零戦の操縦シーンでは、坂井が撮影に協力してリアルな再現を行ったとされる[4]。特撮シーンでは、搭乗員の主観描写を強調している[9]。
"Zero Pilot"のタイトルでヨーロッパ圏でも公開された。
現在までにビデオ化(廃盤)、DVD化されている。 参照[5][10] 参照[5][6] 特技監督の川北紘一は、本作品が映画初監督である[出典 2]。川北の起用は、東宝社内で「メカなら川北で間違いないだろう」との推薦が挙がったことによる[9]。 川北のこだわりにより、航空機のミニチュアはすべて新規造形で、過去の作品からのフィルム流用もない[出典 3]とされている。かつて東宝で戦記映画を手掛けた円谷英二の作品には零戦はほとんど登場しておらず、川北は円谷とは違う自分なりのディテール描写を目指し、軽い機体である零戦を飛翔させることの素晴らしさや軽快さを表現しようと試みたと語っている[9]。 当初、川北は零戦に似た実機を探したが見つけられず、ミニチュアで撮影することにしたものの、実景の空で撮るためラジコンを用いることとした[11][14]。しかし、当時のラジコンの性能では操作不能となって墜落することが多く、用意していたラジコンが次々と損壊していった[11][14]。空中戦では、墜落にあわせて着火や発煙を行う必要があったが、この操作もラジコンで行おうとするとタイミングを合わせるのが難しいため、電気着火をタイマー式にし、設定した時間に合うよう飛行機を動かすという方法をとった[14]。川北は、初日から飛行機が落ち、フィルムも1万フィート回してしまうなど、前途多難であったことを述懐している[9]。 片脚の故障のため着陸に失敗した零戦の炎上シーンは本編版と特撮班でそれぞれ撮影され、特撮班によるものが採用された[13]。本編班では当初の打ち合わせ通り、胴体着陸となった機体から搭乗員が脱出する場面を撮影していたが、特撮班では機体が転倒し搭乗員も死亡するシークエンスを本編班の許可を得ぬまま撮影したことから問題となった[15]。結局、両方のラッシュを見比べた結果、川北案が採用されることとなった[15]。 クライマックスでは日本で導入されたばかりのフロントプロジェクションが使用されている[出典 4][注釈 2]。 2007年(平成19年)7月25日ジェネオン・エンタテインメント株式会社より発売(デラックス版)
キャスト
坂井三郎:藤岡弘
笹井中尉:志垣太郎
本田二飛曹:伊藤敏孝
中川一飛曹:平泉征
野村一飛曹:島村美輝
大野二飛曹:田辺靖雄
前田二飛曹:福崎和宏
久保二飛曹:麿のぼる
辻井二飛曹:下塚誠
望月一整曹:山本廉
半田飛曹長:島田順司
斉藤大佐:丹波哲郎
大薗中佐:平田昭彦
滝一飛曹:地井武男
木村二飛曹:根岸一正
清水二飛曹:森川利一
有川参謀:辻萬長
志賀:勝部演之
庄司:佐藤仁哉
本田幸子:大谷直子
A少佐:鈴木治夫
B大佐:清水昇
要務士:原田君事
米軍将校:レスター・ラタイル
スタッフ
製作:田中友幸、鈴木慶司
監督:丸山誠治
脚本:須崎勝弥
音楽:津島利章
撮影:西垣六郎
美術:育野重一
録音:田中信行
照明:小島真二
監督助手:井上英之
編集:黒岩義民
スチール:石月美徳
協力撮影:鷲尾馨
整音:東宝録音センター
効果:東宝効果集団
現像:東京現像所
製作担当者:森知貴秀、徳増俊郎
特殊技術
特技監督:川北紘一
撮影:富岡素敬
美術:井上泰幸
照明:森本正邦
合成:松田博
監督助手:田渕吉男
光学撮影:宮西武史
光学作画:石井義雄
操演:松本光司
特殊効果:渡辺忠昭
スチール:田中一清
製作担当者:広川恭
特撮
DVD
提供:株式会社ドリーム・プラネット・ジャパン
プロデューサー:田中満
制作:中山剛志、大船龍二
インタビュー出演:須崎勝彌、川北紘一
ナレーション:片村瞬
協力:東京現像所
撮影協力:靖国神社遊就館
資料提供:潮書房、月刊『丸』編集部、田中ショウリ、吉田正敏、ニューギニア航空、京南株式会社、朝日新聞社
演出:吉田至次
監修:川北紘一
製作:ドリーム・プラネット・ジャパン
脚注[脚注の使い方]
注釈^ 書籍『東宝特撮映画全史』では、「94分」と記述している[6]。
^ 書籍『ゴジラ大全集』では、『スター・ウォーズ』の映像イメージを先駆けていると評している[16]。
出典^ 『祖父たちの零戦』p.315-325
^ “坂井三郎さんとの対話
^ 『祖父たちの零戦』p.321
^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t u v 日本特撮映画図鑑 1999, p. 104, 「大空のサムライ」