その後も不二子への思いが強かった増山は、『TV第2シリーズ』放送前のオーディションに参加[注 3]。見事不二子を担当することになったという[41]。
『パイロットフィルム』が一般に知られていなかった当初は、「何故不二子が二階堂さんじゃないんだ」という抗議の投書が殺到した。日本テレビのスタッフからこれを聞いた増山は、「どうあがいても二階堂さんにはなれないから、私の持ち味でやるしかない」と発奮して演じ続けたという[19]。
増山は「不二子はすべての理想を兼ね備えた女性であり、いつも憧れている」と語っており[42]、不二子のファンは女性が圧倒的に多いと語っている[41]。ルパンについては、裏切っても不二子のことを想う所が「男性の可愛さみたいで、好きですネ」と語っている[43]。
不二子を演じる際は「健康的な色気」を意識していたといい、「絵がセクシーなだけで、言動はそこまで色っぽさが無い」「あの人(不二子)自身が色っぽい訳ではなく、仕掛けや武器として色気を使っている」と考えていた[38][44]。また、作品によってキャラクターデザインが変わりそれらの要素も異なる部分は、「泥棒のように手を変え、品を変え。相手によって芝居を変える」役者としての自身と重なり面白かったという[44]。
自身が演じた中で思い出深いルパン作品には『ルパン三世 カリオストロの城』を挙げている。増山自身は、『カリオストロの城』での不二子の勇ましさに「これが不二子の本当の姿じゃないか、ベースはこれなのかもしれない」と感じたことを明かしているほか、クラリスに「捨てられたの?」と聞かれた不二子が「ううん、捨てたの」と答える場面が好きだと話している[44]。
2019年に原作者のモンキー・パンチが死去した際は、「役者は作品との出会いが全てです。私の財産となった『峰不二子』に出会えたこと。モンキー・パンチ先生に感謝しています」とコメントしている[45]。 『天才バカボン』はこれまでに5回テレビアニメ化されているが、主要キャストが変わる中、バカボンのママだけは4作目『レレレの天才バカボン』まで一貫して増山が演じていた。これは原作者である赤塚不二夫の希望であり、4回目のTVアニメ化に際して、赤塚からの唯一の希望が「ママの声だけは(増山から)変えないで欲しい」だったという。それまでに増山以外の声優が演じたのは1作目の第70話「パパとママがけんかをしたのだ」の1回だけ北浜晴子が代役で演じたのみである[20][注 4]。 増山は私生活でも母親だったことから、ママ役を抵抗もなく自然と演じることができたという[46]。また、初めてママの絵を見た際「私、絶対ピッタリだわ」と思ったという ある番組の収録で青梅赤塚不二夫会館(2003年10月-2020年3月運営)へ行った際、壁に様々な赤塚のコメントが貼ってある中で実際に「ママは絶対増山さんじゃなきゃダメだ」と書かれているのを見つけた時は、「自分が勝手に言ってる訳ではなく、本当に原作者である先生に認められていた」という気持ちで、とてもうれしかったという[47]。 『ひょっこりひょうたん島』ではテケ役を演じた。当時は少年役にキャスティングされることなど想像もつかず「プリンちゃんかしら、チャッピーかしら」と女の子役だと思い込んでいたところ、NHKのプロデューサーに「いえ。男の子のテケですよ」と告げられ「エエーッ!私、男の子の役なんて、やったことないんです……」と思わず言ってしまったという[14]。しかし、演じていたところ意外に楽しく、後に「やらせていただいて良かった」と述べている[14]。 演じていて楽しかったキャラクターに『オバケのQ太郎 (アニメ)』のU子役を挙げている。それまで自身が演じたことのないようなキャラクターだったため、第一声を発した際は「こういう風にやるのか、と録音スタッフがひっくり返った」と冗談交じりで述べており「それまでのキャリアと異なる新しい役作りの楽しさ、声の仕事の醍醐味を再認識した作品」としている[48]。 太字はメインキャラクター。
バカボンのママ
その他作品
出演
テレビアニメ
1963年
エイトマン(まなみ)
鉄腕アトム (アニメ第1作)(ルシア、キピア、ユミ(127話)、ロビエット(148話)他)
1965年
ジャングル大帝
スーパージェッター(ナナエ)
遊星少年パピイ(リコ)
1966年
新ジャングル大帝 進めレオ!(ルッキオ[49])
ハリスの旋風(国松の母[50])
遊星仮面(ベルタ・ヘレン・アンドロメダ)
1967年
悟空の大冒険(竜子)
魔法使いサリー(第1作)(ゆみ子)
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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
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