大元帥
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南京国民政府では 1935年3月30日に「特級上将」の位が制定され[7]、翌4月1日に国民政府軍事委員会委員長・?介石が叙せられた[8][9]

南京国民政府では 1937年8月11日に「中華民国陸海空軍大元帥」の位が制定され、翌8月12日に国民政府国防最高會議主席・?介石が叙せられた。これは陸海空軍を統括する最上位の将官で、大元帥に相当とされていたが、2000年に廃止された。
歴代大元帥


孫文

張作霖

?介石


中華民国特級上将の肩章

中華人民共和国

1955年毛沢東への授与を想定して中華人民共和国大元帥の地位が制定されたが[10]、毛が授与を辞退したため任官者のないまま1965年に廃止された。なお、十大元帥と呼ばれる将軍たちがいるが、これは「10人の偉大な元帥」の意味である。

中華人民共和国大元帥の襟章

中華人民共和国大元帥の肩章

アメリカ合衆国詳細は「元帥 (アメリカ合衆国)」を参照

アメリカ軍では「Generalissimo」の語は使われず、陸海軍に設けられた元帥の上位の階級であるため、厳密には他国の大元帥とは異なる。なお、空軍海兵隊沿岸警備隊には大元帥の位は置かれていない。
陸軍大元帥
1919年ジョン・パーシング大将が「General of the Armies of the United States」に叙せられた。この階級は「アメリカ合衆国陸軍大元帥」、「合衆国総軍元帥」とも訳される。ただし、パーシング本人は最後まで四つ星の陸軍大将章を佩用し続けた。1945年にダグラス・マッカーサーに贈られる予定があり、六つ星の階級章も制定される予定であったが、本人が辞退し実行されなかった。建国200周年の1976年には、大陸軍総司令官にしてアメリカ初代大統領ジョージ・ワシントンに、連邦議会からこの階級が追贈され、同時に序列最高位の合衆国軍人として扱う大統領布告がなされている[11]
海軍大元帥
1903年ジョージ・デューイ大将が米西戦争の功績により、1899年の日付まで遡り「Admiral of the Navy」に叙せられた[12]。この階級は「海軍大提督」、「海軍主席提督」とも訳される。1945年にチェスター・ニミッツのためにこれと同格の「Flag Admiral(旗旒提督)」の階級創設が検討されたが、実行されなかったため、現在に至るまでデューイただ一人が叙されている。

陸軍大元帥の階級章案

海軍大元帥の階級章

フランス詳細は「フランス大元帥」を参照

アンシャン・レジーム時代のフランスには通常の元帥の上に「国王の陣営と軍隊の大元帥(フランス語: Marechal general des camps et armees du roi)」、いわゆる「フランス大元帥」の位が存在していた。

1847年ニコラ=ジャン・ド・デュ・スールトが叙せられた[13]
ドイツ詳細は「国家元帥」を参照

ドイツには、12世紀以前の神聖ローマ帝国時代に「国家元帥(Reichsmarschall)」の称号が存在した。その後の帝政ドイツヴァイマル共和政を通じて任官者はいなかったが、ナチス・ドイツ時代に「大ドイツ国国家元帥(Reichsmarschall des Grosdeutschen Reiches)」の称号で復活、1940年ヘルマン・ゲーリング空軍元帥が唯一これに叙された。ゲーリングは自身の任命式(英語版)において、国家元帥が国防軍元帥より上位であると言及しており、事実上の大元帥に相当すると言えるが、アメリカ軍のそれと同じで軍の階級の一つとして制定されている。また、ゲーリング唯一人だけ叙されたのは、総統アドルフ・ヒトラーの後継者としての地位を明確にするためとも言われる。

なおヒトラーの軍事上の役職は、国防軍最高司令官および陸軍総司令官であったが、親衛隊のものも含めて特定の階級や称号に叙されることはなかった。

国家元帥の階級章

ロシア・ソビエト
ロシア帝国

ロシア帝国で大元帥に叙せられたのは以下の4名のみであった。

アレクサンドル・メーンシコフ

アントン・ウルリヒ・フォン・ブラウンシュヴァイク

アレクサンドル・スヴォーロフ

ミハイル・クトゥーゾフ

ソビエト連邦

帝政廃止後に成立したソビエト連邦では、大元帥は長らく設けられなかったが、1945年6月26日に最高会議幹部会決定により、軍の最高階級として「ソ連邦大元帥ロシア語: Генералиссимус Советского Союза、ギニラリッシムス・サヴェーツカヴァ・サユーザ)」が制定され[14]、翌27日にヨシフ・スターリンが叙された[15]。ソ連の全歴史を通じて大元帥はスターリンただ1人である。
ロシア連邦

ロシア連邦では大元帥の位は再び廃止され、存在しない。ロシア連邦軍における最高階級は「ロシア連邦元帥」である。

ソビエト連邦大元帥の正装用肩章

ポーランド詳細は「ポーランドとリトアニアのヘトマン一覧」を参照

ポーランド王国では、元帥に相当する「王冠領野戦ヘトマン」の上に、大元帥に相当する「王冠領大ヘトマン」が存在した。

現在のポーランドでは大元帥の位は存在せず、軍の最高階級は大将(Genera?) である。
朝鮮
大韓帝国

1897年の帝政宣言後は皇帝への権力集中が図られ、1899年6月22日に高宗皇帝は「元帥府官制(?????)」の詔勅を発布した[16]。これにより統帥機関たる元帥府(朝鮮語版)が設置され、韓国皇帝を大元帥、皇太子を元帥と定めた[17]
歴代大元帥


高宗

純宗

北朝鮮

朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の初代最高指導者である金日成国家主席朝鮮労働党中央委員会総書記党中央軍事委員会委員長)は、生前の1992年4月に朝鮮民主主義人民共和国大元帥の称号を授与された[18]


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