神経管形成の過程で、表皮層と深い神経管の間に神経堤細胞が配置される。神経管形成の進行は、一次神経管形成および二次神経管形成にわけられる。
一次神経管形成の時期、中胚葉の脊索細胞は、隣接する表層の外胚葉細胞に、信号を送り、自分自身を柱状のパターンに再配置させ、外胚葉の細胞にはたらきかけ神経板を形成させる。[6]脊索上の、外胚葉領域は、その形状が変わる。これに関わる特殊な細胞は、中央屈曲点(medial hinge point MHP)とよばれる、神経板の折れ曲がる部分にある。外胚葉は細長く伸び続け、神経板の外胚葉細胞が内側に折れる。主に細胞分裂の影響により、外胚葉の内側に折りたたみが継続される。その後、背外側屈曲点(dorsolateral hinge point DLHP)とよばれる場所の細胞が誘導され、外胚葉の内側への折りたたみを促し、神経板の端がつながり神経管となる。
二次神経管形成では、神経管は、内部に空間ができ、中空のチューブ状になる。
器官発生 OrganogenesisEctodermal specification
神経系、歯、髪と多くの外分泌腺などは外胚葉からできる。外胚葉からできるすべての器官は、隣接する二つの組織の層(上皮と間葉 epithelium and themesenchyme)からできる。[7] hedgehog familyに属する調節遺伝子、FGF、TGFβ、Wntなどが、外胚葉の器官形成を媒介する。[8] FGF-9は、歯胚発生の開始時に重要な因子である。上皮陥入中の率が大幅にFGF-9の作用により増加する。FGF-9は、間充織ではなく、上皮のみで発現される。FGF-10は、より大きな歯胚を作るために、上皮細胞増殖を刺激するのに役立つ。哺乳類の歯は、間葉由来外胚葉(口腔外胚葉と神経堤)から発生する。組織層から連続的に成長している歯の形成のための上皮の幹細胞は、星状胞体(stellatereticulum)と表面外胚葉の上基底層(suprabasal layer)とよばれる。[8] 外胚葉異形成は、外胚葉由来の組織グループ(特に歯、皮膚、髪、爪や汗腺)が発達異常を起こす稀ではあるが重篤な状態である。外胚葉異形成の170以上のサブタイプがあるので、外胚葉異形成は漠然とした用語である。疾患は、突然変異または遺伝子の突然変異のいくつかの組合せによって引き起こされることがわかっている。病気の研究は現在進行中であり、同定されている外胚葉異形成症のサブタイプに関わる変異のほんの一部についてしか研究されていない。[9]常染色体優性の外胚葉異形成症(HED)の様々な症状に苦しんでいる、北スウェーデンの5歳の女の子の歯科異常。a)口腔内の写真。上顎切歯が復元されていることに注意。 b)レントゲン写真は、同じ患者の顎に主要な10乳歯と11永久歯が欠けていることを示している。 外胚葉異形成症(Hypohidrotic ectodermal dysplasia HED)は、この疾患の最も一般的なサブタイプである。この患者は、さまざまな症状が出る。 HEDの一般的な異常の一つは、発汗減少症、または機能不全の汗腺に起因し汗がでない。患者は、温熱療法は避けるべきであり、暖かいと特に危険である。 顔の奇形もHEDに関連する。傷ついていたり、歯が欠けていたり、目の周りのしわ、皮膚、少なく細い髪、奇形鼻などもHEDに関連している。湿疹のような皮膚の問題が、場合によって観察されている。[10] それは、典型的には、EDA遺伝子はX染色体上にあり、劣性遺伝をする。[11] この疾患の患者は、一般的に男性である。なぜなら、男性はX染色体をひとつしか持っていないからである。女性がこの疾患になるには、両方のX染色体に遺伝子変異がなくてはだめで、女性ではまれである。女性の1つのX染色体上の遺伝子が変異している場合、この病気にはならないが、子どもに影響がある可能性があると考えられる( キャリアの疾患)。
臨床的意義
外胚葉異形成(Ectodermal dysplasia)
参照
外胚葉の仕様
Coelom
発生学
内胚葉
Gastrulation
中胚葉
神経板
参考文献^ Langman's Medical Embryology, 11th edition. 2010.
^ a b c d e Gilbert, Scott F. Developmental Biology. 9th ed.
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