地中海
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トルコ語では Akdeniz と言い、これは「黒海」 Karadeniz に対する「白海」という意味である。アラビア語では Al-Ba?r Al-'Abia? Al-Muttawasit(????? ?????? ???????)と呼んで、「中央の白い海」という意味合いになっている。

近年[いつ?]の英語では、"The Med" という短縮語が、地中海とそれを取り巻く周辺地域を日常の会話で語る場合の共通の語として用いられている。
地理地中海の地図

正確には、西をジブラルタル海峡大西洋と接し、東はダーダネルス海峡ボスポラス海峡を挟んでマルマラ海黒海につながる海をいう。マルマラ海を地中海に含めることもあるが、黒海を含めることはしない。19世紀に掘削されたスエズ運河の開通以降は紅海を経由してインド洋につながる。

内海であるため、比較的波が穏やかである。また沿岸は複雑な海岸線に富んでいるため良港に恵まれ、3つの大陸(ヨーロッパアジアアフリカ)を往来することができる。こうした条件から、地中海は古代から海上貿易が盛んで、古代ギリシア文明ローマ帝国などの揺籃となった。21世紀初頭の現在も世界の海上交通の要衝の一つである。

地中海の沿岸は夏に乾燥、冬に湿潤となり、地中海性気候と呼ばれる。この気候のため、オリーブ等の樹木性作物の栽培が盛んであるほか、夏のまばゆい太陽や冬季の温和な気候を求めて太陽に恵まれない地域から多くの観光客が訪れる。

下記のように巨大なプレートの衝突によって形成された海であるため、火山が点在し、ヴェスヴィオ山エトナ山サントリーニ島など現代に至るまで活発に活動を続ける火山も多い。地震も頻発する。
海況6月の地中海表面海流

内海であり、西端のジブラルタル海峡のみ[注 1] でしか外海と接続のないことは、地中海の海水循環に大きな影響を与えている[4]。ジブラルタル海峡は狭く浅いため、北大西洋海流のような外洋の大きな海流の直接の流入はない。大西洋からの海水の流入と、ナイル川などの地中海に流入する河川の水量をあわせても海面からの蒸発量が大幅に上回るため、塩分濃度が高く、潮位が低くなっている。

蒸発量は気温が高く乾燥の度合いの強い地中海東部においてより激しく、そのため東部では水面が低く塩分濃度も高い[5]。こうして低くなった東部には大西洋から西部を通じて低塩分の海水が流れ込み、東の高塩分水はそれによって西へと押し出され、ジブラルタル海峡より大西洋へと戻る。このため、地中海の表層の海流は軽い低塩分水が東へと流れ、深層海流は重い高塩分水が西へと向かっている[6]。地中海から流れ出た高塩分水は大西洋で数千kmも特徴を保ち続ける[7]

しかし全般的に言って、地中海の潮流は非常に弱い。閉鎖性水域であり[2]、海水の循環が不十分であるうえに、沿岸人口は3億6000万人を超える世界でも開発の進んだ地域の一つであることによって、地中海の水質悪化が懸念されている[8]
形成

約2億年前ないし約1億8000万年前、パンゲア大陸が南のゴンドワナ大陸と北のローラシア大陸へと分裂し始め,テチス海が誕生した。テチス海は現在の地中海の原型にあたり、古地中海とも呼ばれる。テチス海は、地殻変動が繰り返され現在のユーラシア大陸アフリカ大陸が形成されていく中で、カスピ海黒海を切り離す形で縮小してきた。

中新世末期のメッシーナ期(7.246±0.005百万年前 - 5.332±0.005百万年前)には一時的に大西洋との間で断絶が起き、596万年前から533万年前にかけてメッシニアン塩分危機が起こり、テチス海は塩湖化しながら縮小もしくは完全に干上がった時期が確認されている。

533万年前、再び大西洋とジブラルタル海峡で繋がると、200年以上かけて海水が流れ込むザンクリアン洪水(英語版)によって、地中海が形成された。塩湖からの影響で地中海は現在も大西洋より塩分濃度が高くなっている。
気候 地中海周辺のケッペンの気候区分図


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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