大佐
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日本語における佐は律令制下の五衛府の官名として登場するが[5] [6] [7]、左右兵衛佐・左右衛門佐・検非違(使)佐などであり大佐は律令には現れない[8] [9] [10]四等官においては役所を統括する「督(かみ)」を文字通り補佐するのが「佐(すけ)」である[11] [12]
沿革

かつての陸軍にあっては、平時の最大の部隊は連隊だったことから、連隊将校団の長(連隊長)たる大佐が平時の最高の階級とされることもあった。上述のように、スイスにおいては現在も平時には大佐が最高階級である。

海軍においても、艦隊は臨時編成のものであって、個々の軍艦が独立の単位であったことから、艦長たる大佐が常時置かれる最高階級とする海軍も多かった。そのため、複数の軍艦を以て艦隊を編成するに際しては、最先任艦長に代将の職責を付与して艦隊を指揮させることがあった(詳しくは代将参照)。米国海軍でも、1862年7月16日までは大佐が最高階級であった。

多くの国の海軍では、4条の線で階級が表される。
日本
旧日本軍

版籍奉還の後、1870年10月12日(明治3年9月18日)に太政官の沙汰により海陸軍大佐以下の官位相当を定めたときに海陸軍中佐の上に海陸軍大佐を置き正五位相当とした[13] [注釈 3] [注釈 4] [注釈 6] [注釈 7]廃藩置県の後、明治4年8月[注釈 8]の官制等級改定[24]及び兵部省官等改定[25] [注釈 11]や明治5年1月の官等改正[34]及び兵部省中官等表改定など数度の変更があり[25] [注釈 12]、明治5年2月の兵部省廃止及び陸軍省海軍省設置を経て[36]、明治6年5月8日太政官布達第154号[37] [38]による陸海軍武官官等表改正で軍人の階級呼称として引き続き用いられ[注釈 17]西欧近代軍の階級呼称の序列に当てはめられることとなった[注釈 6] [注釈 1]。こうした経緯から西欧語が持っている「集団の大黒柱」というニュアンスはない。「佐」とは漢字の字義でいえば「脇で支え助ける」という意味になる。

日本陸海軍では、当初は兵科に属する高等武官奏任官1等)のみを「陸軍○○大佐」や「海軍大佐」と呼称し、陸軍各部に属する高等武官や兵科以外の海軍高等武官には「大佐」の呼称は用いなかったが、後に階級呼称の統一を図り、「大佐」の語を含めるようになった。

「大佐」の読み方であるが、昭和期の日本海軍では「だいさ」と呼ぶ者も出てきたが、海軍省監修書籍には「だいさ」読みの表記が出てくることはない。NHKメディア研究部によれば、正式の読み方ではなく昭和期の旧海軍での習慣的呼称でしかないとされる[1]
自衛隊

警察予備隊の警察官(1950年-1952年)では一等警察正(いっとうけいさつせい)、保安官(1952年?1954年)では一等保安正(いっとうほあんせい)、海上警備官(1952年)では一等海上警備正(いっとうかいじょうけいびせい)、警備官(1952年?1954年)では一等警備正(いっとうけいびせい)がそれぞれ相当する。

自衛隊では1等陸佐(いっとうりくさ)・1等海佐(いっとうかいさ)・1等空佐(いっとうくうさ)(略称は1佐(いっさ)と、等級が算用数字になる)に当たる。

一般に連隊長・群長に補職され、陸海空共通の役職としては自衛隊地方協力本部[注釈 18]防衛駐在官のほとんど[注釈 19]が1佐である。警察では警視長または警視正に相当し、防衛省の文官も含む中央官庁では本省課長または本省室長に相当する。

なお、1佐はさらに職責に応じて(一)?(三)に分類される。以下は陸上自衛隊における区分。


陸上幕僚監部陸上総隊方面隊師団旅団

(一)は陸上幕僚監部の課長・警務管理官、陸上総隊司令部の総務部長・後方運用部長、方面総監部の部長、師団司令部の幕僚長、副旅団長、方面直轄部隊長(方面混成団長・方面特科隊長・方面航空隊長[注釈 20]・方面後方支援隊長)、陸上総隊直轄部隊の副隊長(中央情報隊副隊長)、補給処の副処長[注釈 21]、方面総監部所在駐屯地業務隊長等。

(二)は陸上幕僚監部の室長、陸上総隊司令部の監察官法務官・報道官・医務官、方面総監部の監察官・法務官・医務官、旅団司令部の幕僚長、補給処の部長、師団隷下部隊長(普通科連隊長・特科連隊長・第7高射特科連隊長・戦車連隊長・即応機動連隊長・後方支援連隊長)、旅団隷下部隊長(第15高射特科連隊長)、陸上総隊直轄部隊の副長(第1空挺団副団長・水陸機動団副団長・第1ヘリコプター団副団長・システム通信団副団長)及び隷下部隊長(水陸機動団の第1水陸機動連隊長・第2水陸機動連隊長・第3水陸機動連隊長、第1ヘリコプター団の第1輸送ヘリコプター群長・特別輸送ヘリコプター隊長・輸送航空隊長、システム通信団の中央基地システム通信隊長・中央野外通信群長・通信保全監査隊長・サイバー防護隊長・システム開発隊長、中央情報隊の基礎情報隊長・地理情報隊長)・方面直轄部隊の副団長(特科団副団長・高射特科団副団長・施設団副団長・方面混成団副団長)・副隊長(方面航空隊副隊長・方面後方支援隊副隊長)及び隷下部隊長(特科団の特科長・特科連隊長、地対艦ミサイル連隊長、高射特科団の高射特科群長、施設団の施設群長、方面混成団の普通科連隊長[注釈 22]、方面後方支援隊の方面輸送隊長)、陸上総隊直轄部隊長(中央即応連隊長・特殊作戦群長・中央特殊武器防護隊長・国際活動教育隊長・電子作戦隊長)・方面直轄部隊長(方面システム通信群長・方面会計隊長・方面情報隊長・方面衛生隊長・方面指揮所訓練支援隊長、東北方面隊東北方面航空隊長・東北方面特科連隊長・第4地対艦ミサイル連隊長・第5高射特科群長、東部方面隊東部方面特科連隊長・第2高射特科群長、中部方面隊中部方面航空隊長・中部方面特科連隊長・第8高射特科群長、西部方面隊西部方面戦車隊長・西部方面航空隊長)、師団司令部及び旅団司令部所在駐屯地業務隊長等。


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