大豆
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利用用途としては、化粧品や食品の乳化剤に利用される[43][44]
飼料

飼料用としては主に大豆ミール(大豆粕)が利用される。大豆はタンパク質源として良質で、肉牛を肥えさせたり、鳥の産卵率を上昇させるのに大きく寄与している。ただし、含有タンパク質中のメチオニンやシステイン残基含量が少ないため、タンパク質の有効利用効率を上げるために、メチオニンやシステインを多く含む他の飼料と混合して利用されている。飼料としての需要は1960年頃から増加した、理由として、飼料として大豆ミールとトウモロコシを1:4の割合で配合すると家畜のタンパク質変換効率が大幅に向上することが発見されたことと[45]BSE問題によって飼料のタンパク質源として肉骨粉の利用が規制されたため、肉骨粉に替わるタンパク質源としてダイズ種子の需要は増したためである[46]
食用

ダイズ種子(大豆)はタンパク質や脂肪鉄分カルシウムなど、ミネラルを多く含む。畑の肉と称されるほどタンパク質が豊富で、調理法によっては肉のような食感が得られるため、戒律によって食肉の扱いに慎重なイスラム教徒などに人気の食材となっている。

日本では色々な形に加工され、利用されている。まず、大豆を暗所で発芽させるとモヤシ、未熟大豆を枝ごと収穫し茹でると枝豆、さらに育てて完熟したら大豆となる。大豆を搾ると大豆油、油を絞った粕は大豆粕として食用・醤油製造や飼料へ、煎ってにするときな粉、蒸した大豆を麹菌と耐塩性酵母発酵させると?油味噌、また蒸した大豆を納豆菌で発酵させると納豆となる。熟した大豆を加水・浸漬・破砕・加熱したものを搾ると液体は豆乳、その残りはおから、豆乳を温めてラムスデン現象によって液面に形成される湯葉にがりを入れて塩析タンパク質を固めると豆腐、豆腐を揚げると「油揚げ」「厚揚げ」、焼くと「焼き豆腐」、凍らせて「凍み(高野)豆腐」となる。代替肉タンパク質源としても利用され食肉に似た食味の製品も作られる。大豆にはサポニン等水溶性の低分子化合物やタンパク質性のプロテアーゼ・インヒビターやアミラーゼ・インヒビターやレクチンなども含まれており、これらの加工にはそれらの除去の意味もある。

食用大豆の用途別使用量/1000 t (食料産業局食品製造卸売課の推計[47])年みそ醤油豆腐・油揚げ納豆凍豆腐豆乳煮豆・惣菜きなこその他合計
19971652649412230333141321,019
19981622649512830433161521,046
19991663049212729633171171,017
20001663049212229733171141,010
20011493249212929933171251,015
200214935494141291133171261,035
200313838494137301933171281,034
200413937496139332933181291,053
200514140494131333233181301,052
200614040492130333033181301,046
200713940497130302533191321,045
200813739496129292533191301,037
20091313949012527293319100993
2010127394801232632331997976
2011126354651222434311895950
2012124334501232240301793932

生薬

蒸した黒豆(黒大豆)を発酵させてから乾燥させたものは、香?(こうし、別名:豆?(ずし))という生薬であり[48][49]陶弘景校定による『名医別録』には「?」として収載されている[48]。香?には発汗作用、健胃作用があるとされ、香?を含有する漢方薬には梔子?湯、瓜蔕散などがある[48][49]。本来、黒豆の発酵・乾燥品を用いるが、現在では納豆を乾燥させたものを代用する[49]
消化

多くのマメ科植物の種子と同様に、ダイズ種子中には、微量タンパク質を含み多様な機能を発揮する。プロテアーゼインヒビター(プロテアーゼ阻害剤) (トリプシン・インヒビターセリンプロテアーゼ・インヒビター(セルピン))やアミラーゼ・インヒビター(Α-グルコシダーゼ阻害剤)やレクチンが含まれて消化を悪くする。

生で大豆を食べると、トリプシン・インヒビターなどにより消化不良で下痢を起こすことがある。加熱処理をすることで変性失活させて消化吸収効率を上げている[50]

大豆乳の加熱処理について、100℃10分間の加熱処理した大豆乳には加熱未処理試料のトリプシン・インヒビター活性の約34%が残存し、また100℃20分間では約30%、120℃10分間では約10%、120℃20分間でも約5%のトリプシン・インヒビター活性が残存した[51]

黒大豆を95℃で加熱した場合のトリプシン・インヒビターの活性変化について、1%のNaCl(食塩)溶液中、16%のショ糖溶液中では、いずれも60分の加熱でトリプシン・インヒビターの70%の活性が残存していたが、0.1%の重曹溶液中の45分の加熱でトリプシン・インヒビターの活性は完全に失われた[52]

納豆菌はトリプシン・インヒビターを分解するプロテアーゼを作ることができ、それにより消化酵素であるトリプシンが正常に機能して、タンパク質の消化吸収効率が増大する。
タイプ
用途別


蛋白大豆=食用

油大豆=油用

枝豆用

主な品種・ブランド様々な大豆

黒豆

赤豆

大鉄砲大豆

くろさき茶豆


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