大豆100 g中の主な脂肪酸の種類[38]項目分量(g)
脂肪19.94
飽和脂肪酸2.884
14:0(ミリスチン酸)0.055
16:0(パルミチン酸)2.116
18:0(ステアリン酸)0.712
一価不飽和脂肪酸4.404
16:1(パルミトレイン酸)0.055
18:1(オレイン酸)4.348
多価不飽和脂肪酸11.255
18:2(リノール酸)9.925
18:3(α-リノレン酸)1.33
ダイズのアミノ酸スコア[39][40]
大豆種子はタンパク質・脂質および炭水化物を豊富に含んでおり、主にその脂質とタンパク質を食用および飼料用に利用するために大規模に生産され利用されている。サポニンやイソフラボンも含まれている[41]。
ダイズ種子貯蔵タンパク質のアミノ酸残基組成において、含硫アミノ酸であるメチオニンとシステイン残基が少なく、それらは制限アミノ酸となっていると言われたことがある。そのため、タンパク質の有効利用効率を示すアミノ酸スコアやプロテインスコアを下げていると言われていた。
しかし、これらは成長期のラットに基づく数値であり、その後、ヒトに基づく数値に置き換えられ、具体的には、大豆のアミノ酸スコアが1973年には86点だったものが、1985年には100点と変更された。大豆は、牛乳や卵と同等の良質なタンパク質であるとの評価を得ている[42]。 ダイズから得られる大豆油は、パーム油に次ぐ代表的な食用油であり、大豆需要の87%を占めている。主要な生産国は、中国、アメリカ、ブラジル、アルゼンチンで、上位5カ国で8割を占める。日本では菜種油が好まれるため、大豆油の生産量は40万トン前後と菜種油の半分以下に留まる。近年では環境配慮型の素材とされる大豆インキの原料としての需要も拡大している。 残渣の大豆粕は醤油の原料や家畜の飼料、大豆ミールとして粗タンパク質源に利用されていたが、最近は『ヘルシー』を売りにした小麦粉代替食品としても拡販が進んでいる。 飼料用としては主に大豆ミール(大豆粕)が利用される。大豆はタンパク質源として良質で、肉牛を肥えさせたり、鳥の産卵率を上昇させるのに大きく寄与している。ただし、含有タンパク質中のメチオニンやシステイン残基含量が少ないため、タンパク質の有効利用効率を上げるために、メチオニンやシステインを多く含む他の飼料と混合して利用されている。飼料としての需要は1960年頃から増加した、理由として、飼料として大豆ミールとトウモロコシを1:4の割合で配合すると家畜のタンパク質変換効率が大幅に向上することが発見されたことと[45]、BSE問題によって飼料のタンパク質源として肉骨粉の利用が規制されたため、肉骨粉に替わるタンパク質源としてダイズ種子の需要は増したためである[46]。
大豆油
大豆レシチン
大豆レシチンは、大豆油の副産物で、絞ったばかりの大豆粗油をろ過し、お湯を混ぜ、成分を水側に移し遠心分離機で2層になった油を分離後、速やかに水分を乾燥させたものである。利用用途としては、化粧品や食品の乳化剤に利用される[43][44]。
飼料