発表当時センセーショナルな反響を呼び、ルーズベルト大統領は「世界の民主主義者は見るべきだ!」と称賛したが、ドイツ、イタリアなどのファシスト国家では反戦的人道的内容が批判され、ゲッベルスは「民衆に敵対する映画第一位」と批判、フランス国内でも上演禁止騒ぎが起こるなど賛否両論を引き起こした。(自伝によると、ムッソリーニは内容はともかくも、作品の芸術性を評価し、1939年、ルノアールを映画専門の教育機関「チェントロ・スペリメンターレ」に招いて講義してほしいと正式に申し入れた。フランス政府は当時中立を保っていたイタリアの機嫌を損ねたくないとの意向もあって、ルノアールはイタリアに向かって講義を行った。)
ランキング
「映画史上最高の作品ベストテン」(英国映画協会『Sight & Sound』誌発表)
1952年:「映画批評家が選ぶベストテン」第13位
1962年:「映画批評家が選ぶベストテン」第20位
1972年:「映画批評家が選ぶベストテン」第18位
1982年:「映画批評家が選ぶベストテン」第32位
1992年:「映画批評家が選ぶベストテン」第29位
2002年:「映画批評家が選ぶベストテン」第38位
2012年:「映画批評家が選ぶベストテン」第73位
2012年:「映画監督が選ぶベストテン」第59位
1958年:「世界映画史上の傑作12選
以下は日本でのランキング パリ占領後にはネガフィルムがドイツに持ち去られ行方不明となり、その後の戦火の中で完全版は消失した。戦後残された不完全版が公開されたが、反独感情の残る国々からは敵国同士の交流を描いた内容が不謹慎として批判されるなど、名作にもかかわらずこの作品は政治の荒波の中で翻弄された。ルノアール自身「この映画で我が名声は上がったが、どれだけ誤解を招いたか。」と自伝で述べている。 不完全版に不満を持ったルノアールは復元版を完成させるべく、シネマテーク・フランセーズのルネ・リヒテイグ
1980年:「外国映画史上ベストテン(キネマ旬報戦後復刊800号記念)」(キネマ旬報発表)第5位
1988年:「大アンケートによる洋画ベスト150」(文藝春秋発表)第5位
1989年:「外国映画史上ベストテン(キネ旬戦後復刊1000号記念)」(キネ旬発表)第7位
1995年:「オールタイムベストテン・世界映画編」(キネ旬発表)第10位
1999年:「映画人が選ぶオールタイムベスト100・外国映画編(キネ旬創刊80周年記念)」(キネ旬発表)第19位
2009年:「映画人が選ぶオールタイムベスト100・外国映画編(キネ旬創刊90周年記念)」(キネ旬発表)第59位
受賞歴
受賞
ヴェネツィア国際映画祭芸術映画賞
ナショナル・ボード・オブ・レビュー外国映画賞
ニューヨーク映画批評家協会賞最優秀外国語映画賞
ノミネーション
ヴェネツィア国際映画祭ムッソリーニ杯(外国映画大賞)
第11回アカデミー賞作品賞
フィルムの復元
1976年(昭和51年)、東京岩波ホールでルノアール編集の完全版が公開された。
さらにソ連崩壊後、ネガフィルムがモスクワのフィルム・アーカイブで発見され(敗戦直後、ナチス高官が保管していたのを持ち去ったと言われている。)復元後、オリジナル完成時の姿で公開された。
脚注^ ⇒"The 100 best films of world cinema: 35, 'La Grande Illusion'." Empire. Retrieved: 20 March 2017.
参考資料
ジャン・ルノアール『自伝』西本栄二訳、みすず書房、1977年
外部リンク
公式ウェブサイト
大いなる幻影 - allcinema
⇒大いなる幻影 - KINENOTE
La Grande Illusion - オールムービー(英語)
La Grande Illusion - IMDb(英語)
La Grande Illusion - インターネットアーカイブ
表
話
編
歴
ジャン・ルノワール監督作品
1920年代
水の娘(1924)