大陸法
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その理論は、カルヴァン主義契約神学に立脚した自然法論であり、君主による専制支配については抵抗権、当時のドイツの身分制議会を背景とした間接民主主義(代表制議会)、また、君主の持つ主権を国民全体に帰属させる国民主権連邦主義を認めた。社会契約自然法を中心とした社会の構成を唱えた点は、予定説に疑問を呈したオランダグローティウスの理論とも共通しており、王権絶対主義を掲げるフランスボダン(1530年 - 1596年)とは対立した。

こうした間接民主主義による立法制度の誕生に対し、17世紀には住民発案や国民投票などを重視するスイスのような国も生まれ、ルソーなどの提唱により、古代ローマ共和国に始まる直接民主主義による立法・行政制度も広まることとなった。

ドイツの間接民主主義理論の流れは、ティボーサヴィニー神権政治に疑問を呈し政党政治を提唱したブルンチュリなどに引き継がれた。

日本国憲法には、国民投票(直接民主主義)を認めた項も含まれている。民法の分野では江藤新平フランスボアソナードの提唱によりフランス法に基づいた民法が公布されたことがあるが、穂積陳重らと対立し、施行されないまま廃止された。
大陸法と英米法の違い

大陸法系は英米法系と異なり、ローマ法・
カノン法の継受による法の断絶を経験している。

大陸法系は成文法を法体系の中心におく。英米法系は判例法を法体系の中心におく。

大陸法系は公法中心の体系をとっている。英米法系は私法を中心に発展した体系をとっている。

大陸法系は個人の意思から出発する実体法を中心とした理論的な体系をとっており、抽象的な概念を用いる。英米法系は訴訟中心主義をとっている。

大陸法系は法治主義がとられるようになった。英米法系は法の支配をとっている。

大陸法系は参審制がとられるようになった。英米法系は陪審制をとっている

大陸法系は職業裁判官によるキャリアシステムをとっている(キャリア裁判官)。英米法系は法曹一元制をとっている。

大陸法系は、英米法系におけるコモン・ローとエクイティのような分化構造をとらない。

大陸法系は違憲審査に消極的である。英米法系では司法による違憲審査が通常である。

法域世界各国の法体系[1]。大陸法は水色系、英米法は桃色系の色で塗られている。
フランス法の影響の強い法域
フランスベネルクス三国、イタリアスペインポルトガルマカオラテンアメリカ諸国(イベロアメリカ法)、スコットランド南アフリカ共和国ルイジアナ州ケベック州(最後の4つは英米法の影響も強い)
ドイツ法の影響の強い法域
ドイツオーストリアスイスギリシャトルコ日本大韓民国中華民国日本法や日本法から影響を受けた東アジアの法はフランス法や英米法の影響も強い)


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