埼玉新都市交通伊奈線
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8.2NS09 丸山駅






9.4NS10 志久駅


10.5NS11 伊奈中央駅


11.6NS12 羽貫駅


12.7NS13 内宿駅


JR東:上越新幹線

新幹線の高架橋の脇を走る伊奈線の列車(写真中央部の黄色い列車が伊奈線。2009年撮影)加茂宮 - 鉄道博物館間の上り線。中央のビルがNTT東日本東大成ビルで、新幹線高架と近接している。国土交通省 国土地理院 地図・空中写真閲覧サービスの空中写真を基に作成

伊奈線(いなせん)は、埼玉県さいたま市大宮区大宮駅から、同県北足立郡伊奈町内宿駅までを結ぶ、埼玉新都市交通案内軌条式鉄道AGT)路線である[1]。ニューシャトル(英語: New Shuttle)の愛称が付けられている。駅ナンバリングで使われる路線記号はNS。
概要

東日本旅客鉄道(JR東日本)の東北上越新幹線が通過する、埼玉県さいたま市大宮区、同市北区上尾市、北足立郡伊奈町を結んでいる。また、さいたま市大宮区大成町にある鉄道博物館へは、鉄道博物館駅が博物館と一体型の最寄駅となっており、当路線が主要なアクセスルートとなっている。

開業した1983年当時は、ゴムタイヤ新交通システム (AGT) はまだ珍しく、特に首都圏では先駆的な路線である(首都圏のAGT路線は、前年開業の中央案内軌条式のユーカリが丘線が最初で、その後に側方案内軌条方式で当路線、西武山口線レオライナー金沢シーサイドラインゆりかもめ日暮里・舎人ライナーが開業した)。

路線と列車の愛称である「ニューシャトル」は、新しいを意味する「ニュー」と、往復する交通機関等によく使われる語である「シャトル」(機織りで横糸(緯)を通す器具であるシャトル〈杼=ひ・梭=おさ〉に由来する)を組み合わせたものである[2]
路線の特徴

路線は全区間が高架で、東北・上越新幹線の高架に沿って敷設されており、ほとんどの区間で橋脚を新幹線と共用している。複線区間である大宮駅 - 丸山駅間は、東北・上越新幹線の高架橋の両側に、単線区間である丸山駅 - 内宿駅間は、上越新幹線の西側(下り線側)に、それぞれ沿って路線が敷設されている[1][3]。単線区間では全ての駅で上り・下り列車の交換ができる。

起点の大宮駅ではループ線式の折り返しを採用しており、終点の内宿駅や、車庫のある丸山駅では通常の折り返しであるため、列車の向きが一往復するごとに反対になることが大きな特徴である。

上り線の加茂宮駅 - 鉄道博物館駅間では、NTT東日本東大成ビル(電話局)が新幹線の高架線に近接しており、線路を敷設する空間が確保できなかったため、ビルを避けて新幹線高架下に線路を通したが、勾配と急カーブが生じて速度制限がかかり、同駅間の所要時間は上り列車の方が1分長くなっている。

新幹線の高架の高さを走るため、進行方向左側の車窓からは、さいたま市・上尾市・伊奈町の景色を眺めることができる。関東平野のほぼ中央部を走行しており、よく晴れた日には秩父の山並み富士山筑波山男体山赤城山なども見通せ、埼玉新都市交通では眺望のよさをアピールしている[4]。進行方向右側(内宿駅→丸山駅間では左側)の車窓からは、路盤が新幹線の線路より高い区間では、並走する新幹線列車を望むこともできるが、低い区間ではコンクリート壁に視界を遮られる。

大宮駅以外の駅舎は新幹線高架真下の地上コンコースと高架ホームの2階建て構造である。中央自由通路と連結した大宮駅以外は、開業当初の垂直移動は階段のみであった。2000年代後半に入り、交通バリアフリー化の一環で、鉄道博物館・加茂宮・東宮原今羽原市沼南・丸山・伊奈中央羽貫・内宿の各駅には沿線自治体の助成によりエレベーターが設置された。鉄道博物館駅にはエスカレーターも設置されている。

さいたま市北区(旧大宮市北部)における大型マンションの急増や大型ショッピングモールの建設、上尾市東部や伊奈町におけるニュータウン的な街づくりや学校・企業誘致などにより、開業時から一貫して沿線人口が増加し続けている。しかし、当路線は新交通システム特有の小型車両のため乗車可能人数に限界があり、利用客の自然増加や振替輸送による車内混雑への対応が課題である。あわせて、大宮駅改札内のキャパシティ限界における通勤通学時間帯の乗降客の激しい混雑や、加茂宮駅以北のホーム幅の狭さによる混雑(いずれも開業時からの増床等はされていない)も同様の課題である。

伊奈線は自動列車運転装置 (ATO) を採用しておらず、自動列車制御装置(ATC)による車内信号閉塞方式での運転士による手動運転(ワンマン運転)となっている。将来の自動運転に対応できるように、車両側にはATOの運転装置が搭載されている。駅に停車した際の車両のドアの開閉は、進行方向先頭の運転室(乗務員室)で運転士による車掌スイッチの操作により行なっている。丸山・内宿以外では、運転席側である左側の扉を開けるため、単線区間の各駅(島式ホーム)では、他の多くの日本の鉄道路線の左側通行と違い、右側通行で進入する。各駅にはホームドアは設置されておらず、ホーム上には車両のドアの位置だけ省いた安全柵が設置されており、「線路は高圧電流が流れているので絶対立ち入らない」旨の注意書きが多数掲示されている。これらの点は、同様の新交通システムであるゆりかもめ金沢シーサイドラインなどとは異なっている。なお、手動運転かつホームドア無しのAGTは他に西武山口線レオライナーユーカリが丘線があるが、これらはATCではなくATSを使用しており、加えてユーカリが丘線は中央案内式である。

自動改札機駅員社員)が常駐している大宮駅と鉄道博物館駅のみの設置となっている。その他の駅は早朝深夜を除き、準社員の駅員が交代制で改札業務と駅売店業務を行っている。スタンド式の売店の横に、券売機と改札窓口がある。交通系ICカードは簡易Suica改札機で対応している。駅での放送は接近案内のみであるが、電車到着時には、車内と車外両方のスピーカーで到着駅名の自動放送がされ、駅舎側の到着時放送を兼ねている。

12.7kmの路線に13駅あり、駅間の平均距離は約1060mだが、加茂宮 - 沼南間は800mごと、志久 - 内宿間は1.1kmごととなっている。大宮の市街地寄りの方が駅間が離れており、最も離れているのはJR高崎線川越線と旧中山道を跨ぐ鉄道博物館 - 加茂宮間の1.7kmであり、JRの車両工場の中を通る大宮 - 鉄道博物館間も1.5kmある。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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