大豆種子はタンパク質・脂質および炭水化物を豊富に含んでおり、主にその脂質とタンパク質を食用および飼料用に利用するために大規模に生産され利用されている。サポニンやイソフラボンも含まれている[41]。
ダイズ種子貯蔵タンパク質のアミノ酸残基組成において、含硫アミノ酸であるメチオニンとシステイン残基が少なく、それらは制限アミノ酸となっていると言われたことがある。そのため、タンパク質の有効利用効率を示すアミノ酸スコアやプロテインスコアを下げていると言われていた。
しかし、これらは成長期のラットに基づく数値であり、その後、ヒトに基づく数値に置き換えられ、具体的には、大豆のアミノ酸スコアが1973年には86点だったものが、1985年には100点と変更された。大豆は、牛乳や卵と同等の良質なタンパク質であるとの評価を得ている[42]。 ダイズから得られる大豆油は、パーム油に次ぐ代表的な食用油であり、大豆需要の87%を占めている。主要な生産国は、中国、アメリカ、ブラジル、アルゼンチンで、上位5カ国で8割を占める。日本では菜種油が好まれるため、大豆油の生産量は40万トン前後と菜種油の半分以下に留まる。近年では環境配慮型の素材とされる大豆インキの原料としての需要も拡大している。 残渣の大豆粕は醤油の原料や家畜の飼料、大豆ミールとして粗タンパク質源に利用されていたが、最近は『ヘルシー』を売りにした小麦粉代替食品としても拡販が進んでいる。 飼料用としては主に大豆ミール(大豆粕)が利用される。大豆はタンパク質源として良質で、肉牛を肥えさせたり、鳥の産卵率を上昇させるのに大きく寄与している。ただし、含有タンパク質中のメチオニンやシステイン残基含量が少ないため、タンパク質の有効利用効率を上げるために、メチオニンやシステインを多く含む他の飼料と混合して利用されている。飼料としての需要は1960年頃から増加した、理由として、飼料として大豆ミールとトウモロコシを1:4の割合で配合すると家畜のタンパク質変換効率が大幅に向上することが発見されたことと[45]、BSE問題によって飼料のタンパク質源として肉骨粉の利用が規制されたため、肉骨粉に替わるタンパク質源としてダイズ種子の需要は増したためである[46]。 ダイズ種子(大豆)はタンパク質や脂肪、鉄分、カルシウムなど、ミネラルを多く含む。畑の肉と称されるほどタンパク質が豊富で、調理法によっては肉のような食感が得られるため、戒律によって食肉の扱いに慎重なイスラム教徒などに人気の食材となっている。 日本では色々な形に加工され、利用されている。まず、大豆を暗所で発芽させるとモヤシ、未熟大豆を枝ごと収穫し茹でると枝豆、さらに育てて完熟したら大豆となる。大豆を搾ると大豆油、油を絞った粕は大豆粕として食用・醤油製造や飼料へ、煎って粉にするときな粉、蒸した大豆を麹菌と耐塩性酵母で発酵させると?油・味噌、また蒸した大豆を納豆菌で発酵させると納豆となる。熟した大豆を加水・浸漬・破砕・加熱したものを搾ると液体は豆乳、その残りはおから、豆乳を温めてラムスデン現象によって液面に形成される膜を湯葉、にがりを入れて塩析でタンパク質を固めると豆腐、豆腐を揚げると「油揚げ」「厚揚げ」、焼くと「焼き豆腐」、凍らせて「凍み(高野)豆腐」となる。代替肉タンパク質源としても利用され食肉に似た食味の製品も作られる。大豆にはサポニン等水溶性の低分子化合物やタンパク質性のプロテアーゼ・インヒビターやアミラーゼ・インヒビターやレクチンなども含まれており、これらの加工にはそれらの除去の意味もある。 食用大豆の用途別使用量/1000 t (食料産業局食品製造卸売課の推計[47])年みそ醤油豆腐・油揚げ納豆凍豆腐豆乳煮豆・惣菜きなこその他合計 蒸した黒豆(黒大豆)を発酵させてから乾燥させたものは、香?(こうし、別名:豆?(ずし))という生薬であり[48][49]、陶弘景校定による『名医別録』には「?」として収載されている[48]。香?には発汗作用、健胃作用があるとされ、香?を含有する漢方薬には梔子?湯、瓜蔕散などがある[48][49]。本来、黒豆の発酵・乾燥品を用いるが、現在では納豆を乾燥させたものを代用する[49]。
大豆油
大豆レシチン
大豆レシチンは、大豆油の副産物で、絞ったばかりの大豆粗油をろ過し、お湯を混ぜ、成分を水側に移し遠心分離機で2層になった油を分離後、速やかに水分を乾燥させたものである。利用用途としては、化粧品や食品の乳化剤に利用される[43][44]。
飼料
食用
19971652649412230333141321,019
19981622649512830433161521,046
19991663049212729633171171,017
20001663049212229733171141,010
20011493249212929933171251,015
200214935494141291133171261,035
200313838494137301933171281,034
200413937496139332933181291,053
200514140494131333233181301,052
200614040492130333033181301,046
200713940497130302533191321,045
200813739496129292533191301,037
20091313949012527293319100993
2010127394801232632331997976
2011126354651222434311895950
2012124334501232240301793932
生薬
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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
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