「チャンピオンまつり」に組み込まれてからのゴジラ映画の制作予算は、全盛期の3分の1以下と大幅に削減された。そのため、本編には主要俳優に出演料の安い新人が使われ、特撮では過去の作品から大量に映像が流用されている[出典 32][注釈 20]。また、ナイトシーンが多いのも特徴であり[33]、過去作品では日中シーンである映像も、本作品では劇中での夜間シーンに合わせてフィルターで夜景処理している。ゴジラとアンギラスが海を泳ぐ場面は巨大プールで撮影されているが、同年公開の20世紀フォックス作品『ポセイドン・アドベンチャー』も同じ方法で撮影された。ガイガンがコンビナートを襲撃するシーンは、夜間のオープンセットで撮影された[98][注釈 21]。
1969年の『ゴジラ・ミニラ・ガバラ オール怪獣大進撃』以来、撮影は本編版と特撮版を分けない一班体制で行われていたが、東宝の特殊技術スタッフが東宝映像の所属となったことにより、同社の制作協力という形で本編と特撮の二班体制が復活した[99][100][注釈 22]。
本作品は、第1作『ゴジラ』(本多猪四郎監督、1954年)から一貫してゴジラを演じ続けてきた中島春雄による最後のゴジラ作品でもある[出典 33]。中島は前年に東宝をリストラされ、系列の撮影所横のボウリング場勤務となり、怪獣役は引退していた。そのため、前作『ゴジラ対ヘドラ』(坂野義光監督、1971年)と同様、本作品のオファーを受けた際にも中島は一度はこれを固辞した。しかし、「中島以外にゴジラは演じられないから」と中野らから懇願され、引き受けたという[注釈 23]。
中野によれば、子供向け上映になったことから、子供が飽きないよう数分ごとに特撮を入れるよう営業サイドから注文があったという[43]。また、中野はシリーズ化によるマンネリ化を回避するため、前作のような原点回帰はやめ、ゴジラを当時の風潮であった傷ついたり汚れたりするヒーローにしなければならなかったと述べている[43]。 本作品の音楽は、すべて伊福部昭が過去に手掛けた曲が用いられている[出典 34]。過去の東宝特撮作品のみならず、一般映画『暗黒街の顔役』や、大阪万博の三菱未来館で用いられた「日本の自然と日本人の夢」からも流用されている。流用に当たっては、シリーズで監督助手などを務めた音楽事務担当の所健二が伊福部の承諾のもと、選曲を行った[103][21]。伊福部はオールラッシュやダビングに立ち会い、ダビング時に曲を足したりもしたという[104]。当初の所の構想では『宇宙大戦争』のオープニング曲をメインタイトルとして使用する予定だったが、ファンに聴きなじみがある曲なので他の曲にしてほしいという福田の要望により、「日本の自然と日本人の夢」の「火山」に変更した[103][21]。所がこれを福田に聴かせたところ、とても気に入られたという[105][103]。 2022年に生誕50周年を迎えるガイガンを記念して「ガイガン・フィフティ」が起動、2022年に向けてさまざまなグッズやイベントを企画[109]。
音楽
併映作品
『帰ってきたウルトラマン 次郎くん怪獣に乗る』
『天才バカボン』
『昆虫物語 みなしごハッチ』
『ミラーマン』
『樫の木モック』
映像ソフト化
VHS 品番 TG1473[9]、TG4296[106][107]
LD 品番 TLL2107[9]、TLL2486[107]
DVDは2004年5月28日発売[108]。オーディオコメンタリーは樋口真嗣[108]。
2008年3月28日発売のトールケース版「ゴジラ DVDコレクションIII」に収録されており、単品版も同時発売。
2005年4月22日発売の「GODZILLA FINAL BOX」に収録されている。
2014年5月14日には「ゴジラ60周年記念版」として期間限定の廉価版が発売。
2016年6月15日、東宝DVD名作セレクション版発売。
Blu-ray Discは2014年7月16日発売。
50周年記念
「ゴジラ・ストア」で、ガイガン50周年記念限定グッズが入った「ゴジラ・ストア 2022年福袋 ガイガン50」を2021年12月20日(月)17時より数量限定の先行販売を実施、「ゴジラ・ストア Tokyo」で2022年の初商日より店頭販売が開始[110]。
本作の上映イベント「ガイガン誕生祭」を、50年前の公開日と同日の3月12日に池袋HUMAXシネマズで(京都みなみ会館では3月26日、27日に)実施することが決定し、特撮テレビドラマ『流星人間ゾーン』(ガイガン登場回の第11話「間一髪 ゴジラの叫び!」)と『ゴジラアイランド』(第31話 - 第40話)を、世界初となるスクリーンで同時上映する[111]。
ガイガン誕生50周年を記念し、「ゴジラ迎撃作戦 ?国立ゴジラ淡路島研究センター?」のゴジラミュージアム内にて、「ガイガン特別展」を3月19日より8月31日まで開催、『ゴジラ FINAL WARS』の撮影で使用したガイガンスーツを展示するほか、『ゴジラ FINAL WARS』に登場するガイガンのミイラを中心に、1972年から現在に至るまでのガイガンの変遷の記録、映画の場面写真やガイガンのフィギュアなどの映画資料を展示する[112]。