『幻魔大戦』の際、プロデューサーの丸山正雄に「ヒロインのルナ姫が可愛くない」と指摘されて何度も描き直したが、どうしても可愛く描けず、監督のりんたろうが間に入って可愛くないままのデザインでOKとなった[43][注 17]。その後、『AKIRA』以降の作品では、初期に比べて登場人物の目が大きくなり、造形をかっこよく・可愛らしく描くようになっている[7][44]。過去のインタビューでは、「そういった(一般的なアニメらしい可愛さの)絵柄も簡単に描けるが、描く理由もない。描かないと生き残れないなら描く」と語っている[45]。 メカデザイナーとしては、「武器よさらば」で名を知られるようになった[4]。作中のパワードスーツのデザインのアイデアは、その後、様々なジャンルの多数の作品に引用されている[38]。 『幻魔大戦』に登場するサイボーグ戦士ベガのデザインは、当時のロボットデザインとは一線を画すオリジナリティを感じさせるものになっている[46]。 『AKIRA』に登場する金田のバイクの未来的デザインは画期的で、世間に衝撃を与えた。アニメの世界以外でも、モーターショーでコンセプトモデルとして展示されたり、デザインを再現したカスタムバイクが販売されたり、スティーヴン・スピルバーグ監督のハリウッド映画『レディ・プレイヤー1』に登場したりしている[47]。 影響については、特に一つを選ぶのが難しいくらい様々な人や作品に受けている[48]。自身が見て経験してきたもの全ての影響がごちゃごちゃになって混在していて、その中から作品が生まれてくるという[4]。小説『宇宙の戦士』のパワードスーツのデザインを手がけた宮武一貴や加藤直之のいたスタジオぬえの存在はもちろん大きいが、影響されたものには『2001年宇宙の旅』のようなSF映画も含まれている。『スターウォーズ』のデザインはあまり好きではなく、『エイリアン』やクリス・フォスやメビウス、H・R・ギーガーたちを集めてアレハンドロ・ホドロフスキーが制作しようとしていた『デューン』の方を好む[10]。 シド・ミードの作品には大いに影響を受けている[49]。金田のバイクも、シド・ミードがデザインした映画『トロン』に登場するバイク、ライトサイクルの楕円形の大きなフォルムから着想を得ている[4][49]。 日本人では、自身の作品にも参加している渡部隆のほか、小林誠や『新世紀エヴァンゲリオン』のメカデザインも好き[4]。
メカニックデザイン
受賞歴
1981年 - 第10回日本漫画家協会賞優秀賞(「童夢」「I・N・R・I」ほか)
1982年 - 第13回星雲賞コミック部門(『気分はもう戦争』)
1983年 - 第4回日本SF大賞(『童夢』)
1984年 - 第15回星雲賞コミック部門(『童夢』)
1984年 - 第8回講談社漫画賞一般部門(『AKIRA』)
1992年 - アイズナー賞(アメリカ)最優秀彩色部門(『AKIRA』米国版)
2002年 - アイズナー賞(アメリカ)最優秀最優秀アーカイブプロジェクト部門および最優秀国際作品部門(『AKIRA』米国版)
2005年 - フランス芸術文化勲章シュヴァリエ(騎士)受章
2002年 - アイズナー賞(アメリカ)コミックの殿堂入り[50]
2012年 - 第16回文化庁メディア芸術祭アニメーション部門大賞(『SHORT PEACE』の一編「火要鎮」)[51]
2013年 - 紫綬褒章受章[52][53]