長らく日本では未放送だったが、2009年5月から9月にかけてスカパー!ch.720シーエスGyaOで、日本初放送された。ノーカット。字幕版のみでの放送。 父英祖に愛されず苦悩する思悼世子。党派に分かれ権力争いをする貴族や、出世の野望を持つ英祖の側室は、己の利益のため親子の不仲に乗じ、思悼世子の廃世子を画策する。世子嬪・恵嬪ホン氏やホン氏一族は思悼世子を支え続けるが、思悼世子は次第に心の平衡を失っていく。嫡男・サン(後の正祖)が10歳になろうとする頃、英祖と思悼世子との確執はついに決定的な事態を迎える。 英祖は18世紀の朝鮮国王である。在位期間は1724年から1776年、52年間の長きにわたった。 当時朝廷は老論(ノロン)と少論(ソロン)の二大党派に分裂し、激烈な勢力争いを続けていた。英祖は即位当初自らを支持した老論派を登用したが、その後、官僚ポストに老論派と少論派を同数つける政治手法を用い、国内の安定を図った。しかし、思悼世子が少論派の貴族に師事し、世子嬪ホン氏の一族も少論派であったことなどから、老論派は世子を少論派と見なした。1749年に世子による代理聴政が始まり、老論派は権力が少論派に移行することを阻止するため、世子の廃位に向けて様々に画策を行うようになった。 一方、1757年英祖の正室・貞聖王后が死去し、1759年新たに15歳の貞純王后が継室に選ばれた。当時、英祖は66歳、思悼世子は24歳であった。貞純王后は自分より年長の世子を疎んじ、老論派とともに讒言に及ぶ。 1762年、ついに思悼世子は英祖から死を命じられる。 劇中に描かれる思悼世子にかかわる出来事は、世子嬪の恵慶宮洪氏(正祖の即位後に宮号を受ける)の手になる『恨中録』(または『閑中録』とも)を典拠としている。『恨中録』は恵慶宮洪氏の晩年に回顧録として執筆された。劇中に度々引用される。
ストーリー
時代背景
典拠
登場人物と出演者
主要人物
英祖:パク・クニョン
朝鮮王朝第21代王。第19代王粛宗の次男として生まれるが、生母の身分が低く、幼少期は宮廷で粗略な扱いを受ける。朝廷の権力争いも絡み、20代王景宗毒殺の疑いを向けられるなど、王位継承を巡って生命の危機を感じた。幼い思悼世子が先代王毒殺について尋ねたことをきっかけに、思悼世子を疎んじるようになる。
思悼世子:イム・ホ
朝鮮王朝第21代王英祖の次男で、王世子。幼くして世子になるが、父英祖から愛されないことに苦しみ続ける。
恵嬪ホン氏:ホン・リナ
思悼世子の正室。第22代王正祖の実母。10歳で思悼世子に入宮、慎ましく穏かな性格で、傷心の思悼世子の支えとなる。
淑媛ムン氏
英祖の側室。貧しい暮らしから逃れるため後宮に入り、英祖から寵愛を受ける。思悼世子をいずれ生まれるかもしれない自分の男児の敵と考え、世子の地位から追い落とす画策を巡らす。
王室の人物
暎嬪李氏(英祖の側室、思悼世子の母):チョン・ヘソン
和平翁主(朝鮮語版)(英祖の次女、思悼世子の姉):キム・ソンリョン
仁元王后金氏(英祖の継母):キム・ヨンリム
淑嬪チェ氏(英祖の生母):キム・ヨンエ
貞純王后(英祖の後妻):イ・イネ
英祖の後妻。本貫が老論派のため、陰で思悼世子を陥れようとする。
貞聖王后(英祖の正妻):ムン・イェジ
和協翁主(英祖の八女):ク・ヘジン
和緩翁主(英祖の九女):キム・ジヨン
賢嬪チョ氏:パク・ジョンスク
思悼世子に近い人物
洪鳳漢(朝鮮語版)(ホン・ボンハン:恵嬪の父)ハン・インス
恵嬪の母:キム・ジャオク
粛嬪イム氏(朝鮮語版)(思悼世子の側室):コ・ホギョン
思悼世子付き宦官:ナム・ポドン
思悼世子付き尚宮:キム・ジヨン
ハン尚宮(思悼世子の乳母):キム・スミ
思悼世子と対立する人物
淑媛ムン氏の母:キム・エギョン
ムン・ヨングク(淑媛ムン氏の兄):クォン・ヨンウン
金尚魯(キム・サンノ):パク・チョングァン
その他の人物
金一鏡(朝鮮語版)(キム・イルギョン):イ・ジヌ
ハ尚宮(淑媛ムン氏付き尚宮):ソン・オクスク
ク・ヘジン
イ・エジョン
ホン・チュンミン
イ・ミノ
チェ・ジュボン
スタッフ
企画:イ・ビョンフン
脚本:イム・チュン
脚注^ "??? ?" Daum. 2023年10月5日閲覧。
^ 世子の呼称の「思悼」は英祖からの追諡、「荘献」は正祖からの追尊によるものである。
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