大阪湾
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海面の浮遊ゴミ撤去など大阪湾の環境保全は進んでいるが、古くからの工業都市である大阪から流れ出した有害物質はヘドロとなって水底に堆積しており[23](詳細は「底質汚染」を参照)、かつてはダイオキシン類底質環境基準の超過が湾内各地であったが、現在は徐々に低減している(調査地点の一つである神崎川河口では2004年まで環境基準(150pg-TEQ/g)を超過していたが、2005年は環境基準以下の100pg-TEQ/gとなった)[24]。ただし、大阪湾に流入する水質の改善に比べて大阪湾の水質の改善が遅れているのは、底質汚染が要因の一つとされている(大阪市港湾部や神戸遠矢浜の底質汚染が調査され測定結果が公開されている[25])。

大阪湾の海底環境は全国的に見て悪い状態にあり、2007年から2008年に行なった環境省の調査では推定で1平方キロメートル当たり約210キログラムものゴミが沈んでいることがわかった[26]

大阪湾の水質

環境基本法(環境省,1993) に基づく利用目的の適応性に応じた海域別の類型指定がなされ、それぞれCOD基準値が定められている。湾口部から湾奥部に向かって A、B、C の順で 3類型が指定され、それぞれのCOD基準値は、水浴、自然環境保全を利用目的としたA類型では 2 mg/L、工業用水を利用目的としたB類型では 3mg/L、環境保全を利用目的とした C 類型では 8 mg/Lとされた。

大阪湾の沿岸域における水質の変動傾向については、過去約 20 年で全窒素、全リンともに減少傾向にあるにもかかわらず、COD は低下していないことが報告されている(藤原,2014;環境省,2019; 大阪湾再生推進会議,2021;藤原ほか,2021)。このような現象は総量規制が行われてきた他の沿岸域にもみられる現象であるが,いずれも決定的な原因は明らかになっていない。

総量規制の効果は、大阪湾内全体で一様に進行するのではなく、河川からの負荷の影響が海域によって、また、COD、窒素、リンそれぞれによっても異なって発現し、それには湾内における内部生産が影響していることが示唆されている
[27]

合流式下水道越流水問題

雨水も家庭排水などの下水も、下水道を通じて下水処理場まで運んでいる場合、大量の雨水が下水道に流れ込んでしまい、下水道管で受け止めきれなかった一定量については、汚水未処理のまま河川の公共水域に放流せざるを得ない状況が発生しており、大雨時には放流海域での大腸菌数の増加など、環境影響が発生している。
災害リスク

江戸時代以前には、大阪市街にも津波が襲来した記録がある[28]。大阪府と兵庫県は、南海トラフ巨大地震を想定した津波ハザードマップを作成・公表している[29][30]
沿岸の自治体

兵庫県洲本市淡路市明石市神戸市垂水区須磨区長田区兵庫区中央区灘区東灘区)、芦屋市西宮市尼崎市

大阪府大阪市西淀川区此花区港区大正区住之江区)、堺市堺区西区)、高石市泉大津市忠岡町岸和田市貝塚市泉佐野市田尻町泉南市阪南市岬町

和歌山県和歌山市

脚注[脚注の使い方]
注釈^ 表示環境によっては文字がずれることがある。
^ 和歌山市田倉崎と淡路島の生石鼻を結ぶ線。
^ 淡路島の松帆崎明石市の朝霧川河口左岸を結ぶ線。
^ 兵庫県大阪府和歌山県
^ 大阪湾再生推進会議:内閣官房都市再生本部事務局、国土交通省農林水産省経済産業省環境省、大阪府などの沿岸自治体
^ 西から時計回りに神戸港尼崎西宮芦屋港大阪港堺泉北港阪南港など。
^ ポートアイランド六甲アイランド夢洲舞洲咲洲など。
^ 大阪湾フェニックスセンター
^ 大阪海遊館ユニバーサル・スタジオ・ジャパンなど。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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