埋葬
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縄文後期・晩期の東日本では、伸展葬や配石墓[注釈 2]、再葬[注釈 3]など多くの変化見られるようになる。また、環状列石などの配石遺構に造られた墓や周堤墓[注釈 4]などがある[1]

弥生時代に入ると、北九州を中心に甕棺と呼ばれる大きな甕に埋葬する例が確認できるほか、再葬墓と呼ばれる、いったん死者を地下に埋葬した後、白骨化した後に骨壺に収める例が確認されている。古墳時代にはいると、権力者は古墳と呼ばれる大型の墳墓に埋葬されるようになるが、庶民の埋葬については不明である。

奈良時代になると、仏教の影響から火葬墓が増えるが、庶民は絵巻物などの記述から、河原や道端に遺棄されたと見られる。

古代から中世にかけては、穢れの思想が強く、貴人の墓地管理も疎かであった。近世になると、庶民も墓を設け、先祖の供養をする。現在はほとんどの死者は火葬され、一族や家族の墓地に葬られる。一方で墓友という語や、都市部に於いてはロッカー式の墓地なども出現している。
西洋の埋葬の歴史

西洋諸国では現在も火葬より土葬が主である。死者はエンバーミングを施され、体を洗われて服を着せられ、棺に入れられる。その後参列者の前で墓地に掘られた穴に棺ごと埋められる。キリスト教の国々では棺は東西方向に埋められ、その際頭は西側に向けて埋められる。

モス・テウトニクス、心臓埋葬(英語版) - ドイツ貴族に見られる慣習で、体と心臓を分けて埋葬する方式。もとは十字軍などの遠征で亡くなった際に心臓だけでも地元の教会に帰ることを願った結果である。また、ヨーロッパ貴族では、内臓と体を分け、内臓をviscera casket(内臓の棺)に納めることも行われた。これは、戦地などの遠地でなくなった人間を保存して移送するため行われるようになった風習である[2]。このように、体・心臓・内臓を分ける埋葬法を三分割埋葬と呼ばれる[3]
埋葬する理由

死者に敬意を表し、死後の世界で再生、往生、
復活できるように願う。

それらを葬儀時のみならず継続的に行うならば、墓が残る埋葬は便利である。

遺体が道端に転がっていると、見栄えが悪いので隠すという意味がある。

遺体をそのまま放置しておくのは、衛生上もよくない。

遺体の復活を恐れ、宗教的な措置をすると同時に物理的に脱出を困難にする。

埋葬する場所

人里離れた場所に墓地が設けられ、埋葬されることが多い。

日本では
墓地埋葬法により、墓地以外の自宅の裏庭などに埋葬することはできない。違反すると死体遺棄罪として罰せられることもある。

埋葬後の遺骨

納骨堂に納める場合は半永久的に遺骨は残されるが、埋葬すると遺骨の殆どは風化し土に還ると言われている。土壌等によって左右されるが基本的に埋葬後30年経過後は遺骨は土に還される傾向にあり、何かの理由で埋葬地を掘り返したとしても遺骨が見つかる例は少なく、見つかったとしても埋葬時に比べ小さくなっている例が多い。

一般的に墓地に遺骨を埋葬した場合においても、骨壺に入れた状態と墓の下の土壌部分に埋めるとでは遺骨の風化も大きな差が生まれ、骨壺に入れたままだと骨の風化は殆ど起きない[注釈 5]が土壌部分に埋めると年数経過後には風化し遺骨とは判別できない例が多い[注釈 6]
関連項目

墓地墓苑霊園納骨堂)・墓石

葬儀火葬土葬樹木葬

二次葬(英語版)(複葬) - 埋葬後、遺骨を掘り出して洗骨などを施した後、再度埋葬する形式の物。世界各地の旧石器時代から確認されており、現代でも墓の移動などで行われる場合がある。

脚注[脚注の使い方]
注釈^ 小児用
^ 地上に石組みをもつ
^ 遺体を外の場所で骨にし、その後埋葬する。
^ 北海道に特有で、土手で墓域を囲んでおり、記念物的な性格を併せ持つ墓。例としてキウス周堤墓群
^ 但し雨水が浸入し骨が水と反応し溶けて跡形も残らなくなる例はある。
^ 酸性土壌ではそれが顕著ではある。

出典^ 中村大「埋葬」 小林達雄編『考古学ハンドブック』新書館 2007年1月 85-86ページ
^ “Featured Object: Viscera Casket”. English Heritage. 2023年10月25日閲覧。
^ “身体をめぐる断章 その17 ?心臓という墓? / 小池寿子 | SPAZIO No.70 | NTTデータ ルウィーブ”. www.nttdata-luweave.com. 2023年10月25日閲覧。

参考文献

小林達雄編『考古学ハンドブック』新書館 2007年1月 
ISBN 978-4-403-25088-0










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