大友克洋
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1978年から『rockin'on』で連載された「大友克洋の栄養満点!」[注 16]では、『白雪姫』『赤頭巾』といった有名な童話をシニカルなファンタジーとして語り直しており、1979年より『バラエティ』に連載された『饅頭こわい』(単行本未収録)では毎回2ページを使って『鉄人28号』や『ゲゲゲの鬼太郎』などといった様々な漫画作品のパロディを行なっている。

1979年の『コミックアゲイン』誌では少女漫画の画風を模倣したパロディ作品「危ない! 生徒会長」(『SOS大東京探検隊』収録)を掲載している。

短編作品『猫はよく朝方に帰って来る』に登場する私立探偵は青池保子の『エロイカより愛をこめて』に登場するスパイ、エーベルバッハ少佐のパロディだと筆者自身がコメントしている。

デザイン
キャラクターデザイン

キャラクターデザイナーとして最初にオファーを受けたのは、アニメ映画『幻魔大戦』[43]

子供の頃は鉄腕アトムなどを真似して、非常に伝統的な漫画のような絵を描こうとしていた[4]。しかし、高校生の時に流行った横尾忠則伊坂芳太良といったイラストレーターの絵柄がすごく好きになり、自分もそういう画風でイラストのような感覚で漫画を描いてみたいと思うようになった。それ以来、漫画の登場人物は、従来の古典的なスタイルではなく、そういった新しいアプローチで描くようになった[4]

『幻魔大戦』の際、プロデューサーの丸山正雄に「ヒロインのルナ姫が可愛くない」と指摘されて何度も描き直したが、どうしても可愛く描けず、監督のりんたろうが間に入って可愛くないままのデザインでOKとなった[43][注 17]。その後、『AKIRA』以降の作品では、初期に比べて登場人物の目が大きくなり、造形をかっこよく・可愛らしく描くようになっている[7][44]。過去のインタビューでは、「そういった(一般的なアニメらしい可愛さの)絵柄も簡単に描けるが、描く理由もない。描かないと生き残れないなら描く」と語っている[45]
メカニックデザイン

メカデザイナーとしては、「武器よさらば」で名を知られるようになった[4]。作中のパワードスーツのデザインのアイデアは、その後、様々なジャンルの多数の作品に引用されている[38]

『幻魔大戦』に登場するサイボーグ戦士ベガのデザインは、当時のロボットデザインとは一線を画すオリジナリティを感じさせるものになっている[46]

『AKIRA』に登場する金田のバイクの未来的デザインは画期的で、世間に衝撃を与えた。アニメの世界以外でも、モーターショーコンセプトモデルとして展示されたり、デザインを再現したカスタムバイクが販売されたり、スティーヴン・スピルバーグ監督のハリウッド映画レディ・プレイヤー1』に登場したりしている[47]

影響については、特に一つを選ぶのが難しいくらい様々な人や作品に受けている[48]。自身が見て経験してきたもの全ての影響がごちゃごちゃになって混在していて、その中から作品が生まれてくるという[4]。小説『宇宙の戦士』のパワードスーツのデザインを手がけた宮武一貴加藤直之のいたスタジオぬえの存在はもちろん大きいが、影響されたものには『2001年宇宙の旅』のようなSF映画も含まれている。『スターウォーズ』のデザインはあまり好きではなく、『エイリアン』やクリス・フォスやメビウスH・R・ギーガーたちを集めてアレハンドロ・ホドロフスキーが制作しようとしていた『デューン』の方を好む[10]

シド・ミードの作品には大いに影響を受けている[49]。金田のバイクも、シド・ミードがデザインした映画『トロン』に登場するバイク、ライトサイクルの楕円形の大きなフォルムから着想を得ている[4][49]

日本人では、自身の作品にも参加している渡部隆のほか、小林誠や『新世紀エヴァンゲリオン』のメカデザインも好き[4]
受賞歴

1981年 - 第10回日本漫画家協会賞優秀賞(「童夢」「I・N・R・I」ほか)

1982年 - 第13回星雲賞コミック部門(『気分はもう戦争』)

1983年 - 第4回日本SF大賞(『童夢』)

1984年 - 第15回星雲賞コミック部門(『童夢』)


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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