地方競馬
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馬主の審査・登録も地方競馬全国協会が日本中央競馬会とは別に行っており[12]、必要とされる所得額は個人馬主の場合で500万円以上となっている[注 5][38]
競走・競馬番組ばんえい競走で第2障害を越えるばん馬(第35回帯広記念カネサブラック地方競馬スーパースプリントシリーズの最終戦である習志野きらっとスプリントを三連覇したラブミーチャン

地方競馬の平地競走は1周850メートル以上の走路でサラブレッド系の馬によって行われ、スタートからゴールまでのスピードを競う[3]。ばんえい競走は日本で生まれた独自の競走形態で、体重1トン前後の重種馬が騎手とおもりを載せた鉄製のそりをひき、途中に2つの障害(台形状の小さな山)を設けた直線200mのセパレートコースでパワーとスピードを競う[3]

地方競馬の競馬番組は「2歳」「3歳」「一般(3歳以上の古馬)」の年齢区分で番組編成が行われ、各馬の格付け(前述)に基いて出走可能なレースが決められる[16][注 6]

重賞競走は各主催者(地区)が個別に定めた独自のグレード表記を行うところもある[39]ほか、中央競馬と地方競馬の所属に関わらず出走できるダート交流重賞は日本グレード格付け管理委員会の承認を受けた格付表記(国際競走はG表記、日本調教馬限定競走はJpn表記)が用いられ、「ダートグレード競走」として総称される[40]。このほか、中央競馬の下級条件馬が出走する「条件交流競走」や地方競馬のみの全国交流競走、さらには地域限定の交流競走や騎手のみの交流競走も幅広く行われている[41]。大井競馬場では、韓国馬事会(KRA)との国際交流競走を2013年より2016年までの4回実施した[42]

また、複数の重賞競走をシリーズ化した競走も行われ、一部のシリーズ戦は着順に応じたポイント等で各馬の順位を決め、上位馬にボーナス賞金を与えている。全国規模でのシリーズ競走は以下の通り。

ダービーシリーズ[43] - 各地の8競馬場で行われる「ダービー(3歳馬のチャンピオン決定戦)」を短期集中施行(2006年から2023年まで)。

GRANDAME-JAPAN[44] - 世代別(2歳・3歳・古馬)の牝馬重賞シリーズ戦。ポイント上位馬にはボーナス賞金を授与。

未来優駿[45] - 秋に行われる各地の2歳馬による主要競走を短期集中施行。

地方競馬スーパースプリントシリーズ[46] - 1000m以下の短距離競走で構成されるシリーズ戦。各地区ごとに予選となるトライアル競走を行い、それらの上位馬で行われるファイナル(習志野きらっとスプリント)でチャンピオンを決定する(2011年から2023年まで)。

3歳秋のチャンピオンシップ[47] - 各地の3歳馬限定重賞競走を戦った有力馬が盛岡競馬場で実施されるダービーグランプリへ集い、地方競馬の3歳チャンピオンを争う。ボーナス賞金のほか、JBC出走奨励金の制度もある[48](2017年から2023年まで)。

騎手交流競走には、以下のようなシリーズ戦がある。

地方競馬ジョッキーズチャンピオンシップ[49] - 中央競馬で行われる「ワールドオールスタージョッキーズ(2014年まではワールドスーパージョッキーズシリーズ[50])」に出場する地方競馬代表騎手の選抜を目的とした競走シリーズ戦。

ゴールデンジョッキーカップ[51] - 通算2000勝以上を記録した地方競馬・中央競馬の騎手のみで争われる競走シリーズ。

佐々木竹見カップ ジョッキーズグランプリ[52] - 地方競馬の騎手として通算7151勝(ほか中央競馬で2勝)などの記録をもち、「鉄人」「地方競馬の至宝」の異名もつけられた佐々木竹見の功績を称え、地方競馬・中央競馬の代表騎手を招待して行われる競走シリーズ。

全日本新人王争覇戦[53] - 地方競馬・中央競馬からデビュー3年以内の若手騎手が集い、新人王の称号をかけて争う競走シリーズ。

レディースジョッキーズシリーズ - 地方競馬の女性騎手のみで争われる競走シリーズ(2006年 - 2011年、2021年 - )。

レディスヴィクトリーラウンド[54] - 2016年から2020年まで開催された地方競馬の女性騎手のみで争われる競走シリーズ。

ホッカイドウ競馬では馬産地に近い特性を生かし、1着馬の馬主または生産牧場へ副賞として特定種牡馬の種付権を与える「スタリオンシリーズ競走」を行っている[55]。その後、岩手や東海地区・兵庫でも「HITスタリオンシリーズ」の名称で行われるようになった[56]。また一部の競馬場では、数万円程度の協賛金と副賞を提供することで、競走の冠命名権などのサービスを含んだ個人協賛競走を行うことができる。
表彰制度

全国規模の表彰として地方競馬全国協会がNARグランプリを1990年度より行っている[57]ほか、日本プロスポーツ協会の加盟団体として日本プロスポーツ大賞での受賞資格を有する[58]。また、南関東地区が優秀騎手・功労調教師らの表彰を行い[59]兵庫県競馬組合が別途年度代表馬や各部門賞を選定している[60]など、各主催者・地区単位でも独自の表彰制度を設けている。岩手県競馬組合では、馬事文化賞の表彰も行われている[61]
競馬場
地方競馬を開催可能な競馬場

地方競馬を開催できる競馬場は、以下の17ヶ所[1][62]。ただし2024年時点で、中京競馬場、札幌競馬場は中央競馬の開催のみが行われているため実質15場である。中京は2003年以降、札幌は2010年以降は地方競馬の開催がなく、休止状態である。

地区都道府県所在地競馬場名主催者・通称所属
北海道北海道帯広市帯広競馬場帯広市(業務委託:株式会社コンピューター・ビジネスほか)
通称:ばんえい競馬(ばんえい十勝)ばんえい
沙流郡日高町門別競馬場北海道(業務委託:北海道軽種馬振興公社)
通称:ホッカイドウ競馬北海道
札幌市中央区札幌競馬場


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