声楽
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コロラトゥーラ[5]・ソプラノ劇的表現のためのトリルや跳躍音程を埋める速い走句などを声を転がすように歌う技術(アジリタ agilita)を用いる声種。最高音は時に三点ファ(通称ハイF)に達する。
ソプラノ・レッジェーロ軽くて高い声。高音域や細かい技巧的な歌を得意とする。コロラトゥーラ・ソプラノとして活躍する場合もある。
ソプラノ・リリコ・レッジェーロレッジェーロとリリコの中間の声。スーブレットと呼ばれる機知に飛んだ小間使い役もこの声の役どころである。
ソプラノ・リリコ最も一般的なソプラノの声。叙情的で表情豊かな声で、オペラにおいてはこの声の役が一番多い。
ソプラノ・リリコ・スピントリリコよりも力強く強靭な声。ヴェルディ後期からヴェズリモ・オペラの作品に多く登場する声。
ソプラノ・ドラマティコスピントよりも強靭で重量感のある声。ワーグナーやリヒャルト・シュトラウスなどドイツ・オペラに登場する重量感のある声。
ソプラノ・ドラマティコ・ダジリタドラマティコの声でありながら、アジリタの卓越した技巧を駆使してコロラトゥーラの速く細かい音符を歌うことができる声。マリア・カラスがこの声である。

メッゾ・ソプラノ

(mezzo soprano)声の特徴
メッゾ・ソプラノ・リリコ 比較的軽い声で、ソプラノより少し暗い音色となる。コロラトゥーラ(アジリタ)の超絶技巧を要求される役柄も多い。
メッゾ・ソプラノ・ドラマティコ比較的太くて厚みのある声。ドラマッティックな表現を得意とする声。

アルト(コントラルト) contralto   声の特徴
アルト        

(コントラルト)  女声の中で最も低い音域を歌う声。この声をもつ歌手はあまりいないので、メッゾ・ソプラノの歌手がアルトの役を歌う場合もある。

テノール(tenore)  声の特徴
テノーレ・レッジェーロ最も軽く高い響きのテノールの声。コロラトゥーラ(アジリタ)の超絶技巧が要求される役や、繊細な表現が求められる役がある。
テノーレ・リリコ最も一般的なテノールの声。役柄が一番多く、表情に富んだ叙情的な旋律を歌う。
テノーレ・スピントリリコよりも重みがあって、輝かしく強靭な声。
テノーレ・ドラマティコ最も重量級の強靭な声で、ドラマティックな表現を得意とする。その中でもワーグナーの楽劇を歌う歌手をヘルデンテノールと呼ぶ。

バリトン(baritono)声の特徴
バリトノ・リリコテノールとバスの中間の音域で、抒情的で美しい旋律を歌うことを得意とする声。            
バリトノ・ブッフォオペラ・ブッファ(喜歌劇)において比較的軽い声で早口で歌うことを得意とする声。
バリトノ・ドラマティコ強靭な声でドラマティックな表現を得意とする声。

バス(basso)声の特徴
バッソ・ブッフォコミカルな役を得意とする。
バッソ・カンタンテ抒情的で美しい旋律を得意とする。
バッソ・プロフォンド深い音色で低い音域を得意とする。

【備考】

ロッシーニの時代のソプラノの声種としてソプラノ・ドラマティコ・ダシリタ(soprano drammatico d'agilita)が使われてきたが、最近の研究においては、ソプラノの声質だが低い音域も歌い、ドラマティックなアジリタに加えてロッシーニのメッゾ・ソプラノやアルトの役も歌える声として、ソプラノ・スフォガート(soprano sfogato)と分類される場合もある。また、これとは逆に、コントラルトの声質をもちながら2点シまで歌い、アジリタを駆使して華麗なコロラトゥーラを聞かせる声としてメッゾ・コントラルトがあった。

同じくロッシーニの時代のテノールにおいては、バリトン的な声質でありながらテノールの音域を輝かしい声で歌いアジリタも聞かせる声としてバリテノーレがあった。これに対し通常のテノールよりテッシトゥーラが高く軽い声でアジリタを聞かせる声としてテノーレ・コントラルティーノ(tenore contraltino)があった[6]
声楽の種類

独唱

斉唱

重唱

合唱

伝統的な日本音楽における声楽

声楽は、伝統的な日本音楽(邦楽)において、その大部分を占めている[7]。日本音楽における声楽は、「歌いもの」と「語りもの」に大きく分けられる[7]

「歌いもの」は、旋律やリズムなど、その音楽的要素が重視される楽曲であるのに対し、「語りもの」は詞章が何らかの物語性をもつ楽曲であり、語られる内容表現に重点が置かれる音楽である[7]
脚注[脚注の使い方]^ a b 『新明解国語辞典』(2010)
^ a b 『旺文社国語辞典』(1965)
^ 石多 (2004)
^ “ ⇒声の種類について”. テノール歌手 酒向隆憲 TAKANORI SAKO TENORE. 2022年8月20日閲覧。
^ coloratura:イタリア語で色付け、脚色、彩色などの意味
^ “研究・論文・論考(2)ベルカント、歌手と歌唱、演奏解釈”. akira642 ページ!. 2022年8月20日閲覧。
^ a b c 薦田 (1990) p.116

参考文献

松村明・山口明徳・和田利政編『旺文社国語辞典』1965年2月。[要検証 – ノート]

薦田治子「平曲の旋律-〈卒塔婆流〉」山川直治編集『日本音楽の流れ』音楽之友社、1990年7月。ISBN 4-276-13439-0

石多正男「声楽」小学館編『日本大百科全書』(スーパーニッポニカProfessional Win版)小学館、2004年2月。ISBN 4-09-906745-9

山田忠雄ほか編『新明解国語辞典』三省堂、2010年1月。ISBN 978-4-385-13144-3

関連項目

発声法

ベルカント

ボイストレーニング

ディクション

典拠管理データベース
国立図書館

スペイン

フランス

BnF data

ドイツ

イスラエル

アメリカ

日本

チェコ

2


その他

公文書館(アメリカ)


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