大豆
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中華人民共和国では経済成長に伴う食生活の変化により消費量が増加しており、これからも増え続けると見られている[27]

日本国内のダイズ生産量は平成22年度で222,800トンであり、県別では北海道が57,100トンで最大産地となっており、以下宮城県の18,100トン、佐賀県の17,700トン、福岡県の16,100トンと続く。日本でダイズ生産量が1万トンを超えるのはこの4道県のみである[28]。平成26年では231,800トンであり、県別では北海道が73,600、以下宮城県19,300, 佐賀県15,300、福岡県14,300となっている。平均収量は、北海道(233kg/10a)・佐賀(229kg/10a)・福岡(198kg/10a)の順で、収穫量の上位の収量が多い[29]
戦略物資としての大豆

中国は世界の大豆生産量の6割を輸入する大消費地であるが、その輸入元の3割はアメリカ合衆国となっていた。2018年、両国間で貿易摩擦問題が深刻化し、アメリカが中国産品に追加関税を掛けることを予告すると、中国もアメリカ産大豆を含む報復関税対象リストを発表。春先には大豆市場の価格が2割近く下落する動きが見られた[30]。結果的に同年7月には、アメリカと中国で追加関税、報復関税を掛けあう米中貿易戦争 (2018年)に発展し、大豆が経済戦争上の戦略物資の一つとして注目を浴びた。なお、中国が大豆を含む報復関税対象リストを発表した時点では、すでにアメリカの農家は大豆の作付け準備が終わっており、今後、中国の需要を見込んだアメリカ産大豆の在庫が積み上がり価格の下落圧力となる可能性があること、また中国の需要を満たすため各国の作付け面積が増やすなど、国際的な大豆の生産消費に大きな変化が生じることが予想されている[31]
用途

2007年のダイズ(丸大豆)の世界消費は、大豆油脱脂大豆(ミール)への分離加工用が87%と圧倒的多数を占め、ついで飼料用が7%、食用が6%であった[32]。また、油分分離後の脱脂大豆は、高タンパクの飼料として価値が高く、世界の穀物取引の中心であるシカゴ商品取引所にはダイズと大豆粕(大豆ミール)がともに上場され、盛んに取り引きされている。

以下は2013年度の全世界の大豆の需要供給の収支表である。大豆の総生産量は2億7836万トンで、その38.4%の1億692万トンが輸出された。輸入量が1億209万トン、在庫変動がプラス608万トンであった[26]

大豆需供バランス 2018年[26] (単位百万トン)総供給量比備考
大豆
供給量

345.54加工用
299.49

(86.67%)油生産
55.60
(16.09%)供給量
54.76飼料0.010.004%
食用22.606.54%
その他25.677.43%バイオ燃料他
損失0.0050.001%
ミール
生産
179.27
(2013年)供給量
178.91飼料175.8765.76%

(2013年比)
その他3.041.14%

(2013年比)
飼料22.946.64%
食用10.352.99%
種子9.212.66%栽培用
その他1.490.43%
損失5.251.52%

以上のように大豆の第一次の用途で最大のものは加工用大豆の85%であり、未加工大豆の食用は4%に達しない。加工用大豆から生成されるダイズ油の食用分9.1%、醸造用などに使われる大豆粕1.14%を加味してもヒトの食用は総生産重量の約14%となっている。一方で飼料の用途では未加工大豆が6.53%、加工用大豆から搾油された後の副産物の飼料用大豆粕が65.76%で合計72.29%が使われており、重量の観点から大豆は重要な飼料作物のひとつといえる。一方で大豆の大部分が家畜飼料に使用されることから、中国のように、食料安全保障を確保するために家畜飼料中の大豆のシェアを削減するよう求める動きもある[33]

ダイズ油のその他の利用は6.53%で、これはバイオマス燃料や化学工業用などである。近年は加工用大豆の需要が拡大し続けており、食用の比率は年々低下している[34]

日本国内のダイズ消費量は2005年度に534万8000トンであり、このうち大豆油用が429万6000トン、食用が105万2000トンである。ダイズが基幹食料となっている日本では食用消費の占める割合が世界消費に比べかなり多くなっているが、それでも20%弱に過ぎない。日本国内の食用消費の内訳は、豆腐が49万6000トンで半数近くを占め、ついで味噌・?油用が17万1000トン、納豆用が13万6000トン、煮豆や惣菜用が3万3000トン、その他が21万5000トンとなっている。国産大豆は食用消費の21%を占めている[35]
栄養価ダイズの栄養価の代表値

だいず(全粒、国産、黄大豆、乾)[36]100 gあたりの栄養価
エネルギー1,765 kJ (422 kcal)

炭水化物29.5 g
食物繊維17.9 g

脂肪19.7 g
飽和脂肪酸2.59 g
一価不飽和4.80 g
多価不飽和10.39 g

タンパク質33.8 g

ビタミン
ビタミンA相当量β-カロテン(0%) 1 μg(0%)7 μg
チアミン (B1)(62%) 0.71 mg
リボフラビン (B2)(22%) 0.26 mg
ナイアシン (B3)(13%) 2.0 mg
パントテン酸 (B5)(27%) 1.36 mg
ビタミンB6(39%) 0.51 mg
葉酸 (B9)(65%) 260 μg
ビタミンC(4%) 3 mg
ビタミンE(15%) 2.3 mg
ビタミンK(17%) 18 μg

ミネラル
ナトリウム(0%) 1 mg
カリウム(40%) 1900 mg
カルシウム(18%) 180 mg
マグネシウム(62%) 220 mg
リン(70%) 490 mg
鉄分(52%) 6.8 mg
亜鉛(33%) 3.1 mg
(54%) 1.07 mg
マンガン(120%) 2.51 mg
セレン(7%) 5 μg

他の成分
水分12.4 g
水溶性食物繊維1.5 g
不溶性食物繊維16.4 g
ビオチン(B7)27.5 μg
ビタミンEはα─トコフェロールのみを示した[37]


単位

μg = マイクログラム (英語版) • mg = ミリグラム


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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