地球へ…
[Wikipedia|▼Menu]
だが、管理体制の実態を見抜き脱出に成功したミュウたちは集団を作り、人類にミュウの存在を認めるよう働きかけてきた。しかし、その願いは未だ通じていなかった。
登場人物一覧

括弧内は登場したのちの、最年少時から最後までの年齢である(原作のみ)。年齢が不詳な人物については記載しない。の項は映画版 / テレビアニメ版の順。1人しか記載されていない場合は特記ない限りテレビアニメ版のキャストとし、それ以外のものは別途記載する。
原作
ジョミー・マーキス・シン(13歳→45歳)
声 -
井上純一 / 斎賀みつき / 富山敬(ラジオドラマ版)本編のミュウサイドの主人公。育英都市アタラクシアの出身。潜在的なミュウとして14歳まで生きてきた。感情過多であるため、幾度かESPチェックを受けてきたが、“無い”とまで自嘲する太い神経、タフな精神と潜在的な強い思念波のお陰で潜り抜けてきた。他のミュウとは違い、欠けている部分のない健常者であり、人類の太く短い生命力とミュウの細く長い能力を兼ね備えた存在であることからソルジャー・ブルーに見出され、余命わずかの彼の後を継ぎ、ミュウの新しい長『ソルジャー・シン』となる。そしてブルーの遺志を継いで、ミュウが長年目指してきた地球(テラ)へ向かうこととなる。最初はその乱暴な性分から他のミュウたちに疎まれてきたが、様々な訓練や勉強を経てカリスマ性の高いリーダーになってゆく。その卓越した行動力と強大なESP能力で、仲間の危機を救うために飛び出すこともしばしば。また様々な経験を経て策士としての冷静さも兼ね備えるようになっていき、当初は反発されていたハーレイからも「戦士(ソルジャー)だ」と高く評価されるようになる。感受性が豊かなために感情を表に出しやすいミュウたちを懸命にリードし、まとめあげた。14歳以降外見は変わっていない。途中、ナスカでの地球軍との衝突がきっかけで全失明失語失聴となり、それからはテレパシーでコミュニケーションをとっている(TVアニメ版ではそれらの喪失は免れている)。長老たちはESP能力でバリアを張らなければならない惑星ナスカの希薄な大気にその強靭な肉体と精神力で適応した。また、地球でS.D.体制の敷かれた特別個室(室内の強烈なエネルギーに、長老たちばかりかトォニィすらも悲鳴を上げたほど)にも適応した。ナスカで安穏と生きる道を絶たれ、多くの同胞を助けられなかった悲劇は、遠回りしながらも、彼に『地球へ帰ること』の重要性を改めて認識させた。破壊寸前のグランドマザーに精神を支配されたキースによって射殺される。最期の言葉は「キース、地球を頼む」。しかし、直前で精神が肉体から分離し、コンピュータ・テラを停止させたキースの「そこにいるんだろう?今度こそ俺を殺せ」という言葉を受け、苦痛を伴わないように殺す。映画では、キースに致命傷を負わされるもののかろうじて生きており、二人でコンピュータ・テラの前に落ちる。最後の言葉は「キース、逃げろ」。TVアニメ版ではグランドマザーを破壊したものの、隙を突かれてグランドマザーの最後の攻撃で致命傷を負い、助けに来たトォニィを次期ソルジャーに任命した後果てた。最後の言葉は「の最後には希望が残ったんだ」。名前は、原作者が読んでいたSF小説『スラン』(A・E・ヴァン・ヴォークト作)の主人公の名にちなんだもの[3]
キース・アニアン(15歳→45歳)
声 - 沖雅也 / 子安武人本編の人類サイドの主人公。機械(マザー)の申し子、鉄仮面などと評されるエリートだが、喜怒哀楽のうち“怒”と“哀”の感情は誰よりも強い。ジョミーの最大のライバル。地球のどこにいても一目置かれ、一線を画される存在である。育英都市トロイナスの出身となっているが、幼少時代の記憶および受けたはずの成人検査に関する記憶を一切持っていない。エデュケーショナル・ステーションでの教育を終えたのちは「メンバーズ・エリート」に選出され、その頭角を現して目を見張るスピードでエリートコースを昇進していく。ステーションでの教育課程からミュウと遭遇し、幾度も対決していくことになる。さらに、様々な事件のなかで幾度も葛藤を繰り返しながら、マザーが期待していたとおりの成長を続ける。そして、最終的には地球の総帥となり、ジョミーたちミュウの前に立ち塞がる。20年近くにわたるミュウとの対決の中で、自身の出生の秘密やミュウ発生の原因が人類の遺伝子自体にあること、そしてその素因子の排除の可否、さらには地球そのものの秘密を知ってゆくこととなる。