また、イスラエルはエルサレムを首都と宣言しているが、日本を含む多くの諸外国は国連決議に基づき同国の主張を認めていないため、テルアビブに大使館を設置している。イスラエルの主張に従ってエルサレムに大使館を設置しているのは、アメリカ合衆国(在イスラエルアメリカ合衆国大使館)やグアテマラなど一部の国に限られる[6][7]。 外交使節団の使用する公館に関しては外交関係に関するウィーン条約で公館の不可侵(第22条)と公館に対する課税免除(第23条)が定められている[8]。なお、領事機関の公館(総領事館、領事館)には領事関係に関するウィーン条約が適用され、同条約にも公館の不可侵等が定められている[9](領事館#特権免除を参照)。 使節団の公館は不可侵とされ、接受国の官吏は使節団の長が同意しない限り、公館に立ち入ることができない(第22条1)[8]。 さらに接受国は、私人による公館への侵入・破壊及び、公館の安寧・威厳の侵害を防止するために、適当なすべての措置をとる特別の義務を負っている(第22条2)。この措置には、原状回復 派遣国及び使節団の長は、公館が所有か賃借かを問わず、賦課金及び租税を免除される(ただし提供された特定の役務に対する給付としての性質を有するものを除く)(第23条1)[8]。 大使館には外交の専門家である外交官が配置されるが、第二次世界大戦前には各種の専門に応じて財務官、商務官、陸海空軍武官などが設置されるようになった[3]。 日本の大使館の場合、在外公館長たる特命全権大使を筆頭に、公使、参事官、防衛駐在官(他国や明治憲法体制下の日本における駐在武官に相当。この他、参事官、書記官等の名称を併有)、書記官、在外公館警備対策官、理事官等の外交官の他、派遣員(社団法人国際交流サービス協会が派遣するもの)、専門調査員、現地職員(事務職員、窓口係員、警備員、大使公邸管理人等)で構成される(この他、該当国で語学等の研修をしている在外研修員として入省間もない外交官補が配置されている)。 小さな国に派遣される大使館では、大使以下外交官が数人しかいないところもある。例えば、2009年1月末時点における在アンゴラ日本国大使館 フランスでは政策責任は最終的に政府だけが負い、外務行政は政府の政策決定を遂行する官僚制度の一部門に過ぎないとされている[3]。大使館の首長は大使であるが、階級というよりも地位の名称にすぎないとされる[3]。
特権・免除
公館の不可侵
公館に対する課税免除
職員
日本の大使館
フランスの大使館
参考文献
木下郁夫『大使館国際関係史 在外公館の分布で読み解く世界情勢』社会評論社 ISBN 4784509739 在外公館の分布遍歴を元に、国際政治の世界史的転換期を分析している。
脚注[脚注の使い方]
注釈^ 当初は加盟国全てがイギリス国王を共通の君主としており、国家元首の代理である大使およびその駐在先としての大使館という名称が不適当だったため。加盟国の中でイギリス国王を君主とする制度を廃止し共和制に移行した国においても、伝統的にこの名称が使われている[2]。
出典^ 例えば、外務省設置法第六条の2で「在外公館の種類は、大使館、公使館、総領事館、領事館及び政府代表部とする。」と規定されている。
^ Embassies, High Commissions and Consulates
^ a b c d e f g 内山正熊「外交官と領事館の間
^ 日本の場合、兼轄や一時閉鎖中でない大使館のうち、在イスラエル日本国大使館、在コートジボワール日本国大使館
^ 兼轄国 。在トリニダード・トバゴ日本国大使館
^ ⇒パラグアイも大使館をクドゥスに移転、アメリカとグアテマラに続いて3か国目 。TRT 日本語
^ パラグアイ、エルサレムから大使館撤退 イスラエルは閉鎖で対抗 写真3枚 国際ニュース:AFPBB News
^ a b c “外交関係に関するウィーン条約”. 外務省. 2023年10月5日閲覧。
^ 新倉圭一郎. “米中による総領事館閉鎖”. 国際法学会. 2023年10月5日閲覧。
^ 在外公館の業務の実施体制及び実施状況 。総務省
関連項目
外務省
外交
特命全権大使 - 特命全権公使
治外法権 - 外交特権
在外公館
日本の在外公館の一覧
駐日外国公館の一覧
外部リンク
外務省: 在外公館
外務省: 駐日外国公館
典拠管理データベース: 国立図書館
ドイツ
日本