によって選出される。ギャルみこしは、祭の渡御列(本隊)には参加しない。
自動車渡御

宵宮の10:00頃から市内をトラックによってパレードを行う。トラックには子供神輿や地車囃子などが乗り込む。
町内神輿宮入り

氏地の各町内の神輿が境内に宮入を行う。
ドラゴンボート国際選手権

昭和63年から奉納イベントの一環として行われているドラゴンボートレース。サンケイスポーツ主催。
テレビ中継と関連番組

天神祭生中継
ジャンル特別番組
出演者西川きよしハイヒール
ほか
製作
制作テレビ大阪

放送
音声形式ステレオ放送
放送国・地域 日本
放送期間1982年7月25日 - (年1回)
放送時間本宮開催日(基本として19:00 - 20:54)
放送分114分
回数39
特記事項:
放送時間・回数は2023年までの時点
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例年は、地元局のテレビ大阪[7] が、本宮の日の夜(18:55 - 20:54)に関西ローカル向けの生中継を。本宮が月・水・木・金・日曜日と重なる場合[8] に当該時間帯で放送されるテレビ東京制作のレギュラー番組については、水 - 金曜日であれば本来の『土曜エンタテインメント』枠[9]、月曜日であれば翌日(火曜日)の同じ時間帯(ローカルセールス枠)で振替放送を実施する[10]

テレビ大阪本社(大阪市中央区大手前)の屋上から奉納花火を一望できることを踏まえて、生中継に際しては、屋上に進行用の舞台(放送上の呼称は「スタジオ」)や屋台を設置。西川きよしハイヒールリンゴモモコ)が総合司会、テレビ大阪のアナウンサーから1名が進行役を務めるほか、同局制作のレギュラー番組の出演者(主に『おとな旅あるき旅』の三田村邦彦)や演歌歌手(主に大阪府出身者)をゲストに迎える。出演者は全員浴衣姿で、スポンサーから屋台などを通じて提供される飲食物を摂取しながら生中継を進行。基本として奉納花火が出演者の背後に映るような配置で放送しているが、中継の随所で出演者が花火を鑑賞できるように、舞台は複数のスタッフが両手で押しながら回転できるように設計されている。また、大阪天満宮の境内(または門前)から宮入り、列外船の上から花火打ち上げ、天満宮に近い天神橋筋商店街から賑わいの模様を随時中継。平成時代最後の開催であった2018年の生中継からは、ヘリコプターによる大阪市および周辺地域の空撮中継も取り入れている。

その一方で、地上デジタル放送移行後の2015年以降は、生中継にマルチチャンネル編成を採用。サブチャンネル(073チャンネル)では、船渡御と奉納花火の映像を、千年屋俊幸アナウンサーのナレーションや進行で紹介する。千年屋がテレビ大阪を定年で退職(フリーアナウンサーへ転身)した2019年には、FM大阪(当時の愛称は「FM OH!」)とのコラボレーション企画を実施する関係で、同局の番組パーソナリティから1名がサブチャンネルの進行に加わっていた。

なお、新型コロナウイルス感染拡大の影響で神事のみ執り行われた2020年にも、本宮の夜に特別番組を編成。大阪天満宮境内からの生中継をベースに、前年までの放送の同録映像から厳選した名場面集を織り込んだ。前年に続いてFM大阪とのコラボレーション企画も実施されたが、テレビ大阪では放送時間を例年の2時間から40分(19:20 - 20:00)に短縮。出演者も、テレビ大阪のアナウンサー(福谷清志川北円佳坂本七菜)と大阪市長(民選第21代)松井一郎(特別ゲスト)に限定した[11]

本宮が日曜日であった2021年には、1982年の開局以来初めて生中継を見送った代わりに、当日の11:52 - 12:40に『今日は天神祭!皆さん、ご苦労さまです?伝統の祭りを支える人たちに密着?』という事前収録のドキュメンタリー(リポーター:石田靖笑い飯哲夫)を編成した。前年と同じ事情で神事のみ執り行われたことに加えて、前年に見送られた2020東京オリンピックの開催が決まったことに伴って、テレビ東京系列担当分の男子競泳競技予選中継を当日の夜に同時ネットで放送したことによる。

テレビ大阪が開局40周年を迎えた2022年には、船渡御と奉納花火の再開が見送られたことから、前年に続いて生中継を断念。天神祭や大阪の歴史を物語るスポットをモーリー・ロバートソン豊崎由里絵(テレビ大阪の開局に協力していた毎日放送出身のフリーアナウンサー)と高島幸次(大阪天満宮文化研究所の研究員を務める歴史学者)が巡るロケを天神祭の開催前(7月上旬)に実施したうえで、収録映像に桂吉弥のナレーションを添えた特別番組『天神祭さんぽ?歩けばわかる浪花の今昔?』を本宮当日(月曜日)の15:32 - 16:29に放送した。

2023年には、船渡御と奉納花火が復活することを受けて、テレビ大阪が本宮の生中継を7月25日(火曜日)の18:25 - 20:54に再開。司会は休止前と同じく西川きよしとハイヒールで、ヘリコプターからの空撮中継も前田拓哉(テレビ大阪アナウンサー)の実況リポートで復活させたほか、放送枠を休止前から30分ほど拡大させた。また、「天神祭2023予習復習スペシャル」と銘打って、『今日は天神祭!皆さん、ご苦労さまです』を7月23日(日曜日)の11:36 - 12:24、『天神祭さんぽ』を宵宮(24日)の17:30 - 18:29に再放送[12]。生中継では休止前と同じく、開局以来41年間本社に使用してきた日経大阪電波会館の屋上に、人力でのみ回転できる進行用の舞台(前述)を設置した。もっとも、テレビ大阪では日経大阪電波会館の近隣で建設中の複合施設(ダブルツリーbyヒルトン大阪城)に2024年4月から本社機能と演奏所を移転させることが決まっているため、この会館から天神祭の中継を進行する体制を2023年で終了させている。
天神祭に参加するには?

一般参拝(観覧)客としてではなく天神祭の神事や祭事に参加するには基本的に講に所属しなければならない。天神祭はあくまで大阪天満宮の氏子による祭事であるためである。しかしながら、講の条件は厳しくなく、大阪天満ライオンズクラブ奉仕講など新しい講も認められている。また、講の人員不足のためアルバイトボランティアといった形で参加することもできる。他には市民奉拝船の公募に応募したり、帝国ホテルの奉拝船のチケットを購入して船渡御に参加する手段もある。清掃ボランティアも募集しており、天神祭清掃ボランティア天神祭美化委員会(ダストバスターズ)に参加する方法もある。
用語

天神祭には講または講社と呼ばれる団体があり、この講が天神祭を支える大きな役割となっている。講の起源は詳しく明らかになっていないが、古い講は江戸時代よりあったと言われている。元々、講とは同じ志を持った集団であり、天神祭に奉仕するために、商人の町であった特徴上、米問屋や八百屋など各同業団体などで集まってできた。一般参拝(観覧)客としてではなく天神祭の神事や祭事に参加するには、基本的に講に所属する必要がある。


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