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この結果から、自我の確立する高校生以上の年代では、日常の実体験を元により日常に近い内容で夢が構成されているといえる[17]
夢の生成メカニズム

現代の神経生理学的研究では、「夢というのは、主としてレム睡眠の時に出現するとされる。睡眠中は感覚遮断に近い状態でありながら、大脳皮質や(記憶に関係のある)辺縁系の活動水準が覚醒時にほぼ近い水準にあるために、外的あるいは内的な刺激と関連する興奮によって脳の記憶貯蔵庫から過去の記憶映像が再生されつつ、記憶映像に合致する夢のストーリーをつくってゆく」と考えられている、と言う[13]

入眠時に図形や模様、人の顔などのビジョンや、音楽や話し声などが不随意に発生する現象がある。これらの不随意な心象現象は「入眠時幻覚」と呼ばれ、厳密には夢とは別のものとして扱われる[18]。上述のように夢には連続性やストーリー、夢を見る人の視点が備わっているが、入眠時幻覚は概ね感覚的で個人の経験とはかけ離れており、両者の生成プロセスは異なると考えられている。
睡眠時に起こる外的現象

睡眠時は本来ならば何も感じていないと考えられる大脳が覚醒時と同様な活動状態を示す脳波になる。時にはその活動に刺激されて反射運動がみられる場合がある。この反射運動には、寝ている状態で手足を動かす、声を発する(つまりは寝言)などある。寝言の中にはを歌いだすという報告もある[要出典]。

反射行動の中には日常生活では見られない行動、奇異であり不思議な行動が見受けられる。フロイトの報告によれば、普段聞きなれているのだが、発音できなかった(もしくは上手でない)外国語を突然、流暢に喋りだすという事例がある。また、睡眠中に突然起き上がり歩き回るが覚醒時にはその記憶が残っていないなど、その行動が顕著な場合に夢遊病と呼ぶことがある[要出典]。
夢のメカニズム

メカニズムについては不明確な部分が多く、研究対象となっている。例えば、夢は浅い眠りに陥るレム睡眠中に見るとされ、一般的にはノンレム睡眠時は発現されないと考えられていた。しかし、ノンレム睡眠時にも夢を見ると考える研究者も多く、そうした研究も続けられている[19]

夢を見る理由については現在のところ不明である。
夢の知覚

夢は、人によってさまざまであり、同一の人でも知覚する現象が千差万別である。尿意が夢に反映されやすいのは良く知られており、排泄に関わる夢を見て目が覚めたら、膀胱が限界に近かったという事例は非常にありふれている。夢の知覚には、性別や年齢によって傾向があるといわれる。夢では視覚だけではなく、聴覚触覚味覚嗅覚においても何らかの刺激を感じるといった報告がある。上記の通り、どの感覚においても、人によってさまざまであり、同一の人でも時には感じないこともある[要出典]。
夢の中での痛覚

夢の中では痛みを感じないと思われがちだが、夢の中でも痛みを感じることがある。睡眠中に外部から刺激を受けた時や、病気や怪我をしている時などに痛みを感じることがある。また、何の刺激も受けていないにもかかわらず、夢の中で痛みを感じることがある、その場合は過去に体験した痛みから夢の中でも同様に痛みを感じると考えられる[20]
覚醒や意識レベルと夢との関係

寝ながら見る夢では、その人の普段は抑圧されて意識していない願望などが如実に現れるケースも多いとされる。ただ、それらは誇張されていることも多く、結果的に現実としては不可解な現象で表現されることが多い。

また、普段の生活から興味がある現象について夢を見やすいといわれている。具体的にはに興味がある人は色が付いた夢を見る、などである。

覚醒時に考えていた(悩んでいた)事が影響するケースも多く、考えていたテーマに新しい着想を夢の中より得た事例もある。ブラム・ストーカーは、カニを食べ過ぎて悪夢を見て、これを元に恐怖小説『吸血鬼ドラキュラ』を書き上げている[21]。この他にも、重要な発見や発明、芸術作品など、夢で得たイメージを元としている事例は多い。
明晰夢

通常、夢を見ているときには自分で夢を見ていると自覚できないことがほとんどであり、覚醒するまでは夢であることが分からない。これに対し、夢の中でも自覚している現象を明晰夢と呼び、その場合には夢の内容をコントロールすることも可能であると言われる。このため、望むままに夢が変化することも多いため(現実ではないが)願望を叶えることができるとされる[要出典]。
白昼夢

白昼夢(白日夢)とも呼ばれる。目覚めていながら夢を見ているかのように現実から離れて何かを考えている状態をいう。空想や妄想と同様、夢を見ている自分を自覚できること、夢の内容を自分でコントロールすることができるという点で、通常の夢とは異なる[要出典]。
夢に関する文化

1月1日の夜から2日の朝にかけて見る夢または、2日から3日の朝にかけて見る夢を
初夢という。

@media screen{.mw-parser-output .fix-domain{border-bottom:dashed 1px}}寝言に返事をしてはいけないという俗信がある。答えてしまうとその人は目を覚まさないといわれている。[要出典]

夢日記 - 寝ている時に見た夢を記録した日記

民俗

ギリシアの医療施設アスクレペイオンでは、夢を見ることが治療の一環であった[22]

仏教では、夢の中で警告などが行われた[23]。また、古代中国などで占夢として、夢から啓示を受ける試みがなされた[24][25]


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