地獄_(仏教)
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すなわちイエス最後の審判のように、大国主命(おおくにぬしのみこと)が、死者を「祟り神」などに格付けしてゆくという発想である。
日本文化において地獄草紙』「雨炎火石」(東京国立博物館蔵)

日本の仏教に拠れば、死後、すべての人間は三途の川を渡り、7日ごとに閻魔大王など十王の7回の審判を受け、最終的に最も罪の重いものは地獄に落とされる。地獄にはその罪の重さによって服役すべき場所が決まっており、焦熱地獄、極寒地獄、賽の河原、阿鼻地獄、叫喚地獄などがある。そして服役期間を終えたものは輪廻転生によって、再びこの世界に生まれ変わるとされる。

古事記』には地獄に似ている黄泉国が登場する。ただし、『日本書紀』の中に反映されている日本神話の世界では地獄は登場しない。代わりに小野篁が地獄に降り、閻魔大王のもとで裁判の補佐をしていたという伝説や、日蔵蔵王菩薩の導きで、地獄へ行き罰をうける醍醐天皇とその臣下に逢う説話などが残されている。
種別

衆生が住む閻浮提の下、4万由旬を過ぎて、最下層に無間地獄(むけんじごく)があり、その縦・広さ・深さは各2万由旬ある。この無間地獄は阿鼻地獄と同意で、阿鼻はサンスクリットav?ciを音写したものとされ、意味は共に「絶え間なく続く(地獄)」である。阿鼻地獄は一番下層にあり、親殺しなど最も罪の重い者が落ちる。そこへの落下に二千年も要し、四方八方火炎に包まれた、一番苦痛の激しい地獄である。[3]

その上の1万9千由旬の中に、大焦熱・焦熱・大叫喚・叫喚・衆合・黒縄・等活の7つの地獄が重層しているという。これを総称して八大(八熱)地獄という。これらの地獄にはそれぞれ性質があり、そこにいる衆生の寿命もまた異なるとされる。

また、この八熱地獄の4面に4門があり、門外に各4つの小地獄があり、これを合して十六遊増地獄という(四門地獄、十六小地獄ともいう)。八熱地獄と合せば百三十六地獄となる。また八熱地獄の横に八寒地獄または十地獄があるともいわれる。

また、山間廣野などに散在する地獄を孤独地獄という。
地獄の色

東アジアの仏教では、地獄の色は道教的に、あるいはその影響を受けた陰陽道的に「」で表す。餓鬼は、畜生は修羅、この三色を混ぜると地獄の黒になると言われる。また、節分で追われる赤鬼、黄鬼、青鬼はここから来ている。
脚注[脚注の使い方]
注釈
出典^ a b c 「奈落」 - 日本大百科全書(ニッポニカ)、小学館。
^ a b 「ならく」 - デジタル大辞泉、小学館。
^ “ ⇒阿鼻(無間)地獄 。生活の中の仏教用語 。読むページ 。大谷大学”. www.otani.ac.jp. 大谷大学. 2019年1月11日閲覧。

関連項目

地獄

三界

八大地獄

十六小地獄

十界

地獄 (キリスト教)

外部リンク

国立博物館所蔵国法重要文化財 - 地獄草紙










仏教
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