天明の飢饉
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両碑の裏面には、天明の大飢饉に於ける当時の八戸領内の天候や作物の状況、食生活、餓死者や病死者の数、放火強盗といった治安悪化の様子、飢饉で得た教訓を後世に伝える内容が記されている。かつて人肉を食す様子を記した部分が存在したが、意図的に削られている。削られた時期は「当時の八戸領領主に対して配慮し、建立後間もなく」とも「明治時代」とも言われているが、正確な時期は不明である。昭和63年(1988年1月16日、青森県史跡に指定された。
放生池天明大飢饉における等順大僧正の民衆救済を伝える放生池

信州善光寺(長野市)大勧進表大門の手前にある放生池は、時の第79世貫主・等順大僧正が天明の大飢饉において、善光寺貯蔵の米麦を放出して民衆を飢餓から救済したことから、等順の恩に感謝した人々が集まり、極楽への道筋を可視化するために掘った池と伝えられている[10][11][12][13]
参考資料
江戸時代の日本の人口

(江戸幕府「人別調べ」、関山直太郎による)

1774年(安永3) 2,599万

1780年(安永9) 2,601万

1786年(天明6) 2,509万

1792年(寛政4) 2,489万

1798年(寛政10)2,547万     

東北地方の人口

1750年(寛延3) 268万

1786年(天明6) 237万

1804年(文化1) 247万

1828年(文政11)263万

八戸藩の収穫

1782年(天明2)7,243石(表高2万石)

1783年(天明3)19,236石

1784年(天明4)16,457石(耕作しない)

八戸藩の天気 1783年(天明3)8月

2日・朝のうち雨

3日・夜中まで大雨

4日・薄曇り

5日・
村雨

6日・沖雲

7日・曇り小雨

8-14日・雨

15日・曇り、大寒冷

16日・雨

17-19日・大雨

20日・晴れ

21-31日・雨

1993年(平成5年)作況:平年比

東北全体56(収量304kg):青森28(下北0)、岩手30、宮城34、福島61(浜通り49、中通り南部51、会津82)、山形79、秋田83:北海道40、関東甲信85、栃木81、茨城87、新潟89、福岡・佐賀74、長崎・鹿児島75、島根79、山口80、全国74
[注釈 2]

1993年(平成5年)八戸の気象

参考までに、冷夏となった1993年と、猛暑に見舞われた1978年1994年2010年の気象諸条件を示した。

1978年

6月 降水量120.0mm、平均気温17.6℃、最低気温 8.2℃、最高気温31.6℃、平均雲量7.6、日照時間197.4、全天日射量16.7 (MJ/m2)

7月 降水量 55.0mm、平均気温24.3℃、最低気温15.5℃、最高気温34.7℃、平均雲量5.7、日照時間299.5、全天日射量21.0

8月 降水量 67.5mm、平均気温24.3℃、最低気温15.0℃、最高気温37.0℃、平均雲量5.4、日照時間270.9、全天日射量17.9


1993年

6月 降水量 20.0mm、平均気温15.0℃、最低気温7.9℃(6/7)、最高気温25.6℃、平均雲量8.2、日照時間135.8、全天日射量16.4 (MJ/m2)

7月 降水量 102.0mm、平均気温16.5℃、最低気温9.0℃(7/1)、最高気温26.0℃、平均雲量8.8、日照時間101.2、全天日射量13.4 (MJ/m2)

8月 降水量 50.5mm、平均気温17.0℃、最低気温9.7℃(8/3)、最高気温32.6℃、平均雲量8.0、日照時間155.9、全天日射量15.2 (MJ/m2)


1994年

6月 降水量140.0mm、平均気温15.9℃、最低気温 8.8℃、最高気温27.4℃、平均雲量7.5、日照時間178.2、全天日射量18.3 (MJ/m2)

7月 降水量 49.0mm、平均気温21.6℃、最低気温14.8℃、最高気温35.0℃、平均雲量7.4、日照時間200.4、全天日射量19.3

8月 降水量125.0mm、平均気温25.0℃、最低気温18.0℃、最高気温35.9℃、平均雲量7.2、日照時間190.2、全天日射量16.4


2010年

6月 降水量124.0mm、平均気温17.6℃、最低気温 7.4℃、最高気温31.9℃、日照時間181.2(2008年以降の平均雲量・全天日射量のデータはない)

7月 降水量131.0mm、平均気温22.6℃、最低気温16.3℃、最高気温33.7℃、日照時間113.6

8月 降水量 70.0mm、平均気温25.6℃、最低気温17.4℃、最高気温36.7℃、日照時間194.7


脚注[脚注の使い方]
注釈^ 凶作が予想されるときは商人が藩外へ米を売るのを禁止する「穀留め(こくどめ)」が行われるのが普通であった[7]
^ 1981-2009の30年間のほかの記録は1982年の87、2003年の90。戦後最低は1945年の67

出典^ 藤沢周平『藤沢周平全集 第23巻』、文藝春秋、1994年、198-199ページ
^ 石弘之『歴史を変えた火山噴火 -自然災害の環境史-』、刀水書房、2012年、109-110ページ
^ 『詳説日本史研究』、山川出版社、289頁
^ 石井寛治『日本経済史』、東京大学出版会、77頁
^ 松井今朝子「江戸の異常気象」、日本経済新聞2015年7月24日付夕刊
^ “松岡正剛の千夜千冊”. 松岡正剛の千夜千冊 - 古今東西1700夜を超える千変万化・前人未到のブックナビゲーションサイト (2005年12月30日). 2023年3月27日閲覧。
^ 石弘之著『歴史を変えた火山噴火 ー自然災害の環境史ー』刀水書房 2012年 109ページ
^ 「天明三葵卯歳大凶作天明四辰歳飢饉聞書」
^ 天明3年(1783年)浅間山噴火 国土交通省 利根川水系砂防事務所


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