天使
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バルクはイエスに全てを話し、ついにイエスの霊は天上に昇り後続の人間も救われた[29]
オカルティズムにおける天使

ダイアン・フォーチュンは、心霊現象から自分を防衛する必要がある時に魔法円を描いて天使に祈る方法を紹介している[30]。また、「天使うらない」という占いが行われている[31][32]
天使の概念史

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出典検索?: "天使" ? ニュース ・ 書籍 ・ スカラー ・ CiNii ・ J-STAGE ・ NDL ・ dlib.jp ・ ジャパンサーチ ・ TWL(2010年12月)

「仕える霊」としての「み使い」は捕囚期以降の観念であると考えられている。古い文書、とりわけモーセ五書に登場する「ヤハウェの使い」はむしろヤハウェの特別な顕現ないし密接な関係にある高次の霊と考えられた。セラフィムケルブ・ケルビム、あるいはオファニムなども、「み使い」の意味での天使とは考えられていなかった。彼らは、神ヤハウェと密接な関係を持つ高次の霊ではあるが、何か異質な者と考えられていた(この考えはまた、初期のキリスト教の神学者たちも感じていた)。

バビロン捕囚期以降、神が多数の霊に仕えられているとする観念が生まれた。この「天の宮廷」にバビロニア神話の影響をみるものもいる。またおのおのの国にはそれを司る天使(国の君)がいるという考え方が生まれた。
天使と神々多数の羽根を持つケルビム。作者不詳 (1156)。

3宗教の聖典であるモーセ五書における「神の使い」「ヤハウェの使い」は、ヤハウェの顕現体であり、ときにヤハウェと同一視されるが、天使はこれと異なり、「仕える霊」として描写される。旧約聖書における「仕える霊」「天の軍勢」としての天使への言及は比較的新しく、ユダヤ人のバビロン捕囚期以降に成立した概念と考えられている。ミカエルラファエルなど固有の名前をもった天使は、捕囚期以後に成立した文書にはじめて現れる。3世紀のラビ・シメオン・ベン・ラキシュはこのことを指摘し、これらの天使がバビロニア王国に捕囚されていた時代に由来するとの説をたてた。

ここから、天使の概念は、アブラハムの宗教が広まり、他民族を取り込んでイスラエル民族が成立していく過程で、他宗教の神を、唯一神によって創造された下位の存在として取り込んでいったとする考えがある。またゾロアスター教の神の組織のあり方に、天使の組織のあり方が類似しており、天国地獄の概念、善悪の天使に分かれて戦う戦争の概念はゾロアスター教の考え方から影響があると言われている。しかし、天使が本来持っている霊的・神学的な概念を示す最古のものは、古代世界とはほとんど関係が無く、全ては旧約聖書と新約聖書に結びついている。
2種類の天使

天使は主に二つの類に分かれる。第一は「み使い」と呼ばれる天使である。第二は、セラフィム(熾天使)、ケルビム(智天使)、オファニム(座天使)がそうであるが、多数の眼を持ち、多数の翼等を持った姿の天使である。これらは一般的な天使のイメージとはほど遠い怪物的なイメージで表現されている。

第一の天使は、『旧約聖書』『新約聖書』においては、姿が見えないか、翼など持たず普通の人と変わらない、成人か若い青年の姿で現れる。(なお、ガブリエルミカエルは下級天使の位階である大天使とされるが[33]、上級天使である熾天使や智天使の位階にあるとされる場合もある。これは、キリスト教で天使位階を論じて、彼らを最高位天使としたためである。彼らは、怪物のような姿では考えられていない)。
天使像の変遷

初期のキリスト教では、天使は(現在の一般的な天使イメージとは異なり)翼を持たない姿で描かれることもあったが、聖書中には4つの翼を持つケルビム[34] と6つの翼を持つセラフィム[35] の記述が存在する。この内、ケルビムの描写は翼の下に人間の手があるとされ、現在広く知られている天使の容姿と合致する内容である。聖書と内容を一部共有するクルアーンにおいても、天使は2対、3対、または4対の翼を持つ存在であるとされている[36]。天使が有翼の姿であると普及するようになるのは、オリエントペルシアの天使・精霊のイメージなどが混合されてきたことも一因であると考えられる。

中世ヨーロッパにおいては、絵画から窺える限りでは、天使は有翼で、当時の西欧人の衣装をまとい、「天の聖歌隊」を構成する天使たちは美少年の姿に、悪と戦う使命を持ったミカエルなどは、鎧をまとい剣を帯びた、雄々しい戦士の姿で描かれていた。

近世以降、無垢な子供の姿や、女性の姿、やさしい男性の姿を取って表現されることが多くなった。これはルネサンス期にローマ神話クピド(女神ウェヌスの子である愛の神)からイメージを借りたとされる。場合によっては童子の顔と翼だけで身体を持たない姿に描かれることもある。

2013年ローマ・カトリック教会のレンツォ・ラヴァトーリ神父は、ローマで行われた天使美術に関する討論のなかで、翼の生えた子どもとして描かれる天使像は真の姿ではなく、天使は目には見えないが、譬えるならばクリスタルガラスの花瓶を通すことで人の目に映る姿を歪ませる陽光のようなものだと主張した[37]
脚注[脚注の使い方]
注釈^ これら三宗教は比較宗教論上の共通点を有し、総称してアブラハムの宗教と呼ばれる。
^ リンク先ではそれぞれ「天使のかしら」、「御使のかしら」

出典^ Luck, Georg. Arcana Mundi - Magic and the Occult in the Greek and Roman Worlds. The Johns and Hopkins University Press
^ グスタフ・デイヴィッドスン 『天使辞典』
^ Thomas Aquinas. ⇒“46”. Summa contra Gentiles. 2. ⇒http://dhspriory.org/thomas/ContraGentiles2.htm#46 
^ トマス・アクィナス. ⇒Summa Theologica. Newadvent.org. ⇒http://www.newadvent.org/summa/1050.htm 
^ Aquinas, Thomas. De substantiis separatis. Josephkenny.joyeurs.com. ⇒オリジナルの2010年12月12日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20101212112433/http://www.josephkenny.joyeurs.com/CDtexts/SubstSepar.htm 
^ a b c d e f日本正教会「天使と悪魔」
^ “60分でわかる旧約聖書(6)「ヨシュア記」”. メッセージステーション. 2019年9月9日閲覧。 “U.カナンの地の征服( 5 : 13 ? 12 : 24 )1.(3)@ *この人物は、受肉前のイエス・キリストである。”
^ Proverbio (2007), pp. 81?89; cf. review in La Civilta Cattolica, 3795?3796 (2?16 August 2008), pp. 327?328.
^ Proverbio, Cecilia (2007). La figura dell'angelo nella civilta paleocristiana (in Italian). Assisi, Italy: Editrice Tau. p. 66.
^ en:Angels in art[出典無効]
^ ビリー・グラハム 『天使』 いのちのことば社
^ ヘンリー・シーセン 『組織神学』 聖書図書刊行会
^ マーティン・ロイドジョンズ 『キリスト者の戦い』 いのちのことば社
^ 尾山令仁 『聖書の教理』「神が造られた歴的世界」。
^ Internet History Sourcebooks Project: ⇒Twelfth Ecumenical Council: Lateran IV 1215(2015年11月20日閲覧)


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