一般的に、地震の規模を表す指標としては、エネルギー量を示すマグニチュードを用い、「M」と表記する。マグニチュードには算定方法によっていくつかの種類があり、地震学では各種のマグニチュードを区別するために「M」に続けて区別の記号を付ける。地震学ではモーメントマグニチュード (Mw) が広く使われる。日本では気象庁マグニチュード (Mj) が広く使われる。
他にもそれぞれの観測機関によって使用されるマグニチュードのタイプが異なる場合もあるが、その値は差異ができるだけ小さくなるように定められている。これらは最初にマグニチュードを定義したチャールズ・リヒターのものの改良版であり、基本的に地震動の最大振幅の常用対数を基礎とする。モーメントマグニチュードを除き、いずれのタイプも8.5程度以上の巨大地震や超巨大地震ではその値が頭打ちになる傾向を持つ[33]。
この弱点を改善するために、地震学では地震モーメントから算出されるモーメントマグニチュード (Mw) が地震の規模を表す指標として用いられることが多く、これを単に「M」と表記することも多い(アメリカ地質調査所 (USGS) など)。
日本では、気象庁が独自の定義による気象庁マグニチュード (Mj) を発表しており、日本ではこれを単に「M」と表記することも多い。これに対し、多くの国では表面波マグニチュード (Ms) や実体波マグニチュード (Mb) のことを、単にマグニチュードと呼ぶことが多い。Mが1大きくなるとエネルギーは約31.6倍、2大きくなるとちょうど1,000倍となる。
人類の観測史上最も大きな地震、つまりマグニチュード (Mw) が最も大きかったのは、1960年のチリ地震(Mw9.5, Ms8.5)である。
ある地震のマグニチュードであっても、機関によって異なったり、複数の値を発表する場合がある。例えば東北地方太平洋沖地震のマグニチュードは9.0とされているが、これはモーメント・マグニチュードであり、従来の気象庁マグニチュードでは8.4である。なお発生直後から数度訂正されていて、気象庁マグニチュードで7.9と速報したが、後に8.4と修正し、さらにモーメントマグニチュードで8.8と発表し、最終的に9.0とした。アメリカ地質調査所 (USGS) は独自にモーメントマグニチュード9.0と発表している[34]。
震度詳細は「震度」を参照
地震動の大きさを表す数値として、速度や加速度、変位などがある。建築物や土木構造物の設計の分野では、応答スペクトルやSI値という指標も、地震動の大きさを表す方法として広く用いられている。一般的には、人体感覚、周囲の物体、建造物の被害の大きさなどを考慮して、地震動の大きさを客観的に段階付けた震度という指標が用いられる[35]。
震度については、日本では気象庁震度階級(通称「震度」)、アメリカ合衆国では改正メルカリ震度階、ヨーロッパではヨーロッパ震度階(英語版) (EMS)、CIS諸国やイスラエル、インドなどではMSK震度階級が現在使用されているほか、ほかにもいくつかの指標がある。