士官
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かつては自衛隊の幹部候補生採用試験も大学卒業が受験資格とされていた。その他一般大学在学中の学生に士官としての教育を行う制度もある(ROTC)。先進国軍隊では高学歴化に伴いこのような士官の採用区分の多様化が進んでおり、アメリカ軍の士官は士官学校卒業者より一般大学出身者が多くなるに至っている。国民皆兵制度を維持している国では、徴集兵の中から選抜して士官候補者とする国もある。また、医師パイロット弁護士など養成に時間のかかる職種は士官待遇、高度な技術者は士官に近い待遇の特技兵や技術将校として採用する枠を別途用意している国が多い。アーサー・C・クラークは第二次世界大戦時に動員された当初伍長だったが、レーダー技術者として評価され復員時には技術将校(大尉)となっていた。

下士官以下とは福利厚生面で待遇が異なり、一定規模の基地や駐屯地には幹部専用の食堂や士官室(Wardroom)が設けられていることが多い。小型艦艇や潜水艦は狭いため食堂は共通であることが多いが、空母などは余裕があるため地上基地と遜色ない士官室が用意され、食堂で提供されるメニューも異なる。ただし自衛隊では隊員の食事は階級にかかわらず同一である。陸上・航空自衛隊では幹部用(幹部食堂)と曹士用(隊員食堂)は大部屋をパーティションで区切り、椅子やテーブルを木製にしただけの駐屯地・基地が多い。海上自衛隊では、陸上部隊・航空基地等は陸上・航空自衛隊と同一であるが、艦艇においては配食の際、士官室を食堂として使用し喫食する。また艦艇では、メニューは曹士と同一であるものの、専用食器に盛り付けがなされた上で(曹士はセルフサービス形式である)「役員」と呼ばれる当番業務を行う海士が、給仕を行う。一方でアメリカ軍のように給食が有料となるなど、貴族が戦争費用を自己負担していた時代の名残も残っている。

なお、冷戦下での東側諸国においては共産党が軍隊を掌握するために政治委員を各部隊に配属して、党の利益を擁護する見地から部隊指揮官を監視していた。この政治委員を政治将校と呼ぶ場合もある(詳しくは政治将校参照)。
自衛隊第1種礼装夏服を着用した海上自衛隊幹部

日本の各自衛隊においては士官に相当する地位の者を幹部自衛官(かんぶじえいかん)と呼称する。ただし海上自衛隊ではその生い立ちから旧海軍譲りの士官という語を用いることも多く、自衛隊の中で唯一正式名称として士官と呼称することがある。例えば、士官室、当直士官、副直士官、警衛士官、甲板士官、機関科副直士官、係士官など艦内編成において多く用いる。

の各自衛隊では、防衛大学校を卒業した者、または各自衛隊の幹部候補生採用試験の合格者等を各幹部候補生学校で数か月から1年程度教育した後に3尉に任用することが最も一般的である。

幹部自衛官は、陸上では職種、海上・航空では特技に分類されるが、一般の幹部自衛官と、医官歯科医官薬剤官看護官たる幹部自衛官や音楽科の幹部自衛官等で、法令上の権限等の差は設けられていない。

なお、自衛隊の前身たる保安隊では「幹部保安官」(かんぶほあんかん)、警備隊では「幹部警備官」(かんぶけいびかん)とそれぞれ呼称した。
幹部自衛官の宣誓

士・曹から幹部自衛官(旧軍でいう尉官)に昇任する場合、自衛隊法施行規則第42条に則り、以下のような宣誓書に署名捺印を行い、宣誓をする。私は、幹部自衛官に任命されたことを光栄とし、重責を自覚し、幹部自衛官たるの徳操のかん養と技能の修練に努め、率先垂範職務の遂行にあたり、もつて部隊団結の核心となることを誓います。
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