その中で、ミュウの女性フィシスに不思議な縁を感じるようになっていく。背後に立った者を反射的に撃つよう訓練されている。実は、フィシスの卵子を元に生み出された、遺伝子上の“フィシスの実子”。15歳まで人工子宮で育ち、知識は脳に直接刷り込まれていた。統治者候補たる「無垢なる者」の1人である故に養親はおらず、成人検査も受けていなかった。1人の人間としても、1人の統治者としても、ジョミーとは対照的な存在である。マツカとサム以外に心を許せる存在がおらず、表面上は“地球国家元首”という究極の要職に就いても、2人のいない場所では常に孤独だった。最後までジョミーをライバル視しており、ミュウの存在を認めながらも受け入れようとはしなかった。ジョミーがグランドマザーと戦っている時、彼の心も一緒に戦っていたというが、後もう一歩というところでグランドマザーの思念波に操られ、ジョミーを殺してしまう。正気に戻った直後、それまで心に燻っていた機械への疑念が爆発し、これまで従ってきたコンピュータによる自分の意思への介入を拒絶する。グランドマザーが破壊されたあと、コンピュータ・テラを停止させ、地球を自然のままにし、機械の管理から離脱することを選択する。その後、精神体として《生きていた》ジョミーの手で殺されることを望んだ。映画版では人類側の敗北を素直に受け容れ、ジョミーたちミュウを勝利者として迎えようとする。原作同様グランドマザーに操られ光線銃でジョミーに致命傷を負わせるが、それを契機にグランドマザーへの反意を強固に弁明してマザーを停止させた。コンピュータ・テラのフロアでは、傍らのジョミーの避難勧奨に、誰の命令でもない自らの意志で死ぬんだと答えた。TVアニメ版ではグランドマザーの攻撃で致命傷を負い、死の間際にセルジュに地球軍の指揮権を託したのち、ジョミーと共に果てる。最後の言葉は「最後まで私は独りか…」。ただし、セルジュやマツカなどのキースを慕っている部下の存在を考えると、決して前二作のように独りではなかったようである。2007年7月に行われた「テラFes2007」での質問コーナーによれば、名前の由来は“キム・ボール・キースン”という俳優の名から取ったと竹宮は語っている。@media screen{.mw-parser-output .fix-domain{border-bottom:dashed 1px}}このような名の俳優はいないので、『レンズマン』のキムボール・キニスンと取り違えている可能性がある[独自研究?]。
ソルジャー・ブルー(14歳→約300歳)
声 - 志垣太郎 / 杉田智和 / 石原良(ラジオドラマ版)ミュウの中で最も長く生き、長としてミュウたちを束ねてきた。虚弱体質で聴覚に障害があり、耳にはヘッドフォン型の補聴器を付けている。TVアニメ版では、さらに銀髪に赤い瞳というアルビノの特徴が加わっている。ただし、第1期オープニングの一部では目が青色である[注 1]。補聴器には彼の記憶が記録されており、のちにジョミーへと託された。3世紀もミュウとして生きたといわれるが、青年としか思えない外見を保っている。若く見せたがるのはミュウ全体に見られる傾向だと、称する。ジョミーに、ミュウが発生する原因が成人検査にあることを告げ、自身が実験体として悲惨な日々を送り続けてきたことを告白している。寿命が潰える直前にその意思をジョミーに託し、ジョミーの能力を開花させる。地球への強い思いを残したままアタラクシアで逝くが、死んでもなおジョミーの中で生き続けている(ジョミーが意識し続けている)。時折束縛された姿でジョミーの心に登場するのは、実験体としての彼の姿である。TVアニメ版ではミュウたちを一人でも多くナスカから脱出させるため、惑星破壊システム・メギドに潜入。命と引き替えにこれを破壊した。なお、この時残されたヘッドフォン型の補聴器が唯一の遺品となり、“ソルジャーの証”としてジョミーに(TVアニメ版ではトォニィにも)受け継がれることとなる。名前の由来は、「テラFes2007」での原作者のコメントによれば「ソルジャー・ブルーを撃った男」という映画からとのこと。これは原作者による、『ソルジャー・ブルー』と『リバティ・バランスを射った男』という2本のアメリカ映画の混同と類推される。
トォニィ(0歳→22歳)
