天然ガス
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同様の例は、同じ年にアメリカでも発生し、大寒波に襲われたテキサス州では現物価格が瞬間的に通常時の100倍まで高騰する現象が見られた[35]川崎重工業は「発電船」と呼ばれる船舶を開発している。これは、港に係留した状態でLNGを燃やして発電し、陸上へ送電できる機能を持った船である[36]
事故

大量のLNGが漏洩する事故が起きた場合、液化のために-162℃以下の超低温状態にされた天然ガスは、-113℃以上に暖められるまでは空気よりも重いため、極低温のガスが地上に滞留する。LNGタンクが作られた初期の1944年10月20日、アメリカ合衆国オハイオ州クリーブランドで起きたLNG漏洩事故では、防液堤を備えなかったために大量のLNGが市中に広がり、下水溝内で爆発・燃焼するなど、死者128人を出した[37]。この大事故を教訓に、現在ではLNGタンクの周りは防液堤で囲われており、万一漏洩事故が発生しても周辺被害はそれほど拡大しないと期待されている[19]
LNG受け入れ基地

日本国内の基地について記載する。

日本のLNG基地(年間取扱量は2018年度実績)基地名称所在地所有者LNGタンク

(単位:万kl)年間取扱量

(単位:万ton)稼働年月
南横浜火力発電所根岸LNG基地
横浜市磯子区JERA東京ガス1183801966年10月
泉北製造所第一工場堺市西区大阪ガス2536751972年12月
泉北製造所第二工場高石市1977年8月
姫路製造所姫路市1984年3月
袖ケ浦LNG基地袖ケ浦市JERA、東京ガス2549391973年10月
戸畑基地北九州市戸畑区北九州LNG481111977年9月
知多LNG共同基地知多市JERA、東邦ガス1727861977年9月
知多LNG事業所知多LNG1983年5月
知多緑浜工場東邦ガス2001年11月
四日市工場四日市市東邦ガス1991年10月
姫路LNG基地姫路市飾磨区関西電力1087541979年6月
堺LNGセンター堺市西区堺LNG2006年1月
新潟基地北蒲原郡日本海LNG723581984年1月
東扇島火力発電所川崎市川崎区JERA547441984年1月
富津火力発電所富津市JERA1369691986年11月
四日市LNGセンター四日市市JERA321221988年2月
大分LNG基地大分市大分LNG461711990年10月
柳井発電所柳井市中国電力481461990年11月
廿日市工場廿日市市広島ガス17421996年3月
鹿児島工場鹿児島市日本ガス9141996年4月
清水LNG袖師基地静岡市清水区清水LNG341191996年7月
港工場仙台市宮城野区仙台市ガス局8161997年6月
川越火力発電所三重郡JERA843501997年6月
扇島LNG基地横浜市鶴見区東京ガス85非公開1998年10月
長崎工場長崎市西部ガス442003年9月
水島LNG基地倉敷市水島LNG321012006年4月
坂出LNG基地坂出市坂出LNG18352010年3月
上越火力発電所上越市JERA542052012年7月
石狩LNG基地石狩市北海道ガス、北海道LNG

北海道電力、石狩LNG桟橋61662012年11月
吉の浦火力発電所中頭郡沖縄電力28272012年11月
直江津LNG基地上越市国際石油開発帝石36402013年12月
ひびきLNG基地北九州市若松区ひびきLNG36662014年11月
八戸LNGターミナル八戸市JXTGエネルギー28392015年4月
新仙台火力発電所仙台市宮城野区東北電力32882015年12月
日立LNG基地日立市東京ガス23712016年3月
相馬LNG基地相馬郡石油資源開発、福島ガス発電46未定2018年3月
富山新港火力発電所射水市北陸電力18382018年11月


日本のLNG二次基地(国内の他の基地からLNGを調達する)(年間取扱量は2018年度実績)基地名称所在地所有者LNGタンク

(単位:万kl)年間取扱量

(単位:万ton)稼働年月
高松工場高松市四国ガス1.072003年8月
函館みなと工場函館市北海道ガス0.742006年2月
松山工場松山市四国ガス1.062008年11月
勇払LNG受入基地苫小牧市石油資源開発0.7非公開2011年10月
釧路LNGターミナル釧路市JXTGエネルギー1.042015年4月
秋田LNG基地秋田市東部ガス1.222015年12月
徳島工場徳島市四国ガス0.7未定2018年12月
詳細は「日本のLNG基地一覧」を参照
LNG発電船

島々によって構成される国や地域には、大規模な発電基地を建設することが困難な場合もある。そのため、ディーゼル発電などが主になるが環境や費用の高さが問題となる。これを解消するため、LNG発電船から電力を供給する方法が開発されている[38][39]
圧縮天然ガス

圧縮天然ガス(あっしゅくてんねんガス、CNG[注 4])は、高い圧力で圧縮された天然ガスのことである。燃焼させた時に発生する排気ガスが比較的良いので、自動車の燃料として注目を浴びるようになった。天然ガスに仮にオクタン価を付ければ135になる[40]。詳細は「天然ガス自動車」を参照
脚注[脚注の使い方]
注釈^ ニューロンドン学校爆発事故では石油採掘時に副生する、着臭していない廃棄天然ガスを引き込んで使用したことからガス漏れに気付かず大爆発を起こした。この事故をきっかけに燃料用ガスへの付臭が実施され、今なお日本を含む多くの国々において燃料用ガスへの付臭は義務化されている。
^ ハイドレートとはガスの水分が凍結したもの。
^ : liquefied natural gas
^ : compressed natural gas

出典^ a b c 内山洋司「化石燃料のエネルギー転換」 一般社団法人日本エレクトロヒートセンター
^都市ガス事業について日本ガス協会(2018年4月3日閲覧)
^天然ガスが「クリーン・エネルギー」と呼ばれるのはなぜ?国際石油開発帝石(2018年4月3日閲覧)
^火力発電の主力燃料「LNG」の正体って?東京電力ホールディングス(2018年4月3日閲覧)
^ 海運3社/船舶にLNG 自ら供給網/環境規制に対応 燃料船普及視野『日経産業新聞』2018年3月15日(商社・物流面)
^天然ガスとは三菱瓦斯化学(2018年4月3日閲覧)
^ヨウ素とは関東天然瓦斯開発(2018年4月3日閲覧)
^ 「東ガス、LNGコスト削減/マレーシア産、転売可能に/ガス値下げの可能性も」『日本経済新聞』朝刊2018年3月14日
^ https://www.kyoto-np.co.jp/articles/biz/765322
^ 北逸郎、長谷川英尚、神谷千紗子 ほか、「CH4の炭素同位体比とN2/Ar比の分布に基づく天然ガスの生成プロセス」『石油技術協会誌』 Vol.66 (2001) No.3 P.292-302
^ a b c 早稲田周、重川守(1988):「本邦油・ガス田地帯における天然ガスの起源に関する地球化学的考察」『石油技術協会誌』 Vol.53 (1988) No.3 P.213-222


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