大阪は商都として、古墳時代(難波時代)より都心(上町、安土桃山期以降は船場)を中心に繁栄し続けてきた。「大阪府」は明治期に制定された比較的新しい行政区域であり、実際の都市域とは乖離がある。そのため、大阪の都市勢は府域を越え近隣に広がる(→いわゆる大阪都市圏、京阪神大都市圏)。古来よりアジア圏から広く人を求心してきた歴史を有し、大阪市は21世紀においてもアジアで最も住みよい都市[1]として評されている。
概説淀川河川公園と北梅田地区(大阪市淀川区・北区)
日本史の黎明期、日本国最古の都市として誕生した浪速(なにわ)は、現在の大阪として悠久の歴史と共に常に歴史の表舞台にある。古代、神武天皇が即位前に難波埼(なにわさき)に生国魂神社を創建。弥生時代後期?古墳時代、応神天皇の難波大隅宮や仁徳天皇の難波高津宮(なにわのたかつのみや)、欽明天皇の難波祝津宮(なにわのはふりつのみや)など、日本の都は長らく、上町台地上の生国魂神社や大阪城の辺りで営まれた[2]。孝徳天皇の難波長柄豊碕宮より、日本という国号と共に元号の使用が始まる。また大阪は、河川や堀が多く、水上交通の発達した港湾都市でもあったことから、水都と呼ばれる[3]。
そして、現在の大阪府は近畿圏の経済・交通の中心であり、都市中枢機能を持つ大阪市を中心に世界有数の大都市圏(大阪大都市圏、阪神大都市圏、京阪神大都市圏)を形成している。府域は全体がこれらの大都市圏に属しており、可住地面積率は全国一で都市化された地域が多い[4]。
府庁所在地は大阪市。大阪府は33市(うち政令指定都市2市(31区)、中核市7市、特例市2市)9町1村の43市町村から成る。府内の人口は883万7685人、人口密度は4638.63人/km2(令和2年度国勢調査)である。面積は1905.32km2[5](平方キロメートル)、府下の名目府内総生産は約41兆3204億円(大阪府統計/令和3年/全国2位[6])、平均気温は17.6℃・年間降水量は1219ミリメートル(気象庁/2019年(令和元年))である。
エコノミスト・インテリジェンス・ユニットによる「最も住みやすい都市」ランキング(2019年度版)において、大阪市は、ウィーン、メルボルン、シドニーに次ぐ世界4位、アジア1位の都市と評価された[7]。また最新の2023年度版でも、ジュネーブ、トロントに次ぐ世界10位、アジア1位の都市と評価されている[8]。評価理由として、合理的な都市設計、適正な物価、平坦な地形、テロリズムの少なさ、高度な教育・医療などが挙げられている。アメリカのシンクタンクが発表している世界都市ランキング「2020 Global Cities Index(世界都市の指標)」において、世界7位の都市と評価された[9]。
令制国の摂津国東部(7郡)および河内国と和泉国のそれぞれ全域で構成され、三国の文字を取って摂河泉(せっかせん)とも呼ばれるが、京都府から樫田村全域と亀岡市の一部が越境編入された1958年以降は丹波国南東部(ごく一部)も含むようになっている。なお、堺県編入の1881年から奈良県再設置の1887年までは、大和国の全域も含んでいた[10]。
中世に「小坂(おさか、おざか)」、「大坂(おさか、おざか)」の名称が登場し、明治に至って「大阪(おおさか)」と改められた。「坂」は上町台地に由来するといわれる[11]。また、「なみはや」の転訛とされる「なにわ(浪速・難波・浪花・浪華)」の呼称も、現在に至るまで大阪都心部の別称としてよく用いられている。
近代以前の大阪府については「大阪」も参照。 大阪府は、近畿地方の中部に位置し、京都府・奈良県・兵庫県・和歌山県と接する。古くから上方へ通じる水上交通の要地である。南西部は大阪湾がある。 かつては面積の最も狭い都道府県(46位は香川県)であったが1988年に国土地理院が算定法を見直し、岡山県玉野市との間に境界未定部分がある香川県直島町の面積(14.2km2)を県全体の面積に算入しないことになったため、香川県の面積が減少し大阪府と逆転したことで46位となった[12][13]。その後、大阪府では関西国際空港の開港や大阪市西部の開発などで埋め立てが進められたため、現在では直島町を含めた香川県の参考値をも上回る面積となっている[14]。
地理
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国土地理院の全国都道府県市区町村別面積調によると、大阪府の面積は1905.34平方キロメートルである[15]。
大阪府の東西南北それぞれの端は以下の位置である[16][17]。北端は天王峠付近、南端は大阪府道751号線の猿坂峠の西南西、東端は田辺西インターチェンジ南西、西端は岬町の住吉神社のすぐ西にある。平成22年国勢調査によると人口重心は大阪市生野区鶴橋1丁目付近にある[18]。
重心
北緯34度37分34秒 東経135度30分30秒 / 北緯34.62611度 東経135.50833度 / 34.62611; 135.50833 (大阪府重心)
北端
北緯35度03分05秒 東経135度21分06秒 / 北緯35.05139度 東経135.35167度 / 35.05139; 135.35167 (大阪府最北端)
↑人口重心
北緯34度39分47.55秒 東経135度31分53.29秒 / 北緯34.6632083度 東経135.5314694度 / 34.6632083; 135.5314694 (大阪府人口重心)
西端
北緯34度18分54秒 東経135度05分36秒 / 北緯34.31500度 東経135.09333度 / 34.31500; 135.09333 (大阪府最西端)←大阪府庁舎所在地
北緯34度41分11秒 東経135度31分12秒 / 北緯34.68639度 東経135.52000度 / 34.68639; 135.52000 (大阪府庁)東端
→北緯34度48分06秒 東経135度44分48秒 / 北緯34.80167度 東経135.74667度 / 34.80167; 135.74667 (大阪府最東端)
—↓
南端
北緯34度16分19秒 東経135度06分41秒 / 北緯34.27194度 東経135.11139度 / 34.27194; 135.11139 (大阪府最南端)
地形
大阪平野(摂河泉平野、河内平野)
河川
淀川水系 - 旧淀川(大川、堂島川、土佐堀川、安治川、木津川など)、神崎川、安威川、寝屋川など
大和川水系 - 石川、西除川、東除川など
石津川
大津川 など
山地 - 大阪府の北は北摂山地で、京都府等の丹波高地へ繋がっていく。東の京都府と奈良県との境に、北から生駒山地、金剛山地が連なる。南の和歌山県との境が和泉山脈になる。