大韓民国
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2020年時点で世界10位の国内総生産を有し[9]、2021年の貿易輸出額は世界6位[207]。主要な産業は電子機器、IT、造船、鉄鋼、自動車などで[208]、2021年度時点で、サムスン電子半導体スマートフォンテレビ家電製品において世界シェア1位であり[209][210][211][212]、2020年の国連工業技術力指数は世界3位[213]。また、韓国は新興途上国への積極的な開発投資を行っており、一例として世界最高高度の人工建造物「ブルジュ・ハリファ」の建設は韓国のサムスン物産ベルギーアラブ首長国連邦の企業とジョイントベンチャーを組んで施工した。OECDG20パリクラブのメンバー国[214][215]
経済史概要1962年から1994年までの間、韓国の経済は年20 %の輸出の伸びにより加速し、毎年平均10 %成長した。この期間は漢江の奇跡と呼ばれる。経済の中心江南区。(2009年)

韓国の経済は朝鮮戦争の激戦でインフラが破壊されたことによって1960年代前半までは大きく立ち後れていたが、1965年の日韓基本条約を機に、日本からの円借款などの資金協力や技術援助を利用することで、1962年から1994年の間、年20 %の輸出の伸びを記録し、毎年平均GDPが10 %成長する漢江の奇跡[注釈 21]と呼ばれる経済成長を遂げた[216][217][218][219][220]。高度経済成長を遂げ、新興工業経済地域(NIEs)のひとつに数えられた時期を経て、1996年にOECD(経済協力開発機構)加盟、アジアで2番目の先進国となった。

1997年にはアジア通貨危機により韓国経済は大きな危機に直面し、大量倒産や失業と財閥解体が起こり、外資導入と市場の寡占化が進んだ。大手輸出企業や銀行の株主の多くは外国人になった。2000年ごろには一時的な経済の立ち直りがあったものの、政府の金融政策のためクレジットカードを大量に発行した余波もあり、2003年ごろには個人破産が急増して国内での信用不安が高まり、金融が危機的状態となった。2008年時点では大学新卒者が正規社員として働くのは困難であり[221]2009年大卒者就業見込みは55万人中4万人だけであった[222]。徴兵義務や就職難のため、優秀な若者は韓国国内の経済状況に関わらず海外への脱出を目指す傾向が強いが、経済的苦境のためにますます国を離れて米国や日本の企業に就職する若者が多くなっており、頭脳流出が懸念されている。

大手製造業である財閥系輸出企業は好調であるが、韓国全体の雇用に寄与しておらず、内需はきわめて停滞しており、韓国国内においては財閥系企業の寡占が問題となっている[223]。2021年時点で、韓国の国内総生産の14%を三星財閥ひとつで占めていた[224]。このため、社会では「二極化」という言葉がよく使われるようになり、経済的格差の拡大が問題となっている。

2000年ごろから富裕層向けの高層マンションブームとなり、2002年から2012年までの10年間に不動産価格は68.5 %上昇した(日本のバブル景気とほぼ同率)。これらは一時低迷したものの2018年には不動産高騰によるバブル経済に突入し、2022年におけるソウルの一般マンション平均価格は1億6000万円前後を推移、年8 %の継続的な物価高騰が続くものの、いずれも賃金上昇率に見合わないため社会問題化している。

2007年ごろには、韓国の製造業が、技術的に先行する日本と、大量生産により追い上げる中国の存在に追い込まれるのではないかとする「サンドイッチ現象」への懸念が持ち上がっていたが[225]、2010年ごろから2012年末までに続いた超円高や、2011年タイの大規模洪水や東日本大震災などの天災で、日本の製造業が大規模な被害を受けたため、韓国の製造業は大きく業績を伸ばした。特に好調なサムスン電子は売り上げ高と利益を伸ばし、世界最大のエレクトロニクス・テクノロジー企業となっている。また現代自動車は欧米先進国における自動車販売台数を急激に伸ばし世界3位の自動車メーカーとなった。

主要な産業は情報技術、造船、鉄鋼、自動車などである。主要な企業としては、サムスン電子や、現代自動車、LG電子、ロッテ、ポスコHD現代重工業などがある。リーマン・ショック以降、ウォン安政策によって輸出が伸び、2011年には韓国の貿易依存度は対GDP比 96 %となった。2011年度の統計によると、核心技術や素材、部品産業を日本に依存しているために、日本との貿易収支は208億ドルの赤字である[187]、また好調な輸出に支えられて、韓国の総貿易収支は452億ドルの黒字であった[226]

2018年10月時点での国内総生産は世界11位であり、近年は知的財産への投資も増加している(韓国の知的財産権問題も参照)。

2020年最低限の住宅基準以下の世帯は4.6 %に改善、[227] 2010年の10.6%の半分以下になる[228]

一向に解消されない財閥企業への一極集中により若者の就職難や格差問題が続いており、2015年ごろから韓国のSNSでは「ヘル朝鮮」という言葉が流行語になり、韓国内外の複数のマスコミにも報道される事態となっている。

2018年文政権政権は大幅な最低賃金引き上げを行った。直後は失業率が上昇したがその後は安定、生産性の向上も起こり同年の経済成長率は2.7%と日本で騒がれた程経済全体への悪影響は見られなかった[229]28色のカテゴリに分けられた韓国の輸出品目
半導体・電子部品世界最大の半導体スマートフォン、物理テクノロジー企業であるサムスン電子

DRAMでは世界シェアの約半数近くを占める。1997年のアジア通貨危機で、当時、単なる主要企業にすぎなかった韓国の半導体メーカーらは一時的に倒産寸前にまで追い込まれるが(SKハイニックスは、2001年に一度経営破綻している)、韓国政府からの公的資金注入による韓国の将来をかけた半官半民体制や、破綻を避けるための広範な構造改革、効率的な経営計画の実行、大規模投資、日本の電機メーカーとの相互協力(ソニーとの液晶パネル製造の合弁会社設立や、相互特許使用契約の締結。 東芝との光ディスク装置の合弁会社設立。古くはフラッシュメモリの共同開発と技術仕様・製品情報の供与契約の締結などもしている)などを経て著しく躍進し、グローバル企業への成長を加速させる。半導体技術力向上の一環として、世界中から人材を集めるのが特徴で、サムスン電子などは韓国政府のバックアップのもと、1991年の日本のバブル崩壊時に大がかりにリストラされた東芝松下電器三洋電機シャープNECなどの日本人技術者を高給でヘッドハンティングし、日本人技術顧問が外国人技術者中77名と大半を占めるなどの環境下で、最新技術を取得。


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