日本初の大学院大学は1982年に財界主導で設立された国際大学である。大学院大学でない大学では、例えば工学部に対する工学研究科のように学部名と同一の名称をもつ、あるいは同一名称でなくとも直接関連する大学院を置くことが多く、これを2階建て大学院という。それに対して対応する学部を持たない大学院研究科は独立大学院あるいは独立研究科と呼ばれる。大学院大学のうち、大学以外の研究機関と協力しているものは、連携大学院(れんけいだいがくいん)などと呼ばれることもある。「Category:日本の大学院大学」も参照 大学院には各種の課程がある。大学院設置基準(昭和49年文部省令第28号)においては、修士課程、博士課程、そして専門職学位課程(専門職大学院の課程)の3種類の課程が規定されている。専門職大学院の課程は組織上、各大学が置く大学院に専門職学位課程として置かれる。大学院を置く各大学の学則などでの運用においては、3種類の課程について細かく分けたり、合わせたりして呼称している。各大学の学則などにおける呼称としては、主に修士課程・博士前期課程、博士後期課程・後期3年博士課程、一貫制博士課程、4年制博士課程、そして専門職学位課程などがある。 大学院における課程について表現するにあたってはいくつかの方法があり、方法ごとに意味が異なっている。 大学院設置基準に定められている大学院の課程は、「修士課程」「博士課程」、そして「専門職学位課程」の3種となっている[25]。 各大学によって異なるが、しばしば学則等では、「修士課程」「博士前期課程」「博士後期課程」「一貫制博士課程」「後期3年博士課程」「4年制博士課程」「専門職学位課程」などに区分する方法が見られる。 俗な用法においては、学則等で用いられる「修士課程」と「博士前期課程」について単に「修士課程」と呼び、学則等で用いられる「博士後期課程」「一貫制博士課程」「後期3年博士課程」「4年制博士課程」を「博士課程」と呼ぶ表現も見られる。なお、学則で博士前期課程を修士課程と呼ぶと正式に定めている場合もある[39]。 日本では、一般的には、修士の学位や専門職学位を授与された後に、後期3年の博士課程に進学できるようになっている形態が多い。しかし、一貫制博士課程を設けて修士水準から博士水準までの一貫教育を行う大学院もある。 修士課程・博士前期課程、専門職学位課程では、一般的に2年以上在学して要件を満たすことで学位の授与を受けることができる。授与される学位は、修士課程・博士前期課程では「修士の学位」、専門職学位課程では「専門職学位」である。 「修士の学位」または「専門職学位」の授与を受けた後に、博士後期課程・後期3年博士課程で3年在学して要件を満たせば博士の学位の授与を受けることができる。また、「修士の学位」または「専門職学位」の授与を受けていなくても、一貫制博士課程で5年在学して要件を満たしても「博士の学位」の授与を受けることができる。 なお、以下の課程の分類においては、#学則等に見られる用法を用いた。 博士前期課程、修士課程は、「広い視野に立って精深な学識を授け、専攻分野における研究能力又はこれに加えて高度の専門性が求められる職業を担うための卓越した能力を培うこと」を目的としている。
課程
各種定義と用法
大学院設置基準によるもの
修士課程は、学部卒業後の標準修業年限が一般に2年である課程であり[26]、修了した者には修士の学位が授与される[27]。
博士課程は、学部卒業後の標準修業年限が一般に5年の課程であり[28]、修了した者には博士の学位が授与される[27]。この博士課程は、さらに以下のように区分される。
前期2年と後期3年に区分、または区分を設けないもの[29]
前期2年前期2年と後期3年に区分するもの[注 8]。なお、前期2年の課程は修士課程とみなすことになっている[30]。
区分を設けないもの[注 9]
後期3年のみのもの[31][注 10]
修業年限が6年の学部に接続する、医学・歯学・臨床薬学・獣医学を履修するもの(修業年限が4年の課程)[32][注 11]
専門職学位課程は、修了した者には文部科学大臣の定める学位[27](専門職学位[33])が授与される課程であり、学部卒業後の標準修業年限は一般に2年以内であるが[34]、法科大学院[注 12][35]の標準修業年限は3年[36]、教職大学院[注 13][37]の標準修業年限は2年である[38]。
学則等に見られる用法
修士課程は、学部卒業後の修業年限を2年とし、修士の学位が授与される課程である。下記の博士後期課程が設けられていない場合に設置される。
博士課程は、博士の学位が授与される課程であるが、学則等では以下のように区分される。
学部卒業後の修業年限を5年とする課程については、以下のように区分される。
博士前期課程および博士後期課程は、学部卒業後の修業年限を前期2年と後期3年に区分する課程である。
一貫制博士課程は、上記と異なり前期2年と後期3年に区分しない5年一貫制の課程である。
後期3年博士課程は、後期3年のみの課程である。
4年制博士課程は、修業年限が6年の学部に接続する、医学・歯学・臨床薬学・獣医学を履修するもの(修業年限が4年の課程)である。
専門職学位課程は、修了した者には専門職学位が授与されるという専門職大学院の課程である。
俗な用法
教育内容
修士課程・博士前期課程
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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
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