これにより、下記のような影響が出ることが懸念されている。
浸水被害の増加。オセアニアの島国ツバル、ヴェネツィアの歴史的建造物をはじめとし、東京、名古屋、大阪などを含む低い土地の水没、等々。
汽水域を必要とするノリ、カキ、アサリなどの沿岸漁業への深刻なダメージ。
防潮扉、堤防、排水ポンプなどの対策設備に対する出費の増加。
地下水位の上昇に伴う地下構造物の破壊の危険性、対策費用の増加。
地下水への塩分混入にともなう工業・農業・生活用水への影響。
海水温・海洋循環への影響「地球温暖化の影響#海水温・海洋循環への影響」を参照
地球規模の気温上昇に伴い、海水温も上昇する。これにより、下記のような影響が懸念されている。
生態系の変化。
水温の変動幅拡大に伴う異常水温現象の増加。太平洋熱帯域でのエルニーニョ現象の増強。
海流の大規模な変化、深層循環の停止。およびこれらに伴う気候の大幅な変化。
生態系・自然環境への影響「地球温暖化の影響#環境・生態系への影響」を参照
温暖化の影響は生態系にも大きな影響を与えることが懸念されている。
二酸化炭素の増加による生物の光合成の活発化。
生物の生息域の変化。
寒冷地に生息する動物(ホッキョクグマ、アザラシなど)をはじめとする、生物種の数割にわたっての絶滅。
サンゴの白化や北上(北半球)・南下(南半球)。
日本においては、ブナ林分布域の大幅減少や農業への深刻な影響。
社会への影響「地球温暖化の影響#社会への影響」を参照
人間の社会へも下記のように物的・人的・経済的に大きな影響と損害が出ることが懸念されている。
気象災害の増加(熱帯低気圧、嵐や集中豪雨)
気候の変化による健康への影響や生活の変化
健康への影響の例として熱中症がある。熱中症が起きるメカニズムは「外気温がある閾値を越えて著しく高くなると、中枢神経系の温熱中枢と、熱産生臓器や汗腺等の効果器による体温維持機能の低下により深部体温が上昇すること。」[64]となっている。このことから地球温暖化による気温の上昇はこういった熱中症患者を増加させてしまう。
低緯度の感染症(マラリアなど)の拡大
雪解け水に依存する水資源の枯渇
農業、漁業などを通じた食料事情の悪化
地球温暖化は栄養不足を引き起こすという影響もある。これは、温暖化によって作物が上手く育たないことや、洪水などの災害の発生により食料不足になることから引き起こされると考えられている。他にも「最も強く影響を受けるのは乳幼児で、食べ物が入手しづらくなり栄養不良が拡大する」[65]と述べられている。特に発展途上国ではこの影響を受けやすい。
永久凍土の融解による建造物の破壊
日本でも60%の食糧を輸入しているため、国外での不作や不漁、価格変動の影響を受けやすく、食糧供給に問題が生じることが予想されている。
対策「地球温暖化への対策」を参照
地球温暖化への対策は、その方向性により、温暖化を抑制する「緩和」(mitigation)と、温暖化への「適応」の2つに大別できる[66]。 地球温暖化の緩和策として様々な自主的な努力、および政策による対策が進められ[注釈 19]、幾つかはその有効性が認められている。現在のところ、その効果は温暖化を抑制するには全く足りず、現在も温室効果ガス(GHG)の排出量は増え続けている。しかし現在人類が持つ緩和策を組み合わせれば、「今後数十年間の間にGHG排出量の増加を抑制したり、現状以下の排出量にすることは経済的に可能である」とされる。 同時に、「今後20?30年間の緩和努力が大きな影響力を持つ」「気候変動に対する早期かつ強力な対策の利益は、そのコストを凌駕する」とも予測されており、現状よりも大規模かつ早急な緩和策の必要性が指摘されている(AR4 WG III、スターン報告)。 地球温暖化の影響は上記のように地理的にも分野的にも広い範囲におよぶため、それに対する対策もまた広い範囲におよぶ。根本的な対策として温暖化ガスの排出量の削減などの緩和策の開発・普及が進められているが、世界全体ではまだ排出量は増え続けており(AR4)、現状よりもさらに大規模な緩和を目指した努力が求められている。世界の発電設備容量と発電量の変化に占める再生可能エネルギーの割合[68](再生可能エネルギー#利用状況と見通しも参照) 地球温暖化に関しては、その影響が広範囲に及び、対策もまた大規模になると予測されているため、その具体的な緩和策に関する議論も多い。 いかにして再生可能エネルギーの発電効率を上げるか、現在の化石燃料に依存した社会をどう改革するか、その際に生じる社会の様々な立場の人々の痛みをどう抑えられるかなど、多くの技術的、社会的かな課題が予想される。 そうした地球温暖化の「緩和」「適応」に向け大学の研究者を含む世界中の様々な立場の分野・立場の人々がそれぞれの専門性を活かしてたような取り組みを行っている[72][注釈 20]。
緩和
適応
地球温暖化への対応の動き「地球温暖化への対応の動き」を参照
イギリスや旧東欧圏を含む欧州を中心に再生可能エネルギーの普及が強力な政策と共に進められている。米国でもカリフォルニア州などを中心に積極的な導入の動きが見られる。
原子力発電を緩和手段として普及させる動きもある。
水素エネルギーの開発が各国で行われている。
燃料電池や蓄電池などエネルギー貯蔵手段の開発が活発に行われている。
家畜(主に牛)から発生するメタンガスの削減。腸内発酵の抑制する技術の開発活用や、肉からのタンパク質の摂取量を減らすことで削減出来る[69]。また、代替肉(プラントベースドミート)などの代替肉については、IPCCによるとカーボンフットプリントが不明瞭であるとしている[52]。
電気自動車などのゼロエミッション車、水素自動車、バイオ燃料などの開発が活発である。
内燃機関自動車や火力発電の二酸化炭素(CO2)・窒素酸化物(NOx)の排出量や、家電製品などの消費エネルギー量に対して各国で規制が強められている。
「生態系を基盤とした防災・減災」[70]は地球温暖化がもたらす水害被害の経験が度に向けた持続可能な取り組みとして注目されている[71]。
地球温暖化対策における議論「地球温暖化に関する論争」を参照
課題
社会地球の気温は上昇していないという偽りの主張するために、短期間のデータがチェリー・ピッキングされてきた。