塩辛
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その他 - マグロサバシラウオカキサザエシャコガイトコブシホタテのヒモなど、多種ある。
朝鮮半島詳細は「チョッカル」を参照

朝鮮ではチョッカルまたはチョッと称し、キムチを漬ける際の調味料として欠かせないものである。もちろん、そのまま食卓にも並ぶ。以下に代表的な例を挙げる。

セウジョッ(???)- 小エビの塩辛。キムチ、豚肉料理に使われる。

ケジャン(??)- カニの塩辛。

ミョルチジョッ(???)- カタクチイワシの塩辛。

チャリヂョッ(???)- スズメダイの塩辛。

チョギヂョッ(???)- イシモチの塩辛。

カルチジョッ(???)- タチウオの塩辛。キムチを漬けるときに使われる。

ソンゲジョッ(???)- ウニの塩辛。済州島でクサルと呼ぶウニを使用して作る。

チャンナンジョッ(???)- タラの胃袋の塩辛。日本ではチャンジャとも呼ばれる。

チョゲジョッ(???)- 貝(主にアサリ)の塩辛。

エッチョッ(??)- チョッカルの上澄み液

ミョンナンジョッ(???)- たらこを原料とする

オリグルジョッ(????)- カキを原料とする

オジンオジョッ(????)- イカを原料とする

アガミジョッ(????)- たらのえらを原料とする

コルトゥギジョッ(????)- ベイカ(小型のイカ)を原料とする

ジョンボックジョッ(???)- アワビを原料とする

近年はキムチ塩辛なども販売されている。
東南アジア詳細は「シュリンプペースト」を参照

魚醤と同様の製造過程のオキアミやエビを発酵させたペーストまたは固形の調味料が東南アジアで使用される。それらは、日本のアミの塩辛とは異なり、原形がない。
イカの塩辛イカの塩辛

細切りにしたイカにその肝臓と食塩を加えて時折攪拌しながら漬け込んだ発酵食品である[14]。原料はスルメイカを使うことが多い[14]

伝統的なイカの塩辛は、大きく分けて以下の3種類に分類できる[15]

白作り - 皮を剥いだイカ肉(と地域により肝)に塩を加えて発酵させたもの。肝なしだと見た目は刺身に近い。白い。

赤作り - 皮がついたままのイカ肉と肝(内臓:中腸腺)、塩を加えて発酵させたもの。仕上がりは赤茶色。

黒作り - イカ肉にイカスミ、塩を加えて発酵させたもの。仕上がりはい。

簡易製法では、イカ肉と内臓を別々に塩蔵しある程度熟成(3日程度)したところでイカ肉と内臓を混ぜる[16]。肝臓の添加量は3?10%程度[17]

イカの塩辛の発酵は耐塩性乳酸菌[18]など複数の細菌[5]による働きに加え、内臓(おもにイカゴロと呼ばれる中腸腺)に含まれる消化酵素によって自己消化が起こり、アミノ酸が生成する働きも重要な役割を果たしている。

塩分が高めで仕込期間が長い伝統的塩辛に対し、現代では低塩化が嗜好され仕込期間が短い低塩分塩辛が製造されるようになったが、後者はあえもの風の食品とされる[14]。塩分は伝統的な製法の場合8-15%程度、低塩製品は4-8%であるが、低塩製品では食品衛生上の問題を生じやすくなる[19][20]。なお、瓶詰めの塩辛として広く流通している桃屋の製品の場合、伝統製法同様に17%の高い塩分濃度となっている。そのため、保存料を使用せずとも未開栓状態では常温保存が可能となっている。
アミの塩辛アミの塩辛「シュリンプペースト」も参照

アミの塩辛は、東アジア各地(日本の有明海沿岸、韓国中国香港長洲島マカオなど)で作られ調味料として使用される。ここで多用されるのはアキアミやその近縁種だが、これらは厳密にはアミではなくエビの仲間である。イサザアミアミ目)やツノナシオキアミオキアミ目、別名イサダ)などの塩辛も存在するが、アキアミほど流通していない。

