地獄のヒーロー
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本作を皮切りに多くのアクション映画に主演し、1980年代のコマンドヒーローブームを、シルヴェスター・スタローン、アーノルド・シュワルツェネッガーと共に牽引した。そして1990年代に世界的なロングランヒットとなったトップショー『炎のテキサス・レンジャー』(1993年 - 2001年)の主演、そして、2000年代以降のポップカルチャーのカルトアイコンとしての不動たる地位の原点となった。チャック・ノリス・ファクトの熱狂的とも呼ばれるブームによる彼の年収は、現在1500万ドルにも上る。
ジャン=クロード・ヴァン・ダム

ジャン=クロード・ヴァン・ダムは無名時代に本作でスタントマンを務めている(エンドロールのクレジットでも確認ができる)。これが縁となり、空手家出身の映画スターの先駆者であるチャック・ノリスのスパーリングパートナー、また当時のチャックの妻が経営するレストランの用心棒兼ウエイターとなる。そしてレストランに訪れたキャノンの総帥メナハム・ゴーランに強烈な売り込み(ゴーランの目の前でバック転や股割りを見せる)をかけ、これに驚嘆したゴーランは彼に『ブラッド・スポーツ』(1987年)という初主演作を与えた。
ジョセフ・ジトー

公開順は先になるが、ランス・フールの後を受け監督に抜擢される。それまでの代表作は、『ローズマリー』(1981年)や『13日の金曜日・完結編』 (1984年) というスラッシャームービーであったが、本作のヒットを転機に多くのアクション映画を手掛けることとなる。以後、チャック・ノリス主演の『地獄のコマンド』 (1985年) 、ドルフ・ラングレンの代表作となる『レッド・スコルピオン』(1989年)などを監督する。

チャック・ノリスとジョセフ・ジトーのコンビによるアクション映画の興行的成功が、映画業界にもたらした影響は大きく、1990年代初頭までのアクション映画が踏襲する原型を作った。それは武道家出身の主演俳優とスラッシャームービーの監督によるアクション映画というヒット作の法則である。ワーナー時代のスティーヴン・セガール主演作は、オライオンによるチャック・ノリス主演作の型をそのまま踏襲し成功を収めたのは一目瞭然である。

キャノン製作による『地獄のヒーロー』の翌年に公開された、オライオン製作のチャック・ノリス主演作『野獣捜査線』 (1985年)の監督、アンドリュー・デイヴィスもジョセフ・ジトーと同様に前作は『ファイナル・テラー』 (1981年)というスラッシャームービーであった。

これを踏襲した結果が、スティーヴン・セガールのデビュー作『刑事ニコ/法の死角』 (1988年)であり、『沈黙の戦艦』 (1992年)である。ともに『野獣捜査線』のアンドリュー・デイヴィスが監督を担当した。セガール主演3作目の『死の標的』(1990年)の監督ドワイト・H・リトルもそれまで、『ハロウィン4 ブギーマン復活』(1988年)『オペラ座の怪人』(1989年)を代表作に持つスラッシャームービーの監督である。

『レッド・スコルピオン』を製作したジャック・エイブラモフも『地獄のヒーロー』の成功を強く意識し、ジョセフ・ジトーを監督に登用したとのコメントを残している。
アーロン・ノリス

『地獄のヒーロー』2作品ともにスタントコーディネーターとして作品を支え、シリーズ3作目の『ブラドック/地獄のヒーロー3』(1988年)にて監督に昇進する。以後も多くの作品で製作、監督、出演をこなし、実兄チャック・ノリスと共に製作総指揮を担当した『炎のテキサス・レンジャー』の成功により映画製作者として確固たる地位を築く。『炎のテキサス・レンジャー リターンズ』(2005年)では監督も務めた。アシュビル・アクションフェスト映画祭(2010年)においても企画・プロデューサーの大役を果たす。
ランス・フール

本作の実績により以後もコンスタントに作品を発表し続けている。パトリック・スウェイジ主演『スティール・ドーン/太陽の戦士』(1987年)、トム・ベレンジャー主演『ワン・マンズ・ヒーロー』(1998年)と製作・監督作がある。『スティール・ドーン』以降は主に製作に専念、製作総指揮に当たった作品は、クリストファー・ランバートマリオ・ヴァン・ピーブルズ共演の『ガンメン』(1993年)、ケヴィン・ベーコン主演『アフリカン・ダンク』(1993年)、『わんぱくフリッパー』の劇場リメイク『フリッパー』(1996年)、デンゼル・ワシントン主演、トニー・スコット監督『マイ・ボディガード』(2004年)ほか多数。製作作品に、ポール・ホーガン主演『クロコダイル・ダンディー in L.A.』(2001年)がある。
スティーブ・ビング

『地獄のヒーロー』で華々しくデビューを飾った後も、シルヴェスター・スタローン主演『追撃者』(2000年)の製作総指揮、ジェリー・ブラッカイマー製作の『カンガルー・ジャック』(2003年)では原案・脚本を務め。オーウェン・ウィルソンモーガン・フリーマン共演の『ビッグ・バウンス』(2004年)、マーティン・スコセッシ監督、ザ・ローリング・ストーンズ出演のライブ・ドキュメンタリー『ザ・ローリング・ストーンズ シャイン・ア・ライト』(2008年)では製作を担当。

不動産王で億万長者のエリザベス・ハーレイの元恋人としても知られ、投資家としても大胆な投資を行い、ロバート・ゼメキス監督の大作『ポーラー・エクスプレス』(2004年)の総予算の50%である8000万ドルをカバーし話題となる(興行収入は全世界で3億ドルを突破した)。また祖父はロサンゼルス・カウンティ美術館館長、父はスタンフォード大学の理事を務めており、スタンフォード大学には彼の家族を命名したライブラリーがある。
スタッフ

製作:
メナハム・ゴーラン、ヨーラン・グローバス

製作総指揮: ランス・フール

監督: ジョセフ・ジトー

ストーリー原案: ランス・フール、ジョン・クロウザー

キャラクター原案: スティーヴ・ビング、アーサー・シルヴァー、ラリー・レヴィンソン

脚本: ジェームス・ブルーナー

音楽: ジェイ・チャタウェイ

出演

役名俳優日本語吹替
テレビ東京
ジェームス・ブラドック大佐チャック・ノリス森川公也
ジャック・タッカーM・エメット・ウォルシュ神山卓三
マクスウェル・ポーター上院議員デヴィッド・トレス加藤正之
アン・フィッツジェラルドレノア・カスドーフ上田みゆき
トラウ将軍ジェームズ・ホン仲木隆司
ヴィンアーニー・オルテガ内海賢二
ジャックピエリーノ・マスカリーノ
マスッチエリック・アンダーソン
カータージョセフ・カーベリー
ダルトンアヴィ・クレインバーガー
ランダルウィリー・ウィリアムズ
GIリック・セグレト
パール夫人ベラ・フローレス
ベトナム・ビジネスマン#1ギル・アルセオ


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