地球温暖化
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[64]となっている。このことから地球温暖化による気温の上昇はこういった熱中症患者を増加させてしまう。

低緯度の感染症マラリアなど)の拡大

雪解け水に依存する水資源の枯渇

農業、漁業などを通じた食料事情の悪化

地球温暖化は栄養不足を引き起こすという影響もある。これは、温暖化によって作物が上手く育たないことや、洪水などの災害の発生により食料不足になることから引き起こされると考えられている。他にも「最も強く影響を受けるのは乳幼児で、食べ物が入手しづらくなり栄養不良が拡大する」[65]と述べられている。特に発展途上国ではこの影響を受けやすい。

永久凍土の融解による建造物の破壊

日本でも60%の食糧を輸入しているため、国外での不作や不漁、価格変動の影響を受けやすく、食糧供給に問題が生じることが予想されている。

対策「地球温暖化への対策」を参照

地球温暖化への対策は、その方向性により、温暖化を抑制する「緩和」(mitigation)と、温暖化への「適応」の2つに大別できる[66]
緩和

地球温暖化の緩和策として様々な自主的な努力、および政策による対策が進められ[注釈 19]、幾つかはその有効性が認められている。現在のところ、その効果は温暖化を抑制するには全く足りず、現在も温室効果ガス(GHG)の排出量は増え続けている。しかし現在人類が持つ緩和策を組み合わせれば、「今後数十年間の間にGHG排出量の増加を抑制したり、現状以下の排出量にすることは経済的に可能である」とされる。

同時に、「今後20?30年間の緩和努力が大きな影響力を持つ」「気候変動に対する早期かつ強力な対策の利益は、そのコストを凌駕する」とも予測されており、現状よりも大規模かつ早急な緩和策の必要性が指摘されている(AR4 WG IIIスターン報告)。
適応
地球温暖化への対応の動き「地球温暖化への対応の動き」を参照

地球温暖化の影響は上記のように地理的にも分野的にも広い範囲におよぶため、それに対する対策もまた広い範囲におよぶ。根本的な対策として温暖化ガスの排出量の削減などの緩和策の開発・普及が進められているが、世界全体ではまだ排出量は増え続けており(AR4)、現状よりもさらに大規模な緩和を目指した努力が求められている。世界の発電設備容量と発電量の変化に占める再生可能エネルギーの割合[68]再生可能エネルギー#利用状況と見通しも参照)

イギリスや旧東欧圏を含む欧州を中心に再生可能エネルギーの普及が強力な政策と共に進められている。米国でもカリフォルニア州などを中心に積極的な導入の動きが見られる。

原子力発電を緩和手段として普及させる動きもある。

水素エネルギーの開発が各国で行われている。

燃料電池蓄電池などエネルギー貯蔵手段の開発が活発に行われている。

家畜(主に牛)から発生するメタンガスの削減。腸内発酵の抑制する技術の開発活用や、肉からのタンパク質の摂取量を減らすことで削減出来る[69]。また、代替肉(プラントベースドミート)などの代替肉については、IPCCによるとカーボンフットプリントが不明瞭であるとしている[52]

電気自動車などのゼロエミッション車水素自動車バイオ燃料などの開発が活発である。

内燃機関自動車や火力発電二酸化炭素(CO2)・窒素酸化物(NOx)の排出量や、家電製品などの消費エネルギー量に対して各国で規制が強められている。

「生態系を基盤とした防災・減災」[70]は地球温暖化がもたらす水害被害の経験が度に向けた持続可能な取り組みとして注目されている[71]

地球温暖化対策における議論「地球温暖化に関する論争」を参照

地球温暖化に関しては、その影響が広範囲に及び、対策もまた大規模になると予測されているため、その具体的な緩和策に関する議論も多い。
課題

いかにして再生可能エネルギーの発電効率を上げるか、現在の化石燃料に依存した社会をどう改革するか、その際に生じる社会の様々な立場の人々の痛みをどう抑えられるかなど、多くの技術的、社会的かな課題が予想される。

そうした地球温暖化の「緩和」「適応」に向け大学の研究者を含む世界中の様々な立場の分野・立場の人々がそれぞれの専門性を活かしてたような取り組みを行っている[72][注釈 20]
社会地球の気温は上昇していないという偽りの主張するために、短期間のデータがチェリー・ピッキングされてきた。青いトレンドラインは、長期的な温暖化傾向を覆い隠せる短い期間を示している。青い点は、いわゆる地球温暖化の休止を示しています。青い点は、いわゆる地球温暖化のハイエイタスを示している[74]
否定と誤情報詳細は「地球温暖化に関する論争(英語版)」、「化石燃料ロビー活動(英語版)」、「地球温暖化に対する懐疑論(英語版)」、および「地球温暖化懐疑論」を参照

気候変化に関するパブリックな議論は、アメリカ合衆国に起源を持ち、特にカナダやオーストラリアなどの他国へと広まった、気候変化の否定や誤情報から強い影響を受けてきた。気候変化の否定者の背後にいる関係者は、化石燃料会社、業界団体、保守的なシンクタンク(英語版)、逆張り(英語版)の科学者からなる、十分な資金と比較的調整された連合を形成している[75]。タバコ産業のように(英語版)、これらのグループの主な戦略は、科学的なデータや科学的な結果に疑いを生じさせることである[76]。人為的な気候変化に関する科学的コンセンサスについて否定したり、無視したり、不当な疑いを抱く多くの人は「気候変化懐疑論者」と呼ばれるが、一部の科学者は、これを誤称と述べている[77]

気候変化に関する否定にはさまざまなバリエーションがある[78]。たとえば、温暖化は全く起きていないと否定するものや、温暖化自体は認めるが自然の影響によるものだと主張するものや、気候変化の悪影響を過小評価するものなどがある[78]。科学の不確実さを捏造する試みは、後に論争の捏造(英語版)に発展した[79]。たとえば、政策の変更を遅らせる目的で、科学コミュニティには気候変化に関して非常に大きな不確実さが存在していると信じ込ませるものなどがある[79]。こうした考えを促すために利用される戦略としては、科学機関を批判するという方法や[80]、個々の科学者の動機に疑問を投げかけるという方法がある[78]。気候を否定するブログやメディアのエコーチャンバーは、気候変化に関する誤解をさらに助長している[81]
市民の意識と意見詳細は「気候コミュニケーション(英語版)」、「気候変化に関するメディア報道(英語版)」、および「気候変化に対する市民の意見(英語版)」を参照一般市民は、人間が気候変動の原因であるという科学的コンセンサスの高さを過小評価している[82]。2019-2022年に行われた研究[83][84][85]では、科学的コンセンサスは98.7-100%であった。

気候変化は1980年代後半に国際的に注目を集めた[86]。1990年代初頭のメディア報道の混乱により、気候変化はよくオゾン層破壊のような他の環境問題と混同された[87]。ポピュラーカルチャーでは(英語版)、このトピックについて大衆に公開された最初の映画は、2004年の『デイ・アフター・トゥモロー』だった。


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