大林宣彦
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大林はこれを「ふるさと映画」と称しており[出典 122]、地域における映画製作の道筋を拓いたと評価される[8]

またこの頃から反戦平和を正面から口にするようになった[出典 123]。その要因としては、2003年4月から、成安造形大学倉敷芸術科学大学客員教授に就任し、学生たちの前で定期的に話すようになったこと、2000年代以降の安全保障論改憲論の盛り上がりで黙ってられない状況になったものと見られている[出典 124]。2013年12月27日付の朝日新聞に「特定秘密保護法が成立した6日、僕は怖くて一日中震えていました。いまの空気は戦争が始まる時に近いのです」とのコメントを寄せる[176]。2010年代以降の4本は、反戦を明確に打ち出した作品になった[出典 125]

独特の語り口でトークも上手く[16]、自主映画作家時代からマスメディアにしばしば登場した。生放送では喋り過ぎて放送事故寸前まで時間が押すこともあったという[16]目黒シネマであった大林の特集上映で、大林が喋りすぎて終電がなくなり、お客が全員帰れなくなったというエピソードもある[3]。各地の講演に招かれることも多く、コメンテーターとしてのテレビ出演、雑誌やネットインタビューなども多かった[177]。『幕が上がる』がさぬき映画祭で先行上映が行われた際に、楽屋ももいろクローバーZが大林節に魅了されていくのが横で聞いていた甥・平田オリザは妙におかしく「さすが、アイドル映画というジャンルを自ら切り拓いた人だけのことはあると、我が叔父ながら改めて感心した」と述べている[50]

2004年(平成16年)春の褒章に於いて紫綬褒章を受章[178]

2009年(平成21年)秋の叙勲旭日小綬章を受章した[179]。受章理由は「長年にわたる実験的で独自の映画作りに」と伝えられたという[180]

2013年に手掛けたAKB48の長尺のミュージック・ビデオSo long !」は物議を醸した[出典 126][181]

2016年、第18回極東映画祭(イタリア)にて、マルベリー賞(生涯功労賞)を受賞[182]

(2017年12月公開の映画『花筐/HANAGATAMI』のクランクインを控えた)2016年8月に肺癌が判明、ステージ4まで進行しており医師より当初「余命6か月」、後に「余命3か月」の宣告を受ける。同年8月から10月にかけて佐賀県唐津市で行われた撮影と続く編集作業に並行して抗がん剤治療を継続。

2017年4月のスタッフ向け試写会において病状を公表。抗がん剤治療が奏効したことで病状が改善し、同年5月時点で「余命は未定」となったとしている[183]

2018年夏に、『あの、夏の日 とんでろ じいちゃん』以来約20年ぶりに尾道市をメインのロケ地として、戦争と広島の原爆をテーマとした映画『海辺の映画館―キネマの玉手箱』を撮影[184]、2019年10月28日に開幕する第32回東京国際映画祭「JapanNow部門」で組まれる大林監督特集で初上映された[185]。本作で2018年度毎日芸術賞特別賞を受賞[186]

2019年3月24日、第33回高崎映画祭の授賞式(会場:高崎市の群馬音楽センター)に出席。監督を務めた『花筐/HANAGATAMI』が特別大賞を受賞し登壇。

2019年春公開を目指し全編熊本ロケでの映画化が決定していた『つばき、時跳び』は[187]、体調不良を理由にクランクイン前の同年7月に辞退。監督補に指名していた熊本市出身の行定勲監督に引き継がれ、2021年に映画化される予定だった[188]

2019年7月27日、広島県広島市で開催された国際平和シンポジウム「核兵器廃絶への道?大国の暴走を許さない」(朝日新聞社広島市広島平和文化センター主催)に登壇し東ちづると対談した[189][190]

2019年9月30日、広島国際映画祭2019「ヒロシマ平和映画賞」に『海辺の映画館―キネマの玉手箱』が受賞したことが発表された[191][192]。同年11月24日に同映画祭会場で『海辺の映画館―キネマの玉手箱』上映、大林監督トークショー、および、「ヒロシマ平和映画賞」授賞式が行われた[192]


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