大塚周夫
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社交ダンスからタップダンスまで会得していたが[6]、練習のやり過ぎで両脚が膝関節炎になり、医者から「結核菌が入ると一生曲がらなくなるからダンスはやめた方が良い」と助言されたため俳優への転向を図り、たまたま劇団員を募集していた劇団東芸に入団する[5][3][17][18][19]。東芸の後輩に、田の中勇富田耕生[20]熊倉一雄[21]野沢雅子[2]がいる。特技のタップダンスについては、時折スタジオや待合室で披露することもあった。

テレビ放送が開始される以前、民放のラジオもなく仕事がなかった頃は、大八車を引いて小学校をまわり、『桃太郎』や『浦島太郎』などの演劇の芝居だけが唯一の仕事だったという苦労が続いた時期があったと語っている[5]。ラジオができてからは、NHKからガヤなどのエキストラとして仕事がくるようになったが、1年に1、2回ぐらいでギャラは700円だったという[5]。その内民放ラジオが増えてきてラジオドラマなどの仕事がくると、やっと仕事が出来ると安堵し、嬉しかったと語っている[3]

36歳のとき、周夫が心酔していた演出家・俳優の早野寿郎から誘われて俳優小劇場に入団。その後テレビ放送が開始されると、中学時代にボクシングをやっていたことやジャズダンスを踊っていたその運動神経を活かして、スタントを交えたアクション映画悪役の仕事に就く[5]。特に丹波哲郎などに殴られて吹っ飛ぶアクションが上手く、殴った丹波が強そうに見えるということで、その演技にひかれた丹波本人から出演を依頼されることが多かった[3]。劇団在籍中に、「外国映画のアテレコをやらないか」という話があった[19]。その時に生放送のテレビドラマに多く出演しており忙しかったせいもあり、「冗談じゃない!他人の影の声なんかできるか」と言ってつっぱねていた[19]。その時、劇団のある研究生の稼ぎ高の多いのがおり、アテレコをしていたという[19]。「待てよ、あれだけの年季と技量であれだけの収入が…それにこれから外国映画のTV放映が増えるぞ」という気がしていた[19]。その折にたまたま映画館で見たリチャード・ウィドマークの凄みのある芝居に惹かれ、それからは映画館でウィドマークの映画を朝から夜まで観てその芝居を研究し、日本で吹き替え放送が開始されてからは、各局にウィドマークの吹き替えをやらせてもらえるように頼んで回っていた[5]。そして日本テレビの外画部が「ああいいよ。そんなことを言ってきたのは初めてだ」と頼みを聞き入れ、1963年10月13日に放送された『襲われた幌馬車』でウィドマークの吹き替えを担当することになった[5][6]

他の人物と比べて、2年くらい遅れてアテレコを始めたという[19]

声の仕事と平行して、舞台では小沢昭一らとの『しみじみ日本・乃木大将』『国語事件殺人辞典』(どちらも井上ひさし作)などに多数出演。またテレビ番組では、NHK大河ドラマフジテレビ系ドラマの常連として知られた。

1971年に俳優小劇場が解散し小沢昭一が立ち上げた芸能座に移籍した後も、俳優として舞台やテレビドラマに出演していたが、63歳のときに体力が低下していると感じて舞台を引退する[3]。さらに当時の個人マネージャーに多額のギャラをだまし取られていたことが判明し、それをきっかけに長年演技ができないタレントと共演することなど気持ちよくできなかったテレビ出演も一切やめ、声優業に専念することを決意し青二プロダクションに移籍[3]。以後、数々の洋画吹き替え、アニメで活躍した。
死去

2015年1月15日、青二プロダクションの新年会終了後に帰宅するために乗った地下鉄内で倒れ、虚血性心疾患のため東京都新宿区の病院で死去[7][8][14][22]。85歳没。その新年会に出席する前に収録され、同年1月25日にテレビ東京系で放送されたバラエティ番組『1位じゃなくっていいじゃない』のナレーション収録が最後の仕事となった[23]。このナレーション収録について周夫が「ナレーションではなく芝居をしてやった」と語っていたことが青二プロダクションなどによって報告され[23][24]、番組の最後には白バックに黒字で「この番組が最後の作品となったナレーター故大塚周夫さんのご冥福をお祈りいたします」と追悼メッセージが流された[25]。また同番組には大塚明夫も声で出演しており、最後の親子共演となった[25][26]

葬儀・告別式は1月23日に青山葬儀所で催され、喪主は長男・明夫が務めた[27][28]。弔辞は野沢雅子尼子騒兵衛が読み、その他に井上喜久子田中真弓平田広明森田成一山寺宏一田中理恵ら250人が参列した。戒名は付けなかったとされる[29]
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出典検索?: "大塚周夫" ? ニュース ・ 書籍 ・ スカラー ・ CiNii ・ J-STAGE ・ NDL ・ dlib.jp ・ ジャパンサーチ ・ TWL(2020年5月)

役柄としては悪役だが、あまりにもセコいために、どこなく憎めないというような役柄を得意としており、恐いぐらいに悪に徹した悪役を演じても絶品で、重厚な脇役も数多かった[18]。悪役から二枚目、三枚目まで、守備範囲だと語る[10]

アニメでの代表的なキャラクターは『ルパン三世 (TV第1シリーズ)』の石川五エ門[12]、『ガンバの冒険』のノロイ[30]、『美味しんぼ』の海原雄山[12]といった重厚な演技、『ピーターパンの冒険』のフック船長、『ソニックシリーズ』のDr.エッグマン、『名探偵ホームズ』のモリアーティ教授[15]、そして後述にある代表作の『ゲゲゲの鬼太郎(第1作)(第2作)』のねずみ男[16]や『チキチキマシン猛レース[31]、『スカイキッドブラック魔王』のブラック魔王といった、悪役に分類されるがコミカルな面から憎めないキャラクターの二つがある。


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