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埋立てを行うことは、それ自体干潟や浅海域の消失を意味している。干潟や浅海域は海洋においてバイオマスの集中している部位であり、海洋生態系における生物生産、水産資源の再生産において重要な役割を果たしている。これを短期的な視野における経済的な利便性を目的に相当量消失させてしまうことは、海洋生態系や水産業に不可逆的な損失を与えることにつながっている。日本の場合、干潟の8 - 9割は戦後高度経済成長期の工業用地確保などのために埋立てられて消失しており、日本近海の水産資源減少のひとつの原因として指摘されている。
また埋立て用の土砂を確保するためにサンドポンプで沖合いの海底堆積物を吸い上げて利用することがしばしば行われるが、これにより海底に大きな窪みが形成され、そこに低酸素水塊が溜まって青潮の元凶になることも知られている。 埋立地は、何らかの不要物を用いて造成されることが多い。例えば横浜の山下公園は関東大震災の瓦礫を処分する過程で造成された。その他、廃棄物、底質、ヘドロ及び浚渫土砂や家屋の瓦礫等が使用されていることが多く、時にこれらに含まれていた有害物質が溶出し、土壌汚染となる事例が発生している。これは土壌が汚染されたというより、汚染土壌で土地を造成していたことが、今になって明らかになったものである。 ただし、有害物質を含む浸出水が地下水などの形で移動することにより、周辺の汚染されていない土壌を二次汚染したり、水質汚濁やそれに引き続く底質汚染を引き起こしているケースも発生している(海面埋立地では潮汐の干満により、地下水へ外力が加わりやすい)。 また、埋立地であること自体が原因ではないのだが、工場が多く立地していたため、操業時に漏洩した有害物質による土壌、地下水への汚染リスクが高い傾向がある。大規模事例としては、東京都築地市場の移転先となった豊洲の東京ガス工場跡地で高濃度の有害物質が検出された、土壌・地下水汚染があげられるが、その他にも小規模汚染が各所で確認または懸念されており、跡地利用・取引上の制約となっている。これを解消し、不動産価値を回復させる土壌浄化ビジネスが1998年頃から拡大しており、各地で施工実績があがっている。 日本では、法令上、廃棄物が地下にある指定区域を販売する場合は、重要事項として説明しないと宅地建物取引業法の営業停止処分等を受ける。これは廃棄物処理法における、廃棄物が地下にある土地を指定区域として公開する法規制に基づく。しかし、全ての廃棄物で埋め立てられた土地を指定するには至っておらず、従って、土地を購入したり利用しようとする場合には事前に汚染リスク調査等の対策をしておかないと、予想以上のトラブルに巻き込まれるおそれがある。
汚染
法規制
脚注[脚注の使い方]
出典^ a b c d e f g h i j k l m n o p 中村直人「埋立工事技術の紹介
^ a b “埋立
^ a b c d “シリーズ『港湾土木工法の基礎知識』埋立(1)国土を築く埋立工法”. 一般社団法人日本埋立浚渫協会. 2023年1月31日閲覧。
^ a b 廣瀬信己「ドバイ経済の現状と課題」『国立国会図書館調査及び立法考査局レファレンス2009. 7』、国立国会図書館調査及び立法考査局、2009年。
^ a b c 峯山政宏『地獄のドバイ』2008年、151-157頁
^ ⇒EIA: A survey report of Historical Buildings and Structures within the Project Area of the Central Reclamation Phase III, Chan Sui San Peter for the HK Government, February 2001