大阪弁
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これでは大阪の印象は良くならない」「イメージのひとり歩きが『文化テロル』に繋がる」と指摘している[50]。また、関西大学副学長の黒田勇もスポーツ紙から次第に一般化したと、役割語としての関西弁の広がりを指摘する[51]。大阪を取り上げる在京マスコミの姿勢がそもそも、「あくまで関東人にとってのステレオタイプの大阪」しか求めようとしないという指摘もある[52]
例文

設定した文を近畿各地の方言に訳してまとめた『近畿方言の総合的研究』の「近畿方言文例抄」から、旧摂津国の範囲の方言を抜粋する
[53]。なお、この項目での「摂津」は狭義の摂津方言を指す。

雨が降っているから、傘を差していきなさいよ

摂津:アメ(ガ) フッテ(イ)ル ヨッテ(ニ)/サカイニ、カサ(オ) サシテ イキー/イキ(ナハレ) ヤ/ナ

能勢:アメ フットル サカイ、カサ サシテ イキ/イキナハレ ヨ

三島:アメ(ガ) フッタール/フッテル サカイ(ニ)、カサ サシテ/サヒテ イキ ヤ

神戸:アメ フリヨル サカイ、カサ サシテ イキヨ


おはようございます。さあお上がりくださいませ。皆様が待っていらっしゃいますから

摂津:オハヨーサンデス/オハヨーサン。サー アガットク(レ)ナハレ/オアガンナハッテ。ミナサンガ/ドナタハンモ マッテハリマッセ/マッテハリマスヨッテ

能勢:オハヨーオス/オハヨーゴザイマス。サー アガットクナハレ/アガッテクナハレ。ミナハン/ミンナ マッタハリマッセ/マッタハリマッサカイ

三島:オハヨーサンデス/オハヨーゴザイマス。サー アガットクナハレ/アガットクナーレ。ミ(ン)ナ/ミナハン マッテテクレタハリマスネン/マッターリマ

神戸:オハヨーサンデス。マー アガットクンナハレ。ミナサンガ マットッテデッサカイ


赤ん坊を寝させるのだから、静かにしていなければいけないよ

摂津:ヤヤコ/アカンボー ネヤセルヨッテ/ネサセンナンサカイ、シズカニ/オトナシー セント/シテオカント アカンデ(ー)

能勢:ヤヤコ/アカチャン ネサスネンサカイ/ネヤスノヤサカイ、シズカニ シテナ/シトラナ アカンデー/イカンデ

三島:ヤーコオ ネヤスサカイ/ネサセルサカイ、シズカニ/オトナシー シテ(ヤ)ナ イカンデ/アカンデ

神戸:アカンボー ネサセンネヤカラ、シズカニ シトラナ アカンデー




1990年に記録された、明治44年生まれの大阪市生野区の女性(船場南久宝寺町出身)と調査者(岸江信介)のやりとり[54]。()は調査者の発言。なお、読みやすさのため、カタカナ表記をひらがな表記に、アクセント記号「」を[]に改め、共通語訳を加えた。(オワタリというのはどういう事?)おわたりわ[ね]ー、お渡りはねーそ[こ]の[うじがみさんの[ね、そこの氏神さんのね、あのー [ま、あのー ま、わたしらー あの [なんばじ]んじゃいー]まして ね あのーいまー[ま]ーまだ[のこってますけ]ど みどー[す]じに なんばじ]んじゃゆーの]が [のこってますけ]ど [その]おまつりの[ひ]ーが、私らー あの 難波神社といいまして ね あのー今まあまだ残っていますけど 御堂筋に 難波神社というのが 残っていますけど そのお祭りの日が、あのー[に]じゅー は[つか に]じゅー い[ち]とあります]ねん[な、あのー二十 二十日 二十一とあるんですよね、[ひち]がつのそーと その よ[み]やの ひ]ー[に、七月の その 宵宮の日に、あの[ほんまつりのひ]ーか あの [あれお[ね、あの本祭りの日か あの あれをね、ちょ[ー]ないから み]な[ね、町内から 皆ね、おちご[さん]も だし[ます]し そして あの まー おうち[の] おかた[が、お稚児さんも 出しますし そして あの まあ お家の お方が、おやくあのーお[せ]わ[したはる]おか[た]やら [じゅんばんに]ま]た[ではる]おう[ち]もありますちゃんと [い]み[た]だして そら も]んつき[はか]まで[ね、お役 あのーお世話しておられるお方やら 順番にまた出られるお家もあります ちゃんと 意味を正して そりゃ 紋付袴でね、それ ついて[いきはります]ね ほんで [その か]みさん[が、それ ついて行かれるんです それで その 神さんが、あの こ]しに[の]って [そして、あの 輿に乗って そして、あのあのー [なん]ちゅーねん[な]ー あの [む]この えー おた[び]しょゆー]のがありまして そ[こ][え あの [いかれます]ねん [そのぎょーれつお、あのあのー 何と言うのかなー あの 向こうの えー 御旅所というのがありまして そこへ あの 行かれるんです その行列を、そのーおみやさんから ずーっ[と、そのーお宮さんから ずーっと、[ぎょーれつし]て[いきはります ほて ちょ[ー]ないに[よ]ったら おちご[さん]だしはる[と]こもあれ]ば [そーゆ]ーなこ]とでまた [い]っしょー[け]んめー [い]っしょー[け]んめー[み]たもんです [ゆ]ーちょーな[も]ん[で]して行列していかれます そして 町内によったら お稚児さんを出されるところもあれば そういうようなことでまた 一生懸命 一生懸命見たものです 悠長なものでして(そういうのが今は全然なくなってますね)ありませ[ん ありませ[ん もー ぜん[ぜん、ありません ありません もう 全然、[そーでし]てん まー そ[れ]ぞれの[ね、そうだったんです まあ それぞれのね、あのーおみやさん[の、あのーお宮さんの、[その]おわた[り]わあるそ[れ]ぞれでっ[せ、そのお渡りはある それぞれですよ、ある[と]こもない[と]こもありまし]たやよってに[ねあるところもないところもありましたからね(やはり船場)まーやっ[ぱ]しあた[し]らー [そーゆーこ]とやっぱ [なつか]し[な]と [お]もて いま[で]も[おもてます]けど[ね、まあやっぱり私らー そういうことやっぱり 懐かしいなと 思って 今でも思っていますけどね、[もー おそ]らくわたしが[しまい]でしょもう 恐らく私が最後でしょ

