上述のように『大日本史料』には未刊行部分が多いため、『史料綜覧』が刊行されている(既刊17巻。17巻は1639年(寛永16年)までが対象)[5]。『史料綜覧』は綱文の部分と典拠となる史料の名称を掲載しており、未刊行部分の時期を調べる際の手がかりになるほか、詳細な年表としても利用できる。 『大日本史料』のデータベース(「史料稿本」などを含む)が、東京大学史料編纂所の公式サイト[6] 記述のスタイルは、はじめに綱文(要約文)を記し、その後に史料(日記、歴史書、古文書など)を原文で引用する。これは和学講談所の「史料」を範としたスタイルである。 源頼朝・足利尊氏・徳川家康の征夷大将軍就任の記事を事例に挙げる。 綱文に「十二日、壬午、臨時除目、前権大納言源頼朝を征夷大将軍と為す(略)」とし、その後に『公卿補任』『吾妻鏡』『平家物語』などの史料を引用する。[6] 綱文に「(十一日)北朝、(略)尊氏を正二位に叙し、征夷大将軍に補し、直義を従四位上に叙し、左兵衛督に任ず」とし、『公卿補任』『太平記』などを引用する。[7] 綱文に『十二日、亥己内大臣徳川家康を右大臣に任じ、征夷大将軍に拝し、源氏長者、淳和奨学両院別当と為し、牛車兵仗を聴す(略)』とし、『公卿補任』『慶長日件録』『言経卿記』などを引用する。[8]
データベース
記述法
建久3年(1192年)7月
延元3年(1338年)8月
慶長8年(1603年)2月
関連項目
歴史書
明治政府の修史事業
注釈^ 坂本太郎『日本の修史と史学 歴史書の歴史』(講談社学術文庫、2020年)p167。
^ 第13編 慶安4(1651)年-、第14編 延宝8年(1680)-、第15編 天明6(1786)年-、第16編 嘉永6(1853)年-。[1]
^ 「柳営補任」「市中取締類集」「近藤重蔵蝦夷地関係史料」など、史料ごとに刊行。
^ 「編年之部」は弘化3年(1846年)から明治4年(1871年)を対象としたが、19冊(安政5年5月まで)刊行後に中断。「類纂之部」として「井伊家史料」を刊行。
^ 国立国会図書館デジタルコレクション[2]でインターネット公開されている。
^ 『大日本史料』第4編4冊、国立国会図書館デジタルコレクション[3]98コマ
^ 『大日本史料』第6編5冊、国立国会図書館デジタルコレクション[4]38コマ
^ 『大日本史料』第12編1冊、国立国会図書館デジタルコレクション[5]19コマ
外部リンク
⇒東京大学史料編纂所、データベース検索
第三編編纂メモ[7]
第十編編纂ノート[8]