地震
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地震予知の研究も行われているが、天気予報のような科学的な予報・予知が確立されておらず、前触れもなく突然やってくる。そのため、建造物や地盤の強度を調べて補強する、震災時の生活物資を備蓄する、避難計画を立てるなど、災害に備える「防災」や災害を軽減する「減災」の考え方から対策をとり、「いつ来てもいいように」備えるのが一般的である。

また、海域で発生する大規模な地震は津波を発生させ、震源から遠く揺れを感じなかったところにも災害をもたらすことがある。そのため、学術的な研究などの目的に加えて、津波の発生を速報する目的で、各国の行政機関や大学等によって地震の発生状況が日々監視されている。1960年チリ地震以降、初めて太平洋全域の津波警報システムが整備され、2004年のスマトラ島沖地震以降はその態勢も大きく強化され、インド洋でも整備されている。
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地震の発生途中における断層面と地震のメカニズムの模式図。
2: 震央
3: 断層面の走向
4: 断層面の傾斜
5: 震源
6: 断層面のある平面
7: 破壊されている断層面
10: すでに破壊された断層面
8 + 11: 断層面 または 震源域(断層の最大破壊域)3種類の断層。A:逆断層、B:正断層、C:横ずれ断層。地震のメカニズム解(発震機構解)の図。地震計の観測結果を基に図に表し、断層の位置や動いた方向を解析する。地球の内部構造については「地球#構造」を、プレートの移動に関する説明については「プレートテクトニクス」を、地震の発生、断層破壊の詳細については「地震発生物理学」を参照

地球の表層はプレートと呼ばれる硬い板のような岩盤でできており、そのプレートは移動し、プレート同士で押し合いを続けている。そのため、プレート内部やプレート間の境界部には、が加わり歪みが蓄積している。これら岩盤内では、岩盤の密度が低くもろい、温度粘性)が高い、大きな摩擦力が掛かっているなどの理由で歪みが溜まりやすい部分がある。ここで応力(ストレス)が局所的に高まり、岩体(岩盤)の剪断破壊強度を超えて、断層が生じ、あるいは既存の断層が動くことが地震であると考えられている。

断層はいわば過去の地震で生じた古傷であり、地殻に対する応力が集中しやすいことから、断層では繰り返し同じような周期(再来間隔)で地震が発生する。断層の大きさは数百 mから数千 kmまであり、またその断層の再来間隔も数年から数十万年とさまざまである。断層の中でも、数億年から数百万年前まで動いていて現在は動いていないような断層があり、そのようなものは古断層といって地震を起こさない。一方、現在も動いている断層を活断層という[注 8]。日本だけでも約2,000の活断層がある[6]。ただし、活動の有無を判別するのが難しい断層や大規模探査を行わなければ発見できない断層もあって、古断層といわれていた断層や知られていなかった断層が動いて地震を起こした例もあるため、防災上注意しなければならない[注 9]

岩盤内で蓄積される応力は、押し合う力だけではなく、引っ張り合う力や、すれ違う力など様々な向きのものが存在し、それによって断層のずれる方向が変わる。押し合う応力は断層面の上側が盛り上がる逆断層、引っ張り合う応力は断層面の下側が盛り上がる正断層、すれ違う応力はほぼ垂直な断層面の両側が互い違いに動く横ずれ断層を形成する。多くの断層は、正断層型・逆断層型のずれ方と、横ずれ断層型のずれ方のどちらかがメインとなり、もう一方のずれ方も多少合わさった形となる。

断層のずれは秒速1mくらいと推測されている[7]。過去のテレビ番組でプレート境界が瞬間的にずれて跳ね上がり、その動き自体が地震の揺れ(地震動、地震波)と同一であるかのような説明があったが、短周期の揺れは、ずれるときの摩擦の振動であり、断層型地震等の最終的な揺れの主因は、地上での岩石の破壊実験で生じる振動からも、摩擦面で起きる破壊とされている。震源域が広くずれが生じている時間が長ければ、それだけ長く揺れ続ける。津波は、海底のずれの動きそのものが海水に伝わって起きる。

地震の始まりは、岩盤内部の一点から破壊が始まり、急激に岩盤がずれて歪みを解放し始めることである。破壊が始まった一点が震源であり、破壊されてずれた部分が断層となる。このずれた部分は、地震波を解析する段階では便宜的に平面(断層面または破壊面と呼ぶ)と仮定し、断層面の向き(走向)や断層面の鉛直方向に対する角度(傾斜)、震源の位置、地震の規模などを推定する。震源断層が曲がったり複数あったりする場合は、後の解析や余震の解析により推定される。

震源で始まった岩盤の破壊範囲は、多くの場合秒速2 - 3kmで拡大し、破壊された岩盤は、速いときで秒速数 mでずれを拡大させていく[8][9]

以下は実際の例である。

1923年の関東地震では、神奈川県小田原直下付近から破壊が始まり、破壊は放射状に伝播して40 - 50秒で房総半島の端にまで至り、長さ130 km、幅70 kmの断層面を形成し、小田原市 - 秦野市の地下と三浦半島の地下で特に大きなずれを生じ、約8秒で7 - 8 mずれた[10]

1995年の兵庫県南部地震では、明石海峡の地下17 kmで始まった破壊は、北東の神戸市の地下から、南西の淡路島中部にまで拡大し、約13秒で長さ40 km幅10 kmの断層面を形成した。


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