声 - 古谷徹川島千代子(少年期〈映画〉) / 杉山紀彰喜多村英梨(少年期〈テレビアニメ〉)惑星ナスカで、母体によって生まれた初めての子であり、のちに「ナスカチルドレン」と呼ばれる者たちの中心人物。オレンジ色の瞳と髪の毛を持つ(普通の人間の体毛瞳孔ではありえない色であるため、キースに気味悪がられた)。3歳の時、ある事件で昏睡状態に陥るが、12歳前後の肉体に成長して覚醒する。それ以後も急激な肉体成長を続け、最終的に成人する。本人曰く『(ジョミーと同じ)完全なミュウ』。彼を覚醒させようとしていたフィシスから、《彼女から逃れるために》知識と予知能力を習得し、彼女の正体すら見抜いてしまう。しかし、精神の成長が肉体に伴っておらず、精神年齢は生きてきた時間とほぼ同じでしかない。ナスカで生まれた子供特有の強い思念波を持つ。彼にとってジョミーは『グラン・パ』(「おじいさん」の意味。実際、トォニィはジョミーへの呼称として使っている)であり、両親以上に尊敬すべき『』であり、目指すべき方向であり、ジョミーの言葉、および与えられた命令を何よりも最優先するほど心酔している。だが、自分を放ってリオやハーレイと行動するジョミーに怒りを感じ、リオとハーレイに嫉妬したりしている他、ジョミーと別れたりジョミーに嫌われたりすることを最も恐れている。TVアニメ版では更に、ジョミーを「へなちょこ」呼ばわりし、ジョミーを抹殺してトォニィをリーダーにしようとけしかける他のナスカチルドレンに対し、怒りを露わにして一喝する場面もあった。キース・アニアンを2度も死の淵まで追い込んだ唯一の人物である。最初は3歳の時。幼くしてキースを無理やり自供させるほどの類稀なESP能力と高度な知能を現しており、《殺意》というものもこの時すでに知っていた彼は、キースを殺害しようとした。それがのちに実母カリナを死なせてしまうきっかけとなるが、本人はそれをキースとフィシスのせいだと考えている。ゆえにキースはもちろん、キースと通じ、ソルジャー・ブルーに能力を与えられただけの人間にすぎなかったフィシスも激しく憎悪している。2回目はジョミーと共に地球へ降りた時。S.D.体制の敷かれた個室でひとり眠りにおちることができなかった彼は、キースを捜し出し寝室で彼を心停止状態にまで追い込む。最後には、ジョミーへの思いを残しながら宇宙の果てへ飛んでゆく。映画ではジョミーの実子となっている。TVアニメ版では、自分を最後まで想っていたアルテラを始め、多くの仲間を失いながらもジョミーの救援に駆け付け、彼によって後継者に指名される。しかし、そのジョミーが死にゆく身であることを大いに悲しみ、涙を流しながらジョミーの体を抱きしめ、離れようとしなかった。最終的にジョミーに諭され、断腸の思いで別れを告げて脱出したのち、三代目のソルジャーに就任。両親、恋人、そして自分を導く者といった人の絆の深さと大切さを知った彼が、その後ミュウと人類を正しく導いた様子が暗示されている。
フィシス(15歳→96歳)
声 - 秋吉久美子 / 小林沙苗 / 池田昌子(ラジオドラマ版)ミュウの美少女占い師。生まれつきの盲目で予知能力に秀でている。ブルー、ジョミーと歴代のソルジャーに常に仕え、提言を与えている。占いは占い用のターフル(オランダ語でテーブルの意)で行われ、占いの結果は概ね当たる。また、なぜか銀河系や地球の外観を知っている。謎の多い女性で、物語上の重要な意味を担う存在である。キースとは敵同士であるにもかかわらず情報を与えてしまい、トォニィを目覚めさせようとしてかえって逃げられ、能力や知識を吸収され、正体すら暴かれてしまう。しかし、その正体を最初から知っていたソルジャー・ブルーにとって、彼女は『女神』である。ジョミーの願いから、唯一ジョミーを本名で呼ぶ。キースの遺伝子上の母親。『息子』キースと直接接触した時には、本人の意志に関係なく心を読まれてしまった。実は『無垢なる者』の候補者として15歳まで人工子宮で育てられ、知識は脳に直接刷り込まれていた。


次ページ
記事の検索
おまかせリスト
▼オプションを表示
ブックマーク登録
mixiチェック!
Twitterに投稿
オプション/リンク一覧
話題のニュース
列車運行情報
暇つぶしWikipedia

Size:226 KB
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
担当:undef