脚注^ 楳垣編(1962)、429頁。
^ a b 橋爪監修(2009)、12頁。
^ 平山ほか編(1997)、10頁。
^ 岡田・楳垣(1962), 506頁。
^ 山本(1962), 427-429頁。
^ 高木(2018), 74頁。
^ 原文ママ。「豊能町西部」の誤記か
^ 高木(2018), 77-79頁。
^ 楳垣・岡田(1962), 506頁。
^ 鎌田良二『兵庫県方言文法の研究』、1979年、桜楓社
^ 都染(2018), 83頁。
^ 前田(1977)、47頁。
^ 平山ほか編(1997)、19頁。
^ 谷崎潤一郎「私の見た大阪及び大阪人」、昭和七年二月?四月、『中央公論』
^ 宮本慎也の2006年12月のブログより[要出典]。
^ 札埜(2006)、p13-23
^ 札埜(2006)、p13-23。朝日新聞大阪本社社会部編『ごめんやす「おおさか弁」』(1994年、リバティ書房)からの引用。
^ 香村(1976)、54頁
^ 前田(1977)、45頁。
^ 香村(1976)、59-61頁
^ 「新生」1947年(昭和22年)1月
^ 香村(1976)、61頁
^ 千葉桂司. “ ⇒歴史都心船場のことばを守り伝える活動をする『伝統を守る なにわの会』”. JUDI関西. 2009年4月9日閲覧。
^ 彭飛(1993)『大阪ことばの特徴』和泉書院 p.14
^ 「文学作品にみられる船場言葉と河内弁:谷崎純一郎「細雪」今東光「悪名」より」『大阪教育大学附属天王寺中学校 自由研究』2016年。 
^ 香村(1976)、62頁
^ 香村(1976)、63頁
^ 香村(1976)、72頁
^ 前川佳子、近江晴子『船場大阪を語りつぐ』和泉書院、2016年、二三三頁
^ 『大阪人 2007年7月号』、「大阪ことばを語りつぐ ―大阪は知の都。出会った恩人たちのこと 木村元三さん―」
^ 香村(1976)、74頁
^ 香村(1976)、73-74頁
^ 香村(1976)、95頁
^ 堀井令以知(1995)『大阪ことば辞典』東京堂出版 p.76
^ 前田勇(1977)『大阪弁』朝日新聞社
^ 楳垣実(1955)『船場言葉』近畿方言学会
^ 前田(1977)、31-32頁。
^ 金水(2003)、82-83頁。
^ 金水敏 (2003), ⇒役割語の不思議な世界, ⇒http://www.let.osaka-u.ac.jp/~kinsui/ronbun/nightessay.html 2008年5月4日閲覧。 
^ 牧村史陽『大阪ことば事典』講談社、1979年。.mw-parser-output cite.citation{font-style:inherit;word-wrap:break-word}.mw-parser-output .citation q{quotes:"\"""\"""'""'"}.mw-parser-output .citation.cs-ja1 q,.mw-parser-output .citation.cs-ja2 q{quotes:"「""」""『""』"}.mw-parser-output .citation:target{background-color:rgba(0,127,255,0.133)}.mw-parser-output .id-lock-free a,.mw-parser-output .citation .cs1-lock-free a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/6/65/Lock-green.svg")right 0.1em center/9px no-repeat}.mw-parser-output .id-lock-limited a,.mw-parser-output .id-lock-registration a,.mw-parser-output .citation .cs1-lock-limited a,.mw-parser-output .citation .cs1-lock-registration a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/d/d6/Lock-gray-alt-2.svg")right 0.1em center/9px no-repeat}.mw-parser-output .id-lock-subscription a,.mw-parser-output .citation .cs1-lock-subscription a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/a/aa/Lock-red-alt-2.svg")right 0.1em center/9px no-repeat}.mw-parser-output .cs1-ws-icon a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/4/4c/Wikisource-logo.svg")right 0.1em center/12px no-repeat}.mw-parser-output .cs1-code{color:inherit;background:inherit;border:none;padding:inherit}.mw-parser-output .cs1-hidden-error{display:none;color:#d33}.mw-parser-output .cs1-visible-error{color:#d33}.mw-parser-output .cs1-maint{display:none;color:#3a3;margin-left:0.3em}.mw-parser-output .cs1-format{font-size:95%}.mw-parser-output .cs1-kern-left{padding-left:0.2em}.mw-parser-output .cs1-kern-right{padding-right:0.2em}.mw-parser-output .citation .mw-selflink{font-weight:inherit}ISBN 978-4-06-158658-1
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