地球攻撃命令_ゴジラ対ガイガン
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観客動員数は178万人[出典 8]
解説

本作品は第二次怪獣ブームの真っ只中に製作され、「ゴジラが他怪獣と闘い、怪獣チャンピオンを競う」というチャンピオンまつり路線を確定させた[33][28]。本作品でのゴジラは悪の怪獣から地球を守る正義の怪獣という扱いとなっており[出典 9][注釈 2]、劇中には大映の「ガメラシリーズ」のようにヒーロー性を強調したゴジラのテーマソングも挿入されている。ゴジラが侵略者の送り込む怪獣と戦うというフォーマットは、以後『メカゴジラの逆襲』まで踏襲された[42]。ゴジラとアンギラスがアニメ処理による漫画の吹き出しで会話するシーンも存在し[出典 10]、公開当時から賛否両論となった[5][28][注釈 3]。ドラマ面では、ウーマン・リブ内ゲバヒッピー教育ママ、怪獣ブームなど、同時代を象徴する風俗も多々盛り込まれている[出典 11]

公開時のキャッチコピーは、「宇宙のわるもの怪獣をやっつけろ! ゴジラがんばれ地球をまもれ!」[46]

科学万能主義に対するアンチテーゼも盛り込まれており、M宇宙ハンター星雲人たちの断末魔の台詞に相対させた、主人公たちの「素朴の勝利」が強調されている。物語は、「科学が発達しすぎると平和は遠のいて行くかもしれない」という警句で締めくくられている。

アメリカではシネマ・シュアーズ社による配給で『GODZILLA ON MONSTER ISLAND』、その他の国では『GODZILLA vs GIGAN』のタイトルで公開された[7][47]。英語の吹き替えは東宝によるもので、香港にて録音された[47]。ゴジラとアンギラスの会話シーンは吹き出しではなく、声優によるアフレコで処理されている[出典 12]。アメリカ公開版ではゴジラとアンギラスの流血シーンはカットされている[47]。1988年にノーカット版が原題に沿った『GODZILLA vs GIGAN』のタイトルでニューワールドビデオから発売された[47]
ストーリー

売れない漫画家の小高源吾は、マネージャー気取りのガールフレンドである友江トモ子が持ち込んできた、東京郊外で現在建設中の世界子供ランドのマスコットとなる怪獣デザインの仕事にありつく。世界子供ランドは、「絶対の平和」をうたう謎めいた非営利団体による運営のもと、中心にそびえる建設中の展望台「ゴジラタワー」の頭部に事務局が置かれていた。源吾はゴジラタワーを訪ねるが、妙な英語混じりの言葉を話す事務局長のクボタらは、世界子供ランドが完成した暁には「平和の敵」であるゴジラをはじめとする怪獣島の怪獣たちをすべて抹殺すると豪語する。

そんな中、世界子供ランドの都内事務局の前にてクボタたちに追われていた1人の女性が落とした磁気テープを拾った源吾は、奇妙な電子機器が設置された部屋にてまだ少年であるにもかかわらず世界子供ランドの会長と名乗る、須東文夫と出会う。その夜、源吾は磁気テープを落とした女性・志摩マチコと、その友人のヒッピー・高杉正作の訪問を受ける。マチコの兄でコンピューター技師の志摩武士は、世界子供ランドにてゴジラタワーの建設に従事していたが、3日前から行方不明だという。マチコは武士が世界子供ランドに監禁されていると考えており、彼の日記に「謎は2本のテープ」と書かれていたことから、磁気テープが武士への手がかりになるかもしれないとの推測に至る。世界子供ランドに不審を感じていた源吾は磁気テープを再生してみるが、奇妙なノイズが聞こえるだけであった。一方、ゴジラタワーでは磁気テープの発信を捉え、慌てる文夫とクボタらの姿があった。

怪獣島では磁気テープ「アクション2」の電子音にゴジラが違和感を覚え、アンギラスを日本へ偵察に向かわせる[15]。世界子供ランドの職員たちの正体は地球征服を狙うM宇宙ハンター星雲人であり、事態を受けた彼らは計画の前倒しを決めて母星との連絡網をつなぐ。

源吾らは会長と事務局長の身辺調査にかかり、文夫とクボタの本籍地が同じ山野市であることを知る。現地へ向かった源吾たちは、文夫とクボタが地元の中学校の英語教師と元生徒であり、1年前の登山中に遭難死していることを知って驚く。一方、アンギラスは相模湾に上陸したものの襲撃と誤認したメーサー車を主軸とする防衛隊の攻撃に追い返されてしまう。ゴジラタワーにて武士が監禁されていることを確認した源吾は職員に見つかり、口八丁で場をごまかして辛くも退散する。そのことを知った文夫は、「我々の知らないタイプの人間だ」と源吾に興味を抱き始める。

その夜、クボタらの襲撃を受けた源吾たちは訪ねてきたトモ子の空手で撃退したもののテープを奪還されてしまったうえ、世界子供ランドの実態を警察に訴えたものの取り合ってもらえずにいる中、署内にゴジラとアンギラスが関東地方に出撃しつつあるという一報が届く。ゴジラとアンギラスはM宇宙ハンター星雲人の暗躍を悟って行動を開始しており、それに対して世界子供ランドでは「アクション1」「アクション2」が起動する。その電子音は宇宙怪獣をコントロールする指令電波であり、それを用いて文夫はM宇宙ハンター星雲からサイボーグ怪獣ガイガンと宇宙超怪獣キングギドラを呼び寄せる。

ゴジラタワーへ乗り込んだ源吾とトモ子は監禁されていた武士と合流するが、罠にはまって拘束される[15]。文夫とクボタは自身の正体を明かすとともに、寿命が尽きかけた母星に酷似した地球を造り替えるという「平和計画」を語る。そんな中、宇宙怪獣の地球侵入を察知した防衛隊司令部は未知の怪獣であるガイガンの襲来に騒然となり、迎撃体勢を執る。ガイガンとキングギドラは指令電波によって操られ、メーサー車の攻撃をものともせず、都市部を中心に徹底的な破壊を開始する[15]

応援部隊の「ユニフォーム用」として監禁された源吾らは正作とマチコの用意したワイヤーゴンドラで脱出に成功し、月の瀬海岸の石油コンビナートを襲撃するガイガンとキングギドラの前には、ゴジラとアンギラスが現れる。双方による壮絶な流血戦が開始され、戦場はやがて世界子供ランドへ移行する。

ようやく防衛隊の協力を得て再びゴジラタワーへ向かった源吾一同は、科学を過信するM宇宙ハンター星雲人の虚を突き、爆薬をエレベーターに載せて最上階に運び、ゴジラタワーの爆破に成功する。その瓦礫の下敷きとなった文夫たちは醜いゴキブリのような正体をさらし、死亡する。指令電波を失ったガイガンとキングギドラはゴジラとアンギラスに襲いかかるが、連携しての反撃に戦意を喪失して宇宙へ退却する[15]。源吾一同はゴジラとアンギラスの勝利を見届け、戻ってきた平和を喜び合うのだった。
登場人物
小高 源吾(おだか げんご)
[50][注釈 4]
駆け出しの売れない漫画家[出典 13]。ガールフレンドのトモ子から世界子供ランドの仕事を紹介されたことで、M宇宙ハンター星雲人の陰謀に巻き込まれる[51][50]
志摩 マチコ(しま マチコ)[53]
行方不明の兄を探して世界子供ランドを調査する女性[54][53]
友江 トモ子(ともえ トモこ)[55]


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