声優
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特に『アベンジャーズ』ではキャスティングの変更などに対する批判のコメントがAmazon.co.jpの本作品のレビュー欄に殺到する事態となった[249]2012年(平成24年)公開の映画『プロメテウス』の主人公エリザベス・ショウ役の吹き替えにタレントの剛力彩芽が起用された際、ソフト化に際して変更もなかったため『エイリアン』シリーズのファンなどから酷評され、Amazon.co.jpのレビューが炎上した[250]

劇場公開版では芸能人や芸人が吹き替えを担当した作品のうち、『じゃりン子チエ』のように、テレビアニメ化の際に一部キャストは声優に変更しているものや、『ターミネーター3』や『サイレントヒル: リベレーション3D』のように、ソフト版では声優に差し替えて収録する場合もある。また、『X-MEN:フューチャー&パスト』のように、新規バージョンをソフト化する際に収録し直す例もある。

2004年(平成16年)公開のアニメ映画『イノセンス』では、プロデューサーの鈴木敏夫が大物俳優の起用を立案し、草薙素子役を田中敦子から山口智子に変更しようとしていたが、スケジュールの都合に加えて「できあがっているイメージを変えるべきではない」と出演を固辞した山口と、監督や声優陣の反対により田中が続投したということがあった。

オリコンスタイルで「タレント(芸能人や著名人など)を声優に起用するべきか、それともしないべきか」というアンケート調査を2014年(平成26年)に行ったところ、ほぼ半々に意見が分かれた[251]

2020年(令和2年)に大ヒットを記録した『劇場版 鬼滅の刃 無限列車編』では、新登場したキャラクターも含め全員を声優で固めており、タレントを起用せずともヒットすることを示した[252]
声優による他分野での活動
芸能活動

2000年代以後、声優が歌手や俳優(特に舞台)など、ほかの分野での芸能活動をすることが特に顕著になった。

声優がほかの分野での芸能活動をする例のひとつとして、俳優活動が挙げられる。理由として「声優さんには『ああ、あの声の人だ』という知名度ならぬ『知声度』があるので、仮に顔がいまいちわからなくても、『声』がわかったときの感動や話題性があるから」が挙げられる[253]

ただし、キャラクターと声優の間に相関性を構築し、その結びつけをする役割を果たす媒介として、これまでは声が最も大きな役割を果たしてきたが、2007年(平成19年)のブシロードなど、後にメディアミックスを展開する企業も設立されて以降はさらに進んで、アニメやコンピュータゲーム作品そのもの単体で行われるのではなく、作品に関わるイベント出演(顔出し)やラジオなどの要素も色々用いて結びつけが行なわれていく。アニメの視聴者はキャラクターの声を演じる声優であるという認識をしていることが前提となることで、以降から声優とキャラクターを結びつける要素は声だけではなく、視覚的要素と特定の声優個人についての認識に依るものになっている[注 22]

他方、俳優活動の中でも、舞台での活動と両立する声優が少なくないが、理由として「舞台はやり直しができず、実際にその芝居や息づかいが観客に見られていることで、それが声の芝居に生きるから」などが挙げられている[注 23]

田中真弓は現在も舞台を手がけており、てらそままさきも俳優活動と並行して特撮キャラクターのアテレコを行っていたほか、中田譲司も元々俳優業に力を入れていた。

また、声優が歌手などの活動と両立させる例が、特に2000年代以後に顕著になっているが、これについては下記の節にて述べる。

2014年(平成26年)にはオスカープロモーション青二プロダクションが共同で開催した容姿と声の2つの要素に ""「美しさ」を兼ね備えた女優・声優を発掘する"" 「第1回全日本美声女コンテスト」が開催された。おもな出身者に漫画家アイドルとして活動する辻美優花房里枝ピアニストファッションモデルなどの活動をする入江麻衣子が挙げられる。

栗林みな実桃井はるこ牧野由依など、他の声優に楽曲を提供するソングライターをしている例、白壁爽子、伊藤しずなはグラビアアイドル活動と、榊原ゆい能登有沙振付師モーションアクターとしても活躍している。

この他、野村道子、豊崎愛生や斉藤朱夏などが務めた、朝の情報番組でのお天気お姉さんというのもある。

また声優は#ナレーション・アナウンスにあるとおりCMの仕事も従来は当然ながら「声」を使ったものが主であったが、演者としての顔出し出演や白井悠介のようにダンスをするキャストとして起用されるなどの場合もある。

お笑い方面へは、声優としてデビューした後芸人に転向しつつ声優活動もこなす、こやまきみこ(お笑い芸人としてネタ見せをする際には「きみきみ」名義)の例があった。NSCに入学し、2010年(平成22年)には吉本興業に移籍するなどで2011年(平成23年)まで芸人活動を行なっていた。また六代目三遊亭円楽を父に持ち、落語家活動も行っているが青二プロに所属し声優業をする会一太郎(高座名は三遊亭一太郎)もおり、塩屋翼や木村昴も噺家の高座名を持っている。

声優もSNS活動の他、YouTuber活動として専用チャンネルを開設し配信を行っているものも幾人かある。例えば花江夏樹や杉田智和のチャンネルは登録者数も数百万人を超えているほど人気を博す。

歌手などの活動と両立させる声優について、「アイドル声優」あるいは「声優アーティスト」と表現する例が多い。
アイドル声優

アイドル声優とは、第3次声優ブームと称されていた1990年代半ばごろから出てきた俗称。このころにはボイスアイドルとも呼ばれた[254]

本業にとどまらず、歌を通してそのCDを発売、ライブを開催するなど歌手活動をする、声優専門誌や漫画雑誌などのグラビアに登場する、写真集やイメージビデオを発売しCMに出演する(これはいわゆる「Web CM」を含む)プロモーションビデオを制作するなどといったアイドル的活動を行う声優を指すことが多い。


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