韓国ではセウジョッ(???)といい、キムチを漬ける際に、発酵を促進し、アミノ酸のうま味を加える目的で使われる。

香港のものは「蝦醤」(ハージョン)といい、野菜の炒め物やスープの調味に使われる。中国浙江省寧波では、ゆでた里芋につけて食べる。

フィリピンではバゴーン(bagoong)といい、料理の調味に使われる。特にカレカレの調味には欠かせないとされる。
食べ方

居酒屋などではそのまま、あるいは大根おろしなどと合わせ酒肴として出す店が多い。家庭では、ご飯にのせて食べたり、茶漬けにする例がある。蛋白質が分解されてアミノ酸を生じ、旨みを含むことから、鍋料理などの隠し味として加える例もある。北海道では蒸かしたジャガイモにイカの塩辛を乗せて食べることもある。
脚注[脚注の使い方]
出典^ 文部科学省 「日本食品標準成分表2015年版(七訂)」
^ 厚生労働省 「日本人の食事摂取基準(2015年版)」
^ 五訂増補日本食品標準成分表
^ 五訂増補日本食品標準成分表 脂肪酸成分表編
^ a b 藤井建夫、松原まゆみ、伊藤慶明 ほか「いか塩辛熟成中のアミノ酸生成における微生物の関与について」(『日本水産学会誌』60巻2号 、1994年) P.265-270, doi:10.2331/suisan.60.265
^ 西村昌彦、信濃晴雄「スルメイカ塩辛の菌相特性に及ぼすトリメチルアミンオキシドの影響」(『日本水産学会誌』57巻6号、1991年) p.1141-1145, doi:10.2331/suisan.57.1141
^ a b c d 今田節子、藤田真理子「保存食「塩辛・魚醤」の伝統的食習慣とその地域性 魚食文化に関する研究 (第3報) 」(『日本家政学会誌』54巻2号、2003年) P.171-181, doi:10.11428/jhej1987.54.171
^ 香西みどり「日本の米と食文化 」(『比較日本学教育研究センター研究年報』5号、2009年) p.63-73, .mw-parser-output cite.citation{font-style:inherit;word-wrap:break-word}.mw-parser-output .citation q{quotes:"\"""\"""'""'"}.mw-parser-output .citation.cs-ja1 q,.mw-parser-output .citation.cs-ja2 q{quotes:"「""」""『""』"}.mw-parser-output .citation:target{background-color:rgba(0,127,255,0.133)}.mw-parser-output .id-lock-free a,.mw-parser-output .citation .cs1-lock-free a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/6/65/Lock-green.svg")right 0.1em center/9px no-repeat}.mw-parser-output .id-lock-limited a,.mw-parser-output .id-lock-registration a,.mw-parser-output .citation .cs1-lock-limited a,.mw-parser-output .citation .cs1-lock-registration a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/d/d6/Lock-gray-alt-2.svg")right 0.1em center/9px no-repeat}.mw-parser-output .id-lock-subscription a,.mw-parser-output .citation .cs1-lock-subscription a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/a/aa/Lock-red-alt-2.svg")right 0.1em center/9px no-repeat}.mw-parser-output .cs1-ws-icon a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/4/4c/Wikisource-logo.svg")right 0.1em center/12px no-repeat}.mw-parser-output .cs1-code{color:inherit;background:inherit;border:none;padding:inherit}.mw-parser-output .cs1-hidden-error{display:none;color:#d33}.mw-parser-output .cs1-visible-error{color:#d33}.mw-parser-output .cs1-maint{display:none;color:#3a3;margin-left:0.3em}.mw-parser-output .cs1-format{font-size:95%}.mw-parser-output .cs1-kern-left{padding-left:0.2em}.mw-parser-output .cs1-kern-right{padding-right:0.2em}.mw-parser-output .citation .mw-selflink{font-weight:inherit}hdl:10083/33700
^ 低塩分塩辛の取り扱いについて 厚生労働省 食安監発第1200001号 平成19年12月10日
^低塩分塩辛などの取扱について 北海道 渡島総合振興局 2007年1月23日
^ 石毛直道『日本の食文化史』(岩波書店、2015年11月27日)
^ 川上行蔵『つれづれ日本食物史』第2巻 東京美術 ISBN 4-8087-0580-X


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