監督には前作と同じく小中和哉が予定されていたが、スケジュールの都合がつかなかったため、当時『ULTRASEVEN X』を担当していた八木毅が起用された[4]。八木の参加後にプロットが完成し、主演の長野も交えて脚本作業が進められた[4]。当初はパンドンではなくブラックキングが検討されており[9]、第1稿の脚本段階ではベロクロン、アーストロン、ゴルザ、ガンQの登場も予定されていた[10]。
本編は2007年10月15日に、特撮は同年12月初旬にそれぞれクランクインした[4]。
ストーリー映画の舞台となった横浜マリタイムミュージアム前に設置された4.5メートルの初代ウルトラマンの巨大立像。
テレビ番組のヒーロー・ウルトラマンに憧れるマドカ・ダイゴ、アスカ・シン、高山我夢の3人は、赤い靴を履いた不思議な少女と出会い、夕焼けの空に輝く一番星に願い事をする。ダイゴは宇宙船の船長になること、アスカはプロ野球選手になること、我夢は科学者になってダイゴの乗る宇宙船を開発すること。
しかし、それから25年の月日[注釈 4]が流れ、ダイゴは横浜市役所観光課の職員、アスカは横浜スタジアムのボールボーイ、我夢は横浜マリタイムミュージアムの学芸員としてごく普通の平凡な日常を送っていた。
ある朝、横浜上空に蜃気楼が発生。その直後、ダイゴは見たことのないウルトラマンを目撃。さらにウルトラ兄弟が戦う夢を見るが、ダイゴと親交のあるハヤタ、モロボシ・ダン、郷秀樹、北斗星司が変身していた。
数日後、ダイゴは自分の住む世界とは似て非なる別の世界に迷い込み、ウルトラマンメビウスと怪獣キングゲスラの戦いに遭遇。ダイゴはテレビで観たウルトラマンとゲスラの戦いを思い出してメビウスに助言し、メビウスはキングゲスラを倒した。メビウス=ヒビノ・ミライに礼を言われたダイゴは元の世界に戻るが、同時にミライもダイゴの世界に迷い込んできた。ミライは、赤い靴の少女から7人の勇者を目覚めさせてこの世界を救ってほしいと頼まれたという。
ダイゴとミライが7人の勇者を捜している最中、怪獣キングパンドンが出現。メビウスはキングパンドンを倒したが、スーパーヒッポリト星人の罠でブロンズ像にされてしまう。勝ち誇るスーパーヒッポリト星人は、キングシルバゴンとキングゴルドラスも呼び寄せる。
人々が絶望しかけた中、ダイゴは赤い靴の少女と会ったあの日、彼女と交わした約束をふと思い出した。そして、自分が目撃したウルトラマンは、別の世界での自分であることを知る。 それぞれが本来の世界とは違う別の世界の人物で、各作品のヒロインと戦いとは無縁の幸せな生活を送っている。この世界の異変に際してやって来たメビウスを除き、終盤で全員がウルトラマンとして活躍する別世界での自分との記憶が同期化することでウルトラマンとしての記憶が宿り、変身アイテムが現れて戦った。
登場人物
ウルトラ戦士
ウルトラマンの巨大化カットはメビウスとセブンを除きすべて新たに作り直されている[4]。人形は初代マンは近年テレビシリーズで新たに作られたものに顔の部分を新造、ジャックとエースは本作品用の新造形、ティガ・ダイナ・ガイアはテレビシリーズで使用された型から新たに作り起こされた[4][12]。
スーツはウルトラマン・ウルトラセブン・ウルトラマンジャック・ウルトラマンAは『ウルトラマンメビウス&ウルトラ兄弟』のもので、ウルトラマンメビウスは演技者の体型に合わせて新調され、ウルトラマンティガ・ウルトラマンダイナ・ウルトラマンガイアも新調されたが、ウェットスーツが当時とは異なっている[13][4]。
マドカ・ダイゴ / ウルトラマンティガ
本作品の主人公。横浜市役所観光課に勤務する平凡な公務員。遅刻とデスクワークでの居眠りは日常茶飯事で勤務態度はあまり良くないが、外での仕事は真面目で海外からの視察団の観光都市としてのアピールや質疑応答の対応に追われている。かつては宇宙船の船長を夢見ていたが、現実を考えてレナと一緒にいたいために諦めていた。ティガ・ダイナの世界ではGUTS隊員であり、超古代の光の遺伝子を受け継いでいたことでウルトラマンティガの光を宿す。いち早くこの世界の異変に気づき、ミライとともに奔走。赤い靴の少女との約束を思い出したことで別の世界での記憶に目覚めて覚醒し、スパークレンスで変身。