堆肥
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もみがらは稲わらに比べて堆肥化しにくく、C/N比調整の窒素源として家畜ふんを用いて腐熟を進行させる必要がある[6]
木質堆肥
せん定枝堆肥

リンゴなど果樹の剪定枝をチッパーで粉砕して窒素源として鶏ふんや石灰窒素を混ぜて堆肥化させたもの[6]
バーク堆肥

針葉樹のバークを原料にした堆肥で、腐熟が難しい堆肥原料であるが、保水力や保肥力など物理性の土壌の改良効果が高いため利用されている[6]。樹皮だけを発酵させたものと、樹皮に家畜ふんを加えて発酵させたものがある[1]
生ごみ堆肥

ゴミの減量化などを目的として、企業から排出される生ゴミを堆肥化する施設が建設されている。また、一般家庭でもコンポスターを使用して生ゴミの堆肥化が行われている。窒素・リン酸・カリウムの含有はやや低い[3]。さらに、生ごみと共に紙ストローや新聞紙、ティッシュ、段ボールなどをきめ細かくした紙ごみ(感熱紙、ノーカーボン紙、裏カーボン紙、防水加工のされている紙、粘着テープのついたもの、圧着ハガキ以外の紙ごみ)を、そのまま土に還す、もしくは水で少し湿らせて土に還すことができる[7]
堆肥の位置づけ
各有機質肥料

堆肥は動植物性の有機物を原料とする有機質肥料の一種である[8]。有機質肥料には他に動植物質肥料(魚粕粉末、菜種油粕、骨粉など)や有機副産物肥料(汚泥肥料など)もあるがこれらとは区別される[8]
下肥「下肥」も参照

下肥(しもごえ)は、ほとんどの場合、未加工の人間の廃物(人糞及び人尿)を肥料として用いることを指す。長年日本では野菜等連作を行う肥料として使用していたが、1935年には、神奈川県川崎市で水道水に肥料(糞尿)起源の赤痢菌が混入、大規模な赤痢感染を引き起こした(川崎市の赤痢[9]こともあり、病原菌等の拡散源になる可能性など衛生面でも問題視される。
厩肥

厩肥(きゅうひ)とは家畜などの糞尿や敷藁を原料とした肥料の意味である。

中世の日本では、武士が軍事用に飼育していた馬から排泄される馬糞を、自己や支配下の領民の田畑への肥料として用いていた。
Humanure

Humanureは農業用かその他の目的で、堆肥化されて再利用される人間の廃物を指す新語である。この語はジョセフ・ジェンキンズによるこの有機土壌改良剤の利用を説く1999年の本「Humanureハンドブック」によって知られるようになった。

Humanureは廃棄物処理施設で処理される古典的な下水とは異なり、(下水は工業やその他の発生源から出る廃棄物も含んでいる)糞尿、紙、及び追加の炭素を含む物質(おがくずなど)で構成される。

Humanureは人間から出た廃物が適切に堆肥化されている限りは、作物に用いても人体には安全である。これは、廃物が好熱性の分解が、有害な病原体を除去するまで十分に加熱する、及び/または、新しい肥料が加わってから微生物学的活動がほとんどの病原体を殺すのに十分な時間が経過していなければならないことを意味する。作物に用いても安全にする目的で、しばしば植物毒素を取り除くために二段階目の中温過程が必要になることがある。

Humanureは、下肥(作物に散布される未加工の人間の廃物)とは別のものである。
乾燥ふん

堆肥と同じ特殊肥料に分類されているため混同されやすいものに乾燥ふんがある[5]。乾燥ふんは家畜のふん尿を乾燥させたままの肥料で、易分解性有機物が多量に残存しており、堆肥と同じように使用すると作物の発芽や生育に悪影響を及ぼすことがある[5]。また、乾燥ふんは吸湿すると強烈な悪臭を発することがある[5]
堆肥の課題.mw-parser-output .ambox{border:1px solid #a2a9b1;border-left:10px solid #36c;background-color:#fbfbfb;box-sizing:border-box}.mw-parser-output .ambox+link+.ambox,.mw-parser-output .ambox+link+style+.ambox,.mw-parser-output .ambox+link+link+.ambox,.mw-parser-output .ambox+.mw-empty-elt+link+.ambox,.mw-parser-output .ambox+.mw-empty-elt+link+style+.ambox,.mw-parser-output .ambox+.mw-empty-elt+link+link+.ambox{margin-top:-1px}html body.mediawiki .mw-parser-output .ambox.mbox-small-left{margin:4px 1em 4px 0;overflow:hidden;width:238px;border-collapse:collapse;font-size:88%;line-height:1.25em}.mw-parser-output .ambox-speedy{border-left:10px solid #b32424;background-color:#fee7e6}.mw-parser-output .ambox-delete{border-left:10px solid #b32424}.mw-parser-output .ambox-content{border-left:10px solid #f28500}.mw-parser-output .ambox-style{border-left:10px solid #fc3}.mw-parser-output .ambox-move{border-left:10px solid #9932cc}.mw-parser-output .ambox-protection{border-left:10px solid #a2a9b1}.mw-parser-output .ambox .mbox-text{border:none;padding:0.25em 0.5em;width:100%;font-size:90%}.mw-parser-output .ambox .mbox-image{border:none;padding:2px 0 2px 0.5em;text-align:center}.mw-parser-output .ambox .mbox-imageright{border:none;padding:2px 0.5em 2px 0;text-align:center}.mw-parser-output .ambox .mbox-empty-cell{border:none;padding:0;width:1px}.mw-parser-output .ambox .mbox-image-div{width:52px}html.client-js body.skin-minerva .mw-parser-output .mbox-text-span{margin-left:23px!important}@media(min-width:720px){.mw-parser-output .ambox{margin:0 10%}}

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出典検索?: "堆肥" ? ニュース ・ 書籍 ・ スカラー ・ CiNii ・ J-STAGE ・ NDL ・ dlib.jp ・ ジャパンサーチ ・ TWL(2021年11月)

堆肥由来の雑草・害虫・病原菌の問題
家畜ふん堆肥に求められる安全性や品質に、堆肥由来の雑草・害虫・病原菌の問題がないことが挙げられる[5]。材料が雑草そのものである場合、堆肥化の過程で雑草種子が生き残ることがある場合がある。また、家畜糞が材料である場合、飼料中に混入している雑草種子が生存している可能性がある。雑草種子が生きている堆肥を施用した場合、圃場に雑草が繁茂する原因になる。家畜ふん堆肥のポイントとして堆肥化時に発酵温度が60℃以上が2日以上維持されていたことが目安とされている[5]
散布時の悪臭の問題
散布時の悪臭を防ぐため、未熟な堆肥を避けたり、乾燥しすぎず粉塵の少ない堆肥を用いることが好ましい[5]
未熟堆肥による障害
未熟な堆肥を施用すると様々な障害を及ぼす恐れがある。

窒素飢餓-堆肥の成分は、炭素と窒素の割合(C/N比)で評価される。未熟な堆肥は、炭素成分の分解が完全ではないため、土壌中に窒素飢餓を及ぼす恐れがある。

酸素障害-易分解性の有機物が完全に分解されていない堆肥を施肥すると、土壌中で有機物の分解が起こり酸素障害が作物の根や土壌生態系に大きな打撃を与える。


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