外国語学部
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学科・専攻、他学部との関係
学科・専攻@. 専攻語・専攻地域の名称が、そのまま学科・専攻課程の名称となるタイプA. 対象とする専門領域が学科・専攻課程の名称となるタイプのいずれかに大別される。多くは@タイプだが、入学段階で専門領域が、ある程度絞られている場合Aタイプが設置されるケースもある。また近年、外国語大学が「既存の外国語学部を他名称の学部に改革するケース」や「外国語学部以外の学部を新設するケース」などが見られるが、「外国語大学」の場合、大学全体が「外国語学部」としての機能・役割を果たしていると言える[注釈 7]。 学科・専攻過程の名称が専攻語 (もしくは地域) 以外の例[17]東京外国語大学[18]・・・言語文化学部国際社会学部国際日本学部獨協大学・・・交流文化学科 (観光学文化移動)・神戸市外国語大学・・・国際関係学科北九州市立大学・・・国際関係学科・愛知県立大学・・・国際関係学科・杏林大学・・・観光文化交流学科名古屋外国語大学・・・世界教養学部世界共生学部京都外国語大学・・・国際貢献学部 (地域コミュニティ観光学) 学科・専攻課程が別学部として独立した例・上智大学 総合グローバル学部・・・旧 外国語学部副専攻・上智大学 国際教養学部・・・旧 外国語学部比較文化学科・獨協大学 国際教養学部・・・旧 外国語学部言語文化学科・京都外国語大学 国際貢献学部・・・旧 外国語学部国際教養学科
他学部との関係外国語学部は、その学際的性質から他学部と混同されやすい[19][20]

国際関係学部 & 文学部 & 観光学部 & 教養学部 など
前述の通り、上記学部とは専門領域として扱うテーマや、そのアプローチ方法 (学際系リベラル・アーツ) が類似している。しかし、外国語学部が「的確な言語運用能力を学びの土台」としているのに対し、他学部は「諸理論や研究方法に重点を置いている」[21]点において、根本的な目的が異なると言ってもよい。外国語学部が「実用語学のエキスパート」として「豊かな教養に裏打ちされた語学力」[22]を目指し各専門領域を学ぶのに対し、他学部は「実用語学は、あくまで専門分野をより深く理解するための1要素」[23]と位置付けている。[24]国際基督教大学 (ICU)の様な英語教育が非常に充実している教養学部との比較においても同様であり、ICUにおける英語教育 (ELA : English for Liberal Arts Program) は高等教育機関における学びを英語で行える様になることを目的とした物で、特に読み書き (論文読解・作成) に重点が置かれ、主に1年次に集中して行われる[25]。一方、上智大学獨協大学の外国語学部英語学科では、グローバルビジネスなども含めた、世界のあらゆる場所で活用できる、より総合的な卓越した英語力の習得を目指している。「受動的言語活動 (Listening・Reading)[26]」「産出的言語活動 (Speaking・Writing)[27]」を基礎に、「相互行為活動[28]」「仲介活動[29]」などの応用訓練までが、4年間を通じて徹底して行われる[30]

国際教養学部
2000年代半ば以降、国際教養大学を始め、多くの大学が、一般の学生を対象に英語のみで行われるリベラル・アーツ系学部を乱立させている。実用英語を重視するという点で「外国語学部英語学科」と比較されやすいが、「外国語学部の教育は、日本語(母語)運用能力を基盤に行われ、日本語による高度な学びの機会も提供される」点で異なる[注釈 8]。外国語学部では、実用語学のエキスパートとして、「豊かな教養・深い思考力」を身に付けることも目的としており[31]、日本語での教育・日本語能力 (母語) の養成も重視されている[32][33]。言語処理と思考は互いに干渉しあい、習熟レベルが十分でない外国語を使う際は、認知能力が低下する。 (外国語副作用)[34]その為、英語が学習言語 (CALP) として習熟していなければ、英語で学んでも効率的な知識の習得や、思考力の強化は期待できない。一方、母語で学んだ思考概念を外国語に転移することは可能である[35]。また、それにより、成人でも母語で培った言語力を土台にして、自由に外国語を運用する能力を獲得することも可能である[36]翻訳通訳に関する教育・研究も、国際教養学部ではなく、外国語学部で行われる[37]。もともと英語のみで教育を行う高等教育機関は、上智大学国際部 (現・国際教養学部) が、米国の外交官や軍関係者の子女など、日本在住の英語母語話者に対して、英語による高等教育の機会を提供したのが始まりだった。[38]
その他
目的とする人材養成

外国語と母語双方の高度な運用能力を有し、異文化多様性を理解し、様々な背景を持つ人々と協調し、複雑化した課題に取り組める人材[39][40]

国際職業人
国際的に展開する企業外交官などの国家公務員翻訳通訳観光運輸関係の企業文化事業の企画に関わる職業外国語教育日本語教育に関わる職業新聞社・放送局などのマスメディア国際機関国際的NGOなど[41]

高度な外国語運用能力を駆使した言語地域に関する研究者[42]

外務省専門職員
対象地域の言語・文化・経済・条約等のスペシャリストであり、第一に「高い語学力」更に「総合的な資質(文化・宗教など社会的背景・価値観が異なる人々とも交渉できるコミュニケーション能力など)」が求められ、本学の学びと直結している職業であるとされる[43]。実際に本学部出身者が多い[44]

留学

異文化五感で感じる」「自らがマイノリティになる」など有益な学びを得られる機会として、本学部を持つ大学の多くが、学生の海外留学支援に力を入れている。国際教養学部同様に、半年?1年の留学を必須としている大学も多い (関西大学麗澤大学帝京大学目白大学など)。これらのケースでは各大学への授業料とは別途に留学費用が必要となる。
その一方で、「留学は限られた学生にのみ可能な選択肢。留学しなくても学生生活の中で、高度な語学力や国際的視点を養える環境作りを行うべき[45]」(獨協大学)とし、正課教育や学内環境の充実に努める大学や、「語学は留学しなくても可能」とした上で、日本で学ぶメリットなどと共に「あえて留学しない選択[46]」(上智大学)も提示している大学もある。


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