2020年における平均賃金は4万2156ドル(USD)[12]、平均世帯所得は6125万ウォン(約634万円)[13]。世界銀行における『高所得国(一人当たりのGNIが1万2535ドル以上)』に分類される[14]。主な社会問題として、世界2位の労働時間、出生率の低下[15]、OECD内で最も高い自殺率[16]、物価高や不動産バブルによる経済格差の拡大等が挙げられる[17]。社会構造は、急激な経済成長(世界最貧国→先進経済大国)がもたらした教養面における極端な世代間知的格差に特徴づけられる[15]。
近年は教育に力を入れており、人間開発指数は『極めて高い』を記録[18]。国連教育科学文化機構(UNESCO)によれば、2019年における19歳以上25歳未満の大学進学率は98.4%[19]、大学院進学率は44%[20]。文系より理系進学者が多く、理系大学への進学率だけで日本の大学進学率を超える[21]。数学オリンピック、物理学オリンピック、化学オリンピックでは中国や米国に並ぶトップの成績で知られ、アイビー・リーグへの留学者数は世界で2番目に多い。
憲法上は「朝鮮半島及び付属島嶼全域」の22万4000km2(日本の本州と同規模[22])を領土とするが、北緯38度以北は朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)が実効支配している。森林と農地で国土の約81%を占め、平野部は少ない[注釈 1]。首都ソウルへの一極集中の傾向が強く、2021年における都市圏人口は国民の50 %を超える2604万人であり[23]、都市圏内総生産は世界4位[24]、東京都の都内総生産と同規模である[25]。
国名
正式名称 ( 音声ファイル) テハンミングク。略称は、??(韓國、[?ha?(?)n?uk?] ( 音声ファイル) ハングク)である。
1948年5月10日の総選挙で制憲国会が構成された後、同年6月23日に国号の採決が行われ、独促国民会が推す「大韓民国」が新国家の国号に決定した[26]。大韓民国の国民は自国の国号を「大韓民国」、「韓国」などと呼び、自国を呼称する場合、よく「我が国(????、[u?ina??a?] ( 音声ファイル) ウリナラ)」と呼ぶ。
ヨーロッパ諸語でのコリア(Korea)はマルコ・ポーロの『東方見聞録』における「高麗(?? [ko?j?]、コリョ)」に由来する。現在、大韓民国の公式英語名はRepublic of Koreaと呼ばれる。
大韓民国のヨーロッパ諸語の呼称は Republic of Korea(英語)を公式に使用しているが、略称としてSouth Korea と表記されることも多い。
旗の由来韓国国旗詳細は「大韓民国の国旗」を参照
太極旗とも呼ばれる。白地が国土を、円が国民を、四つの四角い記号が政府を意味する。白は平和の精神、中央の円は太極といって宇宙を表していて、青は陰を、赤は陽を示し、陰陽が一つとなって万物を創造することを表している記号は易の掛で、乾?・ 坤?と坎?・離?が一対になって万物の対立と均衡を示している。 日本語表記は、大韓民国。略称は、韓国。ただし、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)政府を「朝鮮の合法な政府」として支持する者(朝鮮総聯など)や共産趣味(チョソンクラスター)の間では、南朝鮮(みなみちょうせん)または南鮮(なんせん)という呼称が使用される。また大韓帝国を韓国とも言った。 大韓民国の建国からしばらくの日本では、「韓国」のほかに「南朝鮮」「南鮮」などの呼称も一般的であった。1965年の日韓基本条約締結で国交が樹立されてからは「大韓民国(韓国)」の呼称も使用されるようになるが、メディアなどでは「南朝鮮・大韓民国」と二つ並べて呼称されることが多かった[注釈 2]。1980年代半ば以降、「南朝鮮」「南鮮」の呼称は公式の場面でほとんど用いられない[注釈 3]。また日本共産党では、南北が国際連合へ加盟するまで及びそれ以降数年間は、「どちらかが全体を代表するという響きがない」として用いていたことがあった[27]。日本語での伝統的な異称としては「高麗(こま、「狛」とも表記)」があり、「こまひと(高麗人)」といえば朝鮮半島の人々の異称であった[注釈 4]。 北朝鮮政府は、自国や自民族の呼称として「朝鮮」を用いており、かつ韓国を主権国家として正式に承認していない。韓国と北朝鮮は、東西ドイツ基本条約を結んだかつての東西ドイツとは違い、条約に基づく相互国家承認をしていない。1991年の南北基本合意書に「相手方の体制を認定し尊重する」(第1条)との規定はあるが、合意書が批准を経たものでないため、法的拘束力を持っていない。このため、北朝鮮の人々は、韓国政府が実効支配している半島の南部地域を南朝鮮(みなみちょうせん、(???(ナムジョソン))と呼んでいる。韓国政府をアメリカ合衆国の傀儡政権と見なして、「南朝鮮傀儡[28]」と表記することもしばしばである。また、中華人民共和国でも韓国との国交樹立前に教育を受けた世代に南朝鮮の呼称が通じやすい。ただし北朝鮮政府は2023年7月頃より公式声明の場で大韓民国という名称を使用し始めている他[29]、同年8月27日には北朝鮮最高指導者の金正恩が演説で大韓民国という言葉を使用し[30]、2024年1月には金正恩の妹の金与正が尹錫悦の肩書を大統領と正式名称で呼称したことで[31]、北朝鮮が韓国を事実上国家承認したという見方もある[32]。
日本における呼称
韓国と北朝鮮における「朝鮮」